前回の診療報酬改正で「かかりつけ薬剤師」と言う制度が新設されました。

「かかりつけ医」の薬剤師版です。

一人の患者さんの対応を複数の薬剤師が行うのではなく、一人の薬剤師が責任を持って行う制度です。

現在、自分は30名の患者さんの「かかりつけ薬剤師」をしています。

対象患者さんは内科・外科・内分泌内科から心療内科迄、幅広く対応しています。

患者さんの背景は十人十色。

患者さんの背景を把握しつつ、患者さんが求める対応を見極めていきます。

「共感」・「復唱」が患者さんの心を開かせる有効な手段と言われていますが、それがあてはまらない患者さんもいます。

心療内科に受診中の患者さんの対応を重ねるうちに、「この患者さんは自分(薬剤師)の意見を求めているのかな?」と思いました。

心療内科は心の病であり、臨床心理士の資格も知識もない自分が意見を言うのは控えていました。

次に対応した時、思い切って自分(薬剤師)としての意見を言ってみました。

帰り際、その患者さんから「今までの薬剤師さんは共感止まりで、薬剤師さんとしての意見を言ってくれませんでした。今日、薬剤師さんとしての意見をはじめて聞けて、嬉しかったです。有り難うございます。」と言われました。

今年で調剤薬局勤務歴21年。

薬局長・管理薬剤師としての勤務歴は19年になりますが、人間として・薬剤師として未だ未だ未熟者だな、あらためて実感しました。