首相 訪米終え帰国の途に
http://www3.nhk.or.jp/news/2007/11/17/d20071117000049.html
会談後の共同発表で、日米同盟の重要性を再確認したとの冒頭に始まり、米は拉致問題が日本にとっていかに重要であるかは、十分に認識しているということと、インド洋での給油活動の早期再開を期待すること、アメリカ産牛肉の輸入緩和を求めたことが述べられてます。
牛肉はまあ、あいかわらず今までの基準で輸入しますよということでしょう。
インド洋での給油活動に関しては、新テロ特措法案の衆院可決を片手に”頑張ってます”というアピールはできたのかな。ただ民主党の鳩山幹事長は、改めて新テロ特措法案には反対だって立場を明確にしたわけで。また一方では、給油活動の中断の影響が具体的に出されてきていることもあり、今後も活動再開を求める声は時間とともに大きくなってきそう。
拉致問題については、ブッシュからは「忘れない」「引き続き支援していく」という発言にとどまった。日本がかねてから求める”拉致問題の解決なしでのテロ支援国家解除はない”との約束はなされず、拉致問題はとりあえずおいといてテロ支援国家の解除、という選択肢は当然健在。
日本としてはテロ支援国家の解除をひとつの強力なカードとして、拉致問題を進展させたい。アメリカはというと、イラクやアフガンに対する失政により、国民の支持を失っている。その中で、来年には大統領選挙を迎える。外交政策に実績を見いだせないブッシュとしては、北朝鮮に賭けているということもあるだろう。このあたりの事情が北朝鮮に対する譲歩の背景の1つ。あとは北朝鮮の鉱物資源だろうか。しかしこれで北が調子にのってだだをこね始めるとまた困る。
また一方で国際社会では拉致問題の解決を強く求める日本と、北朝鮮に対して核の放棄を優先して求める諸国との対立の中で、日本は孤立しつつあるよう。国家による人権侵害と核の脅威、どちらを重視すべきかはとても難しいところだと思う。あえて言えば、どちらかを重視する問題ともいえない。
「対話と圧力」という2項がよくこの問題で出てくるが、日本のみが張り切るような経済制裁では、圧力にも限界があるかな、と思ったりもして。福田さんは当初から対話を重視していくと語っていた、まだまだ解決には時間がかかりそうです。
つい先日横田めぐみさんが拉致されてから30年を迎えたとのことでしたが、ご両親やほかの拉致被害者と、そのご家族の苦しみを考えればなんとも歯がゆい問題ですな。
北朝鮮に関連しては、核技術移転などシリアとのつながりが疑われていましたがその辺も気になるところ。