仕事が予定より早く終わり

6時過ぎに帰宅すると

家の中はひっそりとしている。

嫁は朝からいえにいるので在宅勤務だ。

娘は自室で宿題でもしているのか。


嫁がいる日、夕食の準備は

嫁が担当するのが我が家の暗黙の了解だが

昼食にファストフードをとったらしく

パッケージがゴミ箱にあった。


これから夕食の準備を始めたら

8時は回るだろう。

かと言って僕が料理を始めたら

まるで、嫁が夕飯を作らないことを

無言で責めているかのようになる。

僕はキッチンにあった菓子パンを手に

自室へ篭ることにした。


6時半を少し回った頃

嫁が買い物に出て行った。

やがて戻ると、キッチンで

夕飯の準備が始まった。


「ご飯だよ」と娘が呼びに来たのは8時半。

ダイニングには、嫁が機嫌の良い時につくる

メニューが並んでいた。

仕事が順調だったらしい。


饒舌な嫁の話しに適当に相槌を打ちながら

僕は心の中では、夕飯は7時だろ! と

少し不機嫌なことを気づかれないように

テレビを目をやりながら

黙々と食べ続ける。


食事が終わると、嫁と娘は

それぞれの部屋へと引き上げて行った。

テーブルの上はそのままにして。


シンクはきれいに片付いていて

調理道具は跡形もない。

それは嫁の良いところでもあるのだが

「あたしはちゃんと片付けられるけど

あなたはできないでしょ。だったら

せめてテーブルの片付けはやってよね」

と、言われているような気がした。


皿を予洗いして食洗機に詰めると

ピーピーピーと音がしてエラーメッセージ。

また、食洗機が調子悪い。

僕は片付けを明日することにして

仕事の続きをしに部屋に戻った。


離婚まで、あと2119日。