• 国内じゃ、全然「落ちない」モノだから。墜落事故は、健全機でも起きる。-【沖縄タイムス社説】豪でオスプレイ墜落 欠陥機は撤退しかない &【琉球新報社説】オスプレイ墜落 国は即時飛行停止求めよ


 端的に言おうか。有り体に言って、「落ちない飛行機」は、「飛ばない飛行機」だけだ。「飛ばない飛行機」だけが「落ちない」/「落ちようが無い」。「飛ぶ飛行機」/「飛んでいる飛行機」には、如何に万全な設計・整備・運用の下にあろうとも、「落ちる」=「墜落事故を惹起する」可能性がある。コレは、その飛行機が軍用機だろうが民間機だろうが戦闘機だろうが旅客機だろうが、変わりは無い。
 
 故に、「墜落事故が後を絶たないオスプレイ」等という、沖縄二紙に散見される表記・表現は、「嘘ではない」かも知れないが、、「正当なモノとは言い難い」。何故ならば、墜落事故が後を絶たない」のはオスプレイに限ったことでは無く、現役で飛行している全航空機に、民間機軍用機を問わず、ほぼ間違いなく「当てはまる」から、である。

 即ち、現役の航空機、今も尚「飛んでいる飛行機」は、「墜落事故が後を絶たない」のは当たり前で平凡で常識的なこと、である。
 現役にして尚「墜落事故が後を絶った」機種と言うのは、「奇蹟」とまでは言わずとも、「稀有な例」ではある。
 
 であるならば、バリバリ現役の航空機であるオスプレイに「墜落事故が発生した」とて、それが直接「オスプレイは欠陥機である」事には結びつかない。前述もし、タイトルにもした通り、万全で健全な航空機でも、墜落事故は「起こりうること」だ。

 であると言うのに、沖縄二紙と来たら・・・

☆【沖縄タイムス社説】豪でオスプレイ墜落 欠陥機は撤退しかない

☆【琉球新報社説】オスプレイ墜落 国は即時飛行停止求めよ

  • (1)【沖縄タイムス社説】豪でオスプレイ墜落 欠陥機は撤退しかない

豪でオスプレイ墜落 欠陥機は撤退しかない

2023/08/30 05:00沖縄タイムス

 

 米海兵隊の輸送機MV22オスプレイがまた墜落した。

 

 オーストラリア北部ダーウィン沖にあるメルビル島で訓練中だった。搭乗していた23人のうち3人が死亡した。5人が重傷で、うち1人が重体という。

 

 死亡者が出たことは残念でならない。なぜ事故は繰り返されるのか。

 

 米軍オスプレイの墜落事故では昨年3月にノルウェーで4人、同6月に米カリフォルニア州で5人が死亡した。

 

 米軍はノルウェーの事故を人為的なミスと結論付けた。

 

 2016年の名護市安部沿岸での墜落事故など「人為的なミス」と発表することが多い。機体が重くプロペラが短いオスプレイは十分な揚力を得にくく、操縦が難しい。背景にある根本的な問題を隠しているといった指摘がある。

 

 カリフォルニアの事故では「ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)」と呼ばれるオスプレイ特有の現象、つまり機体の構造が墜落の要因と公表した。

 

 海兵隊はHCEの発生率を99%以上低減したというが、今回はどうだったか。HCEであっても、そうではない別の要因であっても事態が深刻であることは変わりない。

 

 普天間飛行場には同型の24機が配備され、事故の翌日も沖縄の空を飛んでいる。

 

 人為的にせよ、構造的にせよ、原因と再発防止策が明らかになるまで、県が飛行停止を求めるのは当然である。

 

 同時に、これだけ事故が多いと、もっと強い姿勢が必要と感じる。県民の命や暮らしに関わる問題だからである。

 

■    ■

 

 日本政府は沖縄の反発を押し切るように12年10月、普天間にオスプレイを強行配備した。その際、10万飛行時間当たりの「死亡事故」や「被害総額200万ドル以上の事故」が1・65件と、海兵隊の全航空機の平均を下回ると安全性を強調していた。

 

 一方で、オスプレイの事故率は上昇し、21年10月?22年9月の1年間では、6・30件と、配備開始前と比べ3・8倍に膨らんでいる。

 

 アフガニスタンの戦争では実戦に不向きなことも明らかになっている。

 

 飛行時間が海兵隊のヘリ機能を持つ6機種全体の1%程度と、運用率が極端に低かった。逆に事故率は全機種平均の41倍と突出していた。

 

 専門家は「事故発生の懸念のほか、不具合で整備や点検に時間がかかり、実戦では使えない」と分析していた。

 

 欠陥機は、もはや普天間から撤退してもらうしかない。

 

■    ■

 

