夜7時を回った。

我が家の夕飯は7時前に始まる。

今日は嫁が休みなので

夕飯を作るのが暗黙の了解なのだが

一向に準備ができた様子はない。


7時半。

キッチンを覗くと、嫁が夕飯の準備をしている。

昨日、「今日は唐揚げ」と言っていたが

揚げ物をした様子はない。

その代わり、昨日、僕が揚げた天ぷらを

リメイクした天丼が並んでいる。


残り物を利用したのは構わないのだけど

それなら、もう少し早く用意できたのでは?

それとも、早く用意できるだろうと

時間配分まちぎえたの?


そんな言葉は全部顔にも出さず

無言で皿をテーブルに運ぶ。


うちは年中、麦茶を煮出しているのだけど

いつのまにか、娘の担当になっていたらしい。

風呂掃除とゴミ出しと麦茶作りを

娘に任せたのは、当然ながら僕ではない。


「麦茶作っておいてね」

食事を終えた嫁が、そう言い残して

寝室は帰って行った。

娘は聞こえていないふりをしていた。


僕は何も言わず

テレビを眺めながら

缶ビールを煽る、

そんな休日の夜。


離婚まで、あと2143日。