私の上司は私より10歳年上で、80年代アイドル全盛の時に青春を過ごしたそうだ。
そう、上司は松田聖子さんのファンであり、かつては親衛隊にも所属していたらしい。
これは、先日の松田聖子さんの武道館公演が終了した数日後のやりとりである。
なお、私の上司に当たる人間は実は今現在社長しか存在せず、つまり私は社長相手に熱弁をふるったことになるのだ。やれ、おっとろしいことじゃ。
以前、聖子ちゃんの武道館に行けることになったと聞いていた私、先日の出張の空き時間に何気なく話を振ってみた。
[そういえば、日曜って聖子ちゃんのライブだったのでは?]
コンサートではなくついライブと言ってしまう困った部下。
「そう!よく知ってるね!!行ったんだよ!良かったー、俺感動しちゃってさ!!」
しまった。これ絶対に余計なスイッチ押した。
案の定、いかに聖子ちゃんが可憐だったか、年齢を経てもあのキャラを貫くプロ意識が素晴らしいか、コンサートを最後まで走り切る体力がすごいか等を語られてしまう。
まぁいい、ファンが饒舌になるのはよくあることだし当然だ。しかも相手は青春時代にあこがれていたアイドルだ。
社長が気分良く話せる環境づくりもまた私の仕事なのだ。
[それは最高でしたね!盛り上がったでしょうね!!]
「ほんとに良かったんだよ。けどさ、始まってみんな立つのに、後ろの女の人が座ってて…見えなくなるかなと思って俺立てなかったんだよね」
は??なんて??
着席指定じゃないところに居て、立ち上がらないのはそいつの勝手であり、他の人を巻き込む話ではない!
「何回も後ろチラチラ見ちゃって悪いことしたかな…でも後半に立ってくれてね!やっと立ち上がれた!」
かーーーっ!なにをやっているのだうちの社長は!!
そう何度もない聖子ちゃんのコンサートでそんな我慢をするなんて!!
いいか?社長よく聞け。
[いやいやいや、それは気にしないで立っていいんですよ!]
「でも男が立ち上がったら見えないじゃん?」
[見えなくてもいいんです!座ってるのはその人の勝手なんだから!どうしても座ったままよく見たいのであれば着席指定席を取る努力をするべきであって!
自分で勝手に座っておいて見えないと文句言うのは違いますよ。
体が不自由かもしれない?そういう場合はそのための席も用意されてます。
もしそういう方で、本当は着席指定席を取りたかったけどだめだったって場合は、もう見えないことを受け入れてもらうしかありません。
ただ、後ろを気遣ってしまうのは社長がお優しいんですね😭でもヲタクとしては失格です!www]
「そうか、立って良かったんだ…」
そうだよ、何を遠慮してるんだ。自分が楽しみにして楽しみにして手に入れたチケットだろう??ルールを破っているわけじゃないんだから、立ちたい衝動に従っていいんだよ。
後ろの人はイラッとするかもしれない。だが普通席である以上着席を強要も出来ない。
[社長、現場は戦場なんですよ]
「お、おう…」
さらに語るには
「奥さんと行ったからさー、思いっきりはしゃげなかったんだよね」
は???(2回目)
なぜ!自分をさらけ出せない状態に!自分を追い込むのか!!
しかも奥さんはしぶしぶついてきたって言うじゃないか!
いいか?社長よく聞け。
[奥さんと一緒に楽しめるのいいですねー。羨ましいです。でも思い切り声出しとかフリとか出来ないと消化不良じゃないですか、やっぱり同志か1人参加ですよ!恥は捨ててなんぼ。あ、中途半端な友達はだめですよ!理性働いてストッパーかかりますからね!]
「そうだよね、同じように聖子ちゃん好きな地元のツレがいるから、その友達と行きたかったな」
[絶対にそうしてください!]
[そういえば追加公演あるって見ましたよ。今度こそお友だちと行かれては?]
「えー?だって同じコンサート見てもさぁ」
はぁ???(3回目)
[いいですか社長…ライブは生き物です。同じライブなんてただの一度もありません(真顔)]
「お、おう…。●●さんは何回も行くの?」
[行けるもんなら全通(後で全通の説明をした)したいですね、流石に無理ですけど。
割と直近で3公演行きましたね。足りないですが。]
「変態だ!」
無事、弊社社長より変態認定いただきました。
しかし、修羅の出張中に何の話をしとるんだこの本社の人間たちはwww
アットホームな職場です!