備忘録としてはじめたブログですが、約一ヶ月でようやく100本のボトルについて書くことが出来ました。

一区切りの100本目はブラックボウモアです。

今や伝説となっているボウモアの1964ヴィンテージ。
この年は『奇跡のヴィンテージ』と呼ばれています。

ダークなオロロソシェリーで熟成されたボウモアがブラックボウモアです。
今まで4回リリースがありましたが、このボトルはそのうちの3rdリリース。

ボトリングは1995で熟成は31年、アルコール度数は49%です。
93にボトリングされた1st、94にボトリングされた2ndに続きリリースされましたが、木箱にはファイナルエディションと銘打たれています。

ですがその後、42年熟成の4thが2007年にリリースされました。

開栓してしばらくはトロピカルフルーツが奥にこもっていて、どちらかというと黒い葡萄、ピーティーな60年代の長熟ロングモーンのような味でした。

しかし底に近づくにつれて、だんだんトロピカルなフレーバーが出てきました。

今はダークなシェリーにマスクされずに、トロピカルが強く主張し、オロロソシェリーをトロピカルが凌駕しています。

唯一無二の味で、まさかここまでの味になるとは!
『奇跡のヴィンテージ』といわれる理由がわかりました。

ダークチェリー、熟したグレープフルーツ、弾けるようなパッションフルーツ。
オールドピート、枯れ草や分厚い麦の旨味。
タンニンの渋みと炒りたての赤いコーヒー豆。
アフターには黒い葡萄と60年代の素晴らしいノーブルなシェリー。
引き込まれるセクシーなフェロモンのような香り。
妖艶なブラックベリーのジャムが余韻に永遠に続くかのよう。
飲んだ後には口に残るアイラの大地をかじったようなアーシーなフレーバー。

まさに今飲み頃を迎えていて、圧倒的な存在感を発揮しています。
この状態で飲むとこのボトルの市場価格もうなずけます。

今のように高騰する前、ユーロ安の時に無理して手に入れましたが、ボトルで変化を見ることができて、本当に良かったです。

得難い経験が出来た、まごうことなき名品です。


【Excellent!!!!】