「お母さんが、体調悪いから、すぐきて」
部屋でzoom会議しているところに
娘がメモ書きを持ってきた。
さっき、嫁からのLINE電話を無視していた。
慌てて会議を中座して、寝室に向かうと
体をくの字に曲げて
嫁がベットに横たわっている。
寝てるのはいつものことだが。
体調悪いの?
「き・・しゃ・・」
? なに?
「きゅ・・しゃ・・で」
どうした? 熱ある?
「・・救急車呼んで」
弱々しい声で聞こえた。
救急車?
嫁の性格からして
救急車に頼ることはまずないので
これは、やばいかも。
わかった。救急車呼ぶよ。
「あっ・・で、・・で」
? なんて?
「あっちで呼んで!」
急に声が出て怒鳴られる理不尽。
仕方なくリビングで救急車を呼ぶ電話。
「はい119番です。火事ですか?救急ですか?」
救急です。XX歳の女性、意識はありますが
起き上がれないようで、
体に触るのを嫌がります。
「わかりました。救急車大変混み合っていて
30分ほど、おまちいただけますか?」
電話を切って、嫁に30分ほどかかることを
伝えてから、こんどは娘のある部屋を覗くと
机に座ってメソメソ泣いている。
そりゃそうか母親が急に倒れて
「・・お父さん呼んで」なんて
驚くのも無理はない。
状況について、語ってくれないので
よくはわからないが、意識はあるので
大丈夫だろう。息も荒くないし
何かをじっと耐えているようだが
それが何かはわからない。
ただ、急に血圧が上がり
心拍数が増えた理由はなんだ?
状況を喋ってくれないのは
救急車が到着してからも同じだった。
救急隊員が処置をするため質問すると
小さな声で答えてはいるが
目を開けないで体勢も変わらない
担架に乗せようとすると
「ちょっと待ってほしい」という。
隊員、嫁の希望に沿うように
ひたすら待っている。
今日は救急車が混み合っているので
できれば早いこと搬送したいはずなのに。
病院に着いても相変わらず。
心電図?やら血圧やら採血やら検査するのに
「ちょっと待って」を繰り返す。
ラクになってから心電図とったら
どこが悪いのかわかるはずもないのに。。
今日、午後から娘の中学校で
三者面談が予定されている。
嫁が、仕事休んで行くはずだった。
なのにこんなことになってしまって。
果たしてどうしたものか。
続く。。。、
離婚まで、あと2076日。