フワフワの綿を詰められた
白い箱に寝かされたぜろちゃん
夫と一緒に病室で対面しました。
本当に小さくて、触れると壊れてしまいそう。
ちゃんと大きな黒い目と鼻、あばら骨の奥に心臓が透けて見える。
手足の指も数えられました。
不妊治療で排卵誘発を行った場合の子宮内外同時妊娠の頻度は約1000分の1
卵巣妊娠は子宮外妊娠の約1%
確率で言うと1億分の1くらい
こんな天文学的な数字、なんで私と私の赤ちゃんだったんだろう。
なんで卵管から落ちちゃって子宮まで来られなかったのかな。
必死に心臓を動かして、ちゃんと人間の形をしていて、この週数まで生きていた。
生んであげたかった。
子宮はどこよりも真っ暗で狭いから。
手術室のライトは大人でも眩しい。
初めて見た光で目がくらくらしなかったかな。
それより前にお空に行っていたのかな。
空の青さを見せてあげたかった。
陽だまりの暖かさを感じてもらいたかった。
木々や花、世界にはこんなにも色に溢れていることを教えてあげたかった。
手術中に夫がぜろちゃんの名前を考えてくれていました。
まだ男の子か女の子かわからないから、どっちでも大丈夫な名前。
今度は迷子にならず、真っ直ぐ戻ってきてまた会えることを願ってつけた名前。
ぜろちゃんにぴったりの良い名前でした。
ぜろちゃんの存在がわかってから
今日まで目まぐるしすぎて
私は名前をつけてあげることを全然思いつきもしていなかった。
こんなママでごめんね。
でもパパがちゃんと寄り添っていてくれていたよ。
生きて会いたかったよ。

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