アイラ島北部の港、ポートアスケイグのほど近くにあるカリラ蒸溜所。
カリラとはゲール語で『アイラ海峡』を意味し、ジュラ島との間にある海峡の事。
1848年に設立された蒸溜所で、現在のオーナーはディアジオです。
アイラモルトの中では比較的ライトなフレーバーで、熟成が長くても価格が安い蒸溜所です。
また品質が安定していて、カリラは『失敗しないアイラモルト』という印象。
私が飲みはじめた2011年頃は、ちょうどボトラーから1981ヴィンテージが多くリリースされた時期で、30年ものでも12000円くらいで売っていました。
最近はさすがに高くなりましたが、ポートエレンが閉鎖、アードベッグが休止、ボウモアがパフューム全開の80年代を支える、ピーティーなアイラモルトとして、とても貴重な存在です。
その当時、1979ヴィンテージもボトラーからたくさん出て、フルーティーでその質の高さが評判になりました。
このボトルはそんな1979ヴィンテージのオフィシャルボトル、25年熟成のカスクストレングス。
数年前まで国内に在庫があったボトルで、ボトリングからすでに12年くらい経過しています。
カリラの中では5本の指に入るくらい好きなボトルですが、久しぶりにホームのBarで開栓されました。
【テイスティング】
太陽を浴びたねっとりしたネーブルのような柑橘、キラキラと光る海水、松ヤニやミント、やさしいピートスモーク、レモンピール、金華ハムのスープ、ミルクチョコレートやマスカットの果汁。
79ヴィンテージのカリラに感じる、太陽を浴びてキラキラ光る海水のような、磨かれたようなピート感が強く存在します。
79や81の長熟カリラにはそれを強く感じますが、アイラ島で唯一、真東を向いて建っていて、スチルは毎朝朝日をたくさん浴びるそうですが、関係があるのでしょうか。
また、カリラらしい柑橘様フルーティーさがあり、ディアジオのオフィシャルにあるリフィルのヨーロピアンオークっぽいチョコレート感もあります。
余韻も長くバランスよく複雑な素晴らしいカリラ。
ハイプルーフですがこなれており、ついつい杯を重ねてしまいます。
ホームのBarのマスターは安く売っているときに在庫をたくさん買われていたため、定期的に飲むことができています。
マスターの慧眼に感服しながら、おいしくいただいた、幸せなカリラです。
【Verygood!!】