 メルビル島、ノルウェー、カリフォルニアの事故で共通するのは陸地に墜落したことだ。強襲揚陸、離島奪還などを任務とする海兵隊は、陸地での訓練が欠かせない。

 

 沖縄には沖縄本島や伊江島にオスプレイの使用するヘリパッドが計72カ所ある。

 

 事故の危険性は普天間周辺にとどまらない。日本政府は普天間を名護市辺野古へ移設することで危険性を除去するというが、ヘリパッド周辺の危険性は残ったままだ。

 

 辺野古移設では解決しない。普天間の即時運用停止を粘り強く求めたい。

  • (2)【琉球新報社説】オスプレイ墜落 国は即時飛行停止求めよ

オスプレイ墜落 国は即時飛行停止求めよ

 

 

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1775243.html

 

2023年8月30日 05:00

社説

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 オーストラリアで米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落し、3人が死亡した。海兵隊仕様のオスプレイはクラッチに故障が起こる可能性が判明しており、米軍は対策を施したとしていた。今回の墜落原因は判明していないが、事故の頻度があまりにも高すぎる。MV22は普天間飛行場にも配備されており、直ちに飛行を停止するべきだ。日本政府は強く飛行停止を要求する必要がある。

 

 今回の事故はオーストラリア北部ダーウィン沖にあるメルビル島で起きた。合同訓練に参加中の機体には23人が搭乗し、3人が死亡。5人が重傷、うち1人は重体と報じられた。

 MV22は昨年6月、米カリフォルニア州で墜落し、兵士ら5人が死亡。この事故について米海兵隊はエンジンと回転翼をつなぐクラッチに作動不良が起こったとする調査結果を7月にまとめている。

 作動不良は「ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)」と呼ばれる現象で、クラッチが滑り、その後に再結合した際に発生した。片方のエンジンが故障し、もう一方のエンジンから電気を供給するシステムも壊れ、回転翼の推力が失われるという。根本的な原因は不明のままだ。

 HCEについて米海兵隊は部品の交換などで発生する可能性を「99%減らした」と説明している。普天間所属機は飛行を続行した。

 オーストラリアでの事故機は在日米軍の機体ではないというが、所属や県内への飛行履歴は不明のままである。いずれにせよ、クラッチのトラブル発生の可能性が判明している海兵隊仕様のMV22であり、調査結果を受け、海兵隊は対策を施していたはずだ。それなのに墜落した。開発段階から指摘されている構造上の問題が強く疑われる。

 沖縄ではそのMV22が運用を続けている。玉城デニー知事は海兵隊がHCEの根本原因は不明としていることを念頭に「欠陥の存在そのものについての疑念は払拭されない」と警戒感を示した。県は今回の事故を受け、原因を見極めた上で飛行停止を求めることも検討するという。直ちに求めてもらいたい。

 日本政府は7月の調査報告を受けて海兵隊のMV22について「安全対策がとられた」と米軍の説明を評価し、飛行停止を求めることはなかった。今回のオーストラリアでの事故を受けても同様の理由を挙げ、飛行の停止を求める考えはないという。

 普天間所属機は2016年に名護市安部、17年にはオーストラリアで墜落している。

 重大事故が発生してからでは遅い。これだけ事故を繰り返す機体が普天間飛行場に配備され、住宅地上空を飛行する運用を続けているのだ。

 県民の懸念は強まっている。県は直ちに飛行停止を求めるべきだ。日本政府も対応を改め、沖縄の不安に向き合ってもらいたい。

 

  • 「墜落事故を起こせば欠陥機で、飛行停止」ならば、沖縄は「空の孤島」と化すしか無いぞ。

 前述した通り、「現役の航空機で”墜落事故が後を絶った”例なぞ、殆ど無い。」のだから、墜落事故を起こせば欠陥機」理論に従えば、ほぼ全ての軍民問わぬ航空機が「欠陥機」と判定される。更に欠陥機は沖縄飛行禁止」理論に従えば、これまた軍民問わぬ航空機が沖縄には飛来できない(し、沖縄に着陸してしまうと空路帰途にもつけない。)


 これはある種の「沖縄封鎖」と言う事態である。ソ連軍(とワルシャワ条約機構軍)で陸路を封鎖された「ベルリン封鎖」の逆だね。海路は今でも空路陸路より輸送量が多いから、空路封鎖たる「沖縄封鎖」は、陸路封鎖だった「ベルリン封鎖」ほど酷いことにはなるまいが、観光客は激減するだろうな。

 即ち、沖縄二紙が主張する「墜落事故を起こせば欠陥機。欠陥機は(沖縄上空)飛行禁止」理論に基づく「沖縄封鎖」は、史実・事実の「ベルリン封鎖」ほどの威力・破壊力は無い、と言うことだ。
 
 だが、軍事的緊張を高めると言う点では、良い勝負かも知れないぞ。