その7
レントランから帰ってきて、
サッとシャワーを浴びる。
濃厚なキスをして...。
愛し合う。。。
本当にこの嫁が浮気なんかしてるのかとか、
色んなことがグルグルグルグル頭の中駆け巡って、
色んなことを考えつつで、
いつもよりめちゃくちゃ意地悪で
めちゃくちゃドSな感じだったかも。
ことを終え、
少し寝て。
小一時間で起きた時。
言うか言うまいか迷ったけど、
うん、え〜いままよと思って切り出す。
僕「なんか俺に隠してることない?」
嫁「なんで急に?何を?」
僕「だから、隠してることなんかない?」
嫁はじっとこっちを見てる。
僕「他に男、いる よね?」
嫁「えっなんで?」
僕「財布にどっかの家の鍵入ってるの見たから」
嫁「えっお財布なんで見たの?」
僕「うん見たよ。ちょっと小銭借りようと思って小銭のところ開けたら、真新しい鍵が入ってた。あれどこの鍵?」
しばし沈黙。
嫁「よく来るお客さんに凄く好かれてて、預かっててって言われて、どっかに置いとく訳にもいかないからから持ってる。やましい鍵なら財布になんか入れてないよ」
僕「なにそれ?っていうか、なんでそんなの受け取っちゃうの?」
嫁「こういう仕事してて、よく来てくれるお客さんだから断りきれなくて」
僕「そんなの財布に入れて持ち歩いてるなんてさ、俺一緒にいてすっげー気持ち悪いんだけど。もし逆の立場で、俺が知らない女の家の鍵持ってたらどう思う?」
嫁「嫌」
僕「俺も同じように嫌なんだけど。。。」
嫁「でもしょうがなくて。。。」
あれ、「ごめん」ってこういう時使う言葉な気がするんだけど、全く出てこないぞ。
沈黙。何も言わなくなった嫁。
僕「やましいこと本当にないの? 本当に?」
嫁「本当にないよ」
僕「本当?」
嫁「本当」
僕「ホントのホント?」
嫁「ホントのホント」
じっと嫁を見つめる。
見つめあってるのか、睨み合ってるのか?
心のさぐり合い。
僕「わかった。信じるから鍵早く返してくれない?」
嫁「う、うんわかった」
若干歯切れ悪く聞こえた。
はい、めちゃくちゃどよ〜ンとした空気。
その後、子供が学校から帰宅し、
どよ〜んな空気を感じて、
子「なんかあったの?」
僕「ん?別に何もないよ〜」
どよ〜んで3人でご飯食べて、
嫁は仕事へ。
いつも通りバス停まで送って行ったけど、
いつものように、
こっちに振り返って手は振ってくれなかった。。。
この時は僕の中で追求するよりも、
信じたい気持ちが勝った。
だからまずは信じる事にした。
次の日、僕が仕事から帰って、
いつもより明るく振舞った。
リビングに入るなり嫁に、走って抱きついてこい(ラブラブの時はいつも帰ると走ってジャンプして抱きついてきてた)と合図した。
嫁「え、本気で言ってるの?」
困惑気味。明らかにどよーんを引きずっている。
僕「うん超本気!!」
嫁がゆっくりソファから立ち上がり、
助走をつけてジャンプして抱きついてきた。
すぽっと僕の胸に収まり、
ダッコちゃん状態でぎゅ〜っとして、
僕「最近しなくなったけどこれ凄く好きなんだよね。あのさ、他の男の家の鍵なんか持ってたら本当に気持ち悪いから、早くさっさと返してきなさい。わかった?」って再度明るく言った。
嫁「うんわかった」
ってちょっと笑って、
抱きつきながら照れたように言ったから、
ホッと安心した。
嫁とまだ付き合ってた時代。
僕ら遠距離恋愛だったんです。
僕が嫁に会いにせっせと高速バスに乗って
毎週通ってたから、
嫁が当時の僕の家に来る事なんてなかったんです。
あ、1回だけ来たけど。
でも、お守り代わりにこれ持っててって
僕の家の鍵渡してたんです。
僕「全く俺みたいな事しやがって、気持ち悪いなぁ。そいつは変態か?」
嫁「ふふふ。ほんとだね」
なんて言って、
嫁をグルグル回して、
2人ともまた笑顔になって、
和やかな空気に戻ったんです。
そう。あの日が来るまでは。。。
つづく