嫁が在宅勤務の日は
とくに「明日休み」ということもなく
朝、いつもの時間に起き出してこないことで
そうなのかと知らされるのが、いつものことだ。
今日も、朝、8時になっても
嫁が起きてくる気配がない。
部屋で死んでいたとしても気づくまい。
僕は自室で仕事していて
昼頃、お腹が空いてキッチンを覗くと
なにやら嫁が魚を焼いている。
魚があまり好きではない嫁のことだから
きっも鮭かほっけだと思う。
先日、娘が学校の給食で食べた
かれいの煮付けが美味しかったという話は
嫁の耳には聞こえていない。
魚を焼く横で僕は鍋に湯を沸かして
パスタを茹で始める。
暗に嫁の役魚を食べる意思がないことを
それで示したつもりだ。
嫁の魚が焼ける前にパスタが茹で上がったので
レトルトのパスタソースを掛けて
自室に持って行って1人でたべた。
食べ終わった皿は机の端置いたまま
夕方からまだ仕事していて
喉が渇いたのでキッチンへ行くと
焼き鮭か一切れ、長皿のうえに乗っていた。
昼に焼いていた魚?
生ゴミの入れ物に、もう1匹食べた形跡がある。
嫁はふた切れ焼いて、一切れだけ食べたのだ。
この一切れは誰のため?
僕のため?
それとも、明日のお弁当?
多分、今夜の夕飯は嫁が作るはずた。
鮭の行方は、その時わかるかもしれない。
離婚まで、あと2169日。