定例の仕事を終えて7時半頃帰宅すると

嫁の姿はなく、娘に聞くと夕飯はまだだという。

出がけに冷蔵庫に肉や野菜を買って

入れておいたのは、嫁が帰宅して

適当に何か作るだろうと考えてのことだった。

当然ながら「遅くなる」の連絡はない。


仕方なく素麺を茹で始めると

そこへ嫁が帰ってきた?

「あれ、まだなの?」とは

「まだ(夕飯作ってるとこ)なの?」の略か。

今帰ったとこだから、と僕は

ギリギリ抑えながら、それでも

多少はぶっきらぼうに

今日は俺が遅くなる日なんだから

お前が夕飯つくるんじゃねーのかよ

という思いを少しだけ込めて言った。


本当は帰宅してサクッとご飯を食べて

仕事の続きをしなければならなかったのだが

夕飯を作って、食べ終えたら

ねむくなってしまってソファで

ゴロゴロしてしまい

仕事部屋に戻ったが、今度は腹が立ってきて

結局夜中二時までかかっても

仕事は、終わらなかった。


諦めて明日、朝やろう。


そう思ってリビングのソファに

夜を横たえると、寝室から嫁のいびきが

聞こえてきた。

いびきなんてかく女じゃなかったのに。

仕事で疲れているのかな?

なんて優しい気持ちは生まれなかった。


離婚まで、あと2103日。