冬の寒さが厳しくなってきたのと同時にエアクリーナーをS&Sにして、マフラーを穴あきにしたからかもしれませんが、キャブレターのセッティングが必要な気がしてきました。

ゼロゼロソフテイル-キャブレター分解
キャブレター分解の様子

起こった出来事はこんな感じです。
1. 寒い日の朝、チョークを引いて始動して、5分ほど走ったところでだんだんエンジンが吹けなくなって止まりそうになった。

2. 別の寒い日の帰り道、これまた調子よく走り出したつもりだったが、どうもアクセルを開き始めでプスプス言って吹けあがらない。アクセルをガバッとあけるとバーンと加速する。アクセルを1/8ぐらいのところで固定するとギクシャクして走れたものではない。アイドリングは問題ない。

3. えらくパンパンバックファイヤーするので、ミクスチャースクリューを2.5回転から3.5回転まであけたらましになった。

どうも腑に落ちません。暖かい休日の昼間に走っても問題ないのですが、こういう異常は決まって寒い日の通勤(ほんの7kmぐらい)で発生します。しかも出発した直後と到着直前は問題ないのです。キャブレターのセッティングなのか、そもそもキャブレターの動作がおかしいのか、点火(レーザーノーズをつけている)なのか。
悩んでも仕方ないのでまずは「スロージェットの交換」をしてみます。

ちなみに、純正、ノーマル状態でのCVキャブ内の様子はこんな感じです。
メインジェット 190番
スロージェット 45番
ニードル N8EA

この状態からスロージェットを50番に変えます。
スロージェットはヤフオクで400円ぐらいで落札できました。新品です。メール便で送ってくれるので送料は80円。
スロージェットの「50番」ということは、穴の径が0.50mmということですから、45番と比較すると約直径で1割増し、断面積で2割増しなので圧力一定ならここを通る燃料は2割ぐらい増えるのでしょうか。たぶんそう単純ではないはずです。

いろんなウェブに書かれていますが、スロージェットはなめやすいので注意が必要です。何を隠そう、私もなめました。困ったので、あの有名な「エキストラクター」を使いました。説明書によると下穴2mmをあけて、エキストラクターをブッさして、ねじを緩む方向に回すと、エキストラクターは逆ねじで穴に食い込み、いずれはねじが負けて緩まる、という理屈です。

エキストラクターはホームセンターに売っていました。数百円です。タップハンドルも必要です。

ゼロゼロソフテイル-エキストラクター
苦労の後、とれました。もちろんスロージェットはオシャカです。キャブレターは無傷です。

ジェット類の交換だけならキャブレターにワイヤーやホースをつなげたままでも可能ですが、エキストラクターを使うなら面倒がらずに全部ばらしたほうが良いです。というのも、精密ドライバーのプラスでスロージェットに下穴をゴリゴリあけた後、エキストラクターを構え、ハンマーで軽くたたくと良いからです。


ゼロゼロソフテイル-ジェット類
無事にスロージェットが交換できました。ついでに各部を清掃してあります。


ゼロゼロソフテイル-エアダスター
このキャブレターのオーバーホールにはエアコンプレッサーで穴のごみを吹き飛ばすのが常套手段ですが、パソコンのキーボードの掃除などに使う圧縮空気のスプレーも使えます。便利です。


ゼロゼロソフテイル-ドレン
これは初めてみました。ドレンボルトがなくなっています。予備のキャブレターがあるので、フロート室の部分だけ入れ替えようと思います。キャブレターの作業のはじめはやっぱりガス抜きをしたいのでドレンボルトはあったほうが便利です。いざというときガソリンを入手するのにも使えます。

パイロットスクリューは3.5回転だったものを2.5回転にしました。

<インプレッション>
スロージェットを50番にしてエンジンをかけたところ、アイドリングから音が大きく、太くなった気がしました。走ってみましたが、低速でしっかりトルクが出ているようです。アクセルを開き始めのもたつきもだいぶんと良くなりましたが、完全になくなってはいませんでした。あとひと息です。

<次回キャブをあけるなら>
1. フロート室を予備のキャブから移植してドレンボルトを確保する。
2. ニードルの位置をワッシャーで少しあげてみる。
3. トップカバーに色を塗りたいなあ