• 戦後平和教育の成果(多分)-【週刊朝日】日米同盟に殺される日本人 古賀茂明 プラス1

 古賀茂明って人は、元高級官僚だが、私(ZERO)は侮蔑を込めて「反アベ芸人」と呼んでいる。一発芸は、「I am not Abe.」ってヤツで、意味はアベ政治を許さないってこと、らしい。

 安倍晋三首相(当時)ってのはこの世にタダ一人しか居ないし、世間一般の安倍/安部/阿邊/安陪・・・等「アベ姓の人達(結構な人数、居るよね。阿部寛とか。)」以外は誰でも(無論、古賀茂明氏自身も含めて「I am not Abe.」なのは、欠伸も出ないくらいに当たり前なんだが、このキャッチコピーで「反アベアピール」していた人。そのお陰か、「朝日のお気に入り」であり(*1)、つまりは、私(ZERO)とは「人種も宗教も違う」って所だろう。

 そんな古賀茂明氏が、米中対立を絡めて「日米安保を非難」する記事と、「韓国を絶賛する」記事を見つけたので、後掲しよう。

 「韓国を絶賛」って所も、如何にも「朝日のお気に入り」らしいが、ね。

  • <注記>
  • (*1) この人と言い、前川喜平と言い、「朝日のお気に入りで元高級官僚」ってのは、ロクなのが居ないな。 

 

  • (1)【週刊朝日】日米同盟に殺される日本人 古賀茂明

 

 

 

https://dot.asahi.com/wa/2023011800102.html?page=1

https://dot.asahi.com/wa/2023011800102.html?page=2

 

 

政官財の罪と罰

古賀茂明

2023/01/24 06:00

 

古賀茂明

筆者:古賀茂明

 

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古賀茂明氏

古賀茂明氏

「2010年ごろは台湾有事のシナリオを話すのは不可能だった」

 

 今話題になっている台湾有事の報告書「次の大戦の最初の戦い」を作成したアメリカの戦略国際問題研究所の日本部長クリストファー・ジョンストン氏が日本経済新聞のインタビューで述べた言葉だ。確かに、この10年ほどで日本の世論は驚くほど変化した。口にすることさえ憚られた「台湾有事」という言葉どころか、台湾有事=日本有事という命題にさえ異を唱える声は激減し、直近では、日本の参戦が当たり前のように語られる。

 

 

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 冷静に振り返ってみよう。日本は、1972年の日中共同声明までは、中華民国(台湾)と国交を結び中華人民共和国(中国)は国家として承認すらしていなかった。しかし、この共同声明で、中華人民共和国を中国唯一の合法政府と認め、台湾が中国の不可分の領土であることを理解し尊重すると約束した。そして、台湾を見捨ててこれと断交したのだ。この時から、日本にとって、台湾の中国本土への統合は中国の国内問題となった。現在は、米国はじめ世界のほとんどの国も同様の立場をとる。だから、台湾は国連にも加盟できない。

 

 そうした事実を前提にすれば、世界中でアメリカ以外に、台湾統合をめぐる紛争に参戦しようという国がないのはある意味当然だ。冒頭の報告書も、「アジアの学者たちは、ほとんどの国が中立を保つだろうという評価で比較的一致している」とし、韓国でさえこの戦争には参戦しないことになっている。

 

 それにもかかわらず、このレポートの「基本シナリオ」は、日本だけは参戦することを想定している。何故そうなるのか。

 

 この戦争では台湾、米国と並び「日本が要」であると書かれている。日本は、(拒絶する権利はあるが)米軍による基地の使用を認める必要がある。それがなければ、米国は多数の戦闘機・攻撃機を使うことができないからだ。日本がこれを拒否することは、70年にわたる日本の安全保障政策を支えてきた長年の日米同盟を崩壊させる危険性があるとの記述もある。これが最も重要な点だ。

 

 この戦争は、中国のミサイル攻撃で始まる。米国は直ちに参戦するが、その対応の大部分は日本の基地から行われる。日本は当初は中立の姿勢をとるが、在日米軍基地が攻撃されるので、その時点で参戦する。日本は強大な軍備を有する。参戦後の自衛隊は国外における攻撃作戦まで行うという想定になっている。

 

 もう一つ重要なのは、この戦争で、米軍は270機、日本は112機の戦闘機を失うが、そのほとんどは「地上戦」による。空中戦ではなく、基地に駐機中にミサイルで爆破されるのだ。ミサイルが雨あられと日本の領土に飛んでくることが想像できる。民間の被害に言及はないが、誤爆や迎撃して落としたミサイルで基地周辺に大きな人的・物的被害が出るのは誰にもわかる。日本が本格的な戦場になるのだ。

 

 

 中国の国内問題に介入し、日本が戦場になるという理不尽なことが起きる原因は、日米同盟だ。これを守るために基地使用を断れないと言う。

 

 日本の国民を守るための日米同盟だったはずが、日米同盟を守るために日本国民が殺される事態に陥った。今こそ、その矛盾に気付くべきだ。

 

 

 

※週刊朝日  2023年2月3日号

 

古賀茂明

古賀茂明

古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。近著は『官邸の暴走』(角川新書)など

  • (2)【週刊朝日】台湾有事に嵌まる日本、逃げる韓国 古賀茂明

 

 

 

https://dot.asahi.com/wa/2022121600052.html?page=1

https://dot.asahi.com/wa/2022121600052.html?page=2

 

台湾有事に嵌る日本、逃げる韓国 古賀茂明

政官財の罪と罰

古賀茂明

2022/12/20 07:00

 

古賀茂明

筆者:古賀茂明

 

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古賀茂明氏

古賀茂明氏

 自民党の萩生田光一政調会長が与党の党三役として19年ぶりに台湾を訪問したことが話題になった。同氏は、「台湾有事は、日本有事であり、日米同盟の有事であるという安倍晋三元首相の言葉の正しさを、中国自身が行動によって証明した」と発言した。今年8月にペロシ米下院議長が台湾を訪問した時に、中国が台湾周辺で大規模な軍事演習を行い、日本のEEZ(排他的経済水域)内にミサイルを着弾させるという強硬措置に出たことを指したものだ。

 

 

 あの時の中国は日本の国民に言い知れぬ恐怖感を与えた。自公政権は、こうした国民の不安感に乗じて、反撃能力とか継戦能力と称して様々な戦争準備を進めている。

 

 

 だが、この議論には危険な飛躍がある。本来は、台湾有事は本当に起きるのかという議論が先にあり、それが起きそうだという場合でも、次に考えるべきは、どうやって日本が台湾有事に巻き込まれるのを避けるかということだ。「台湾有事=日本有事」と断定し、戦争ありきで議論が進む現状は常軌を逸している。

 

 その異常さを再認識させられる出来事があった。韓国政府の高官X氏に「日本には米中の間でバランスをとりながら戦争を回避する外交などは出来ない」と断言された時のことだ。

 

 X氏の論旨はこうだ。

 

「韓国と北朝鮮は一体で、中国と長い国境線を有する。古来中国との間で戦いが繰り返され、属国になった時代もある。対中関係の安定こそが、我々の外交の最優先課題だ。一方、日本は元寇の時以外中国に攻撃されたことはないし、占領されたこともない。太平洋戦争に負けたが、占領したのは米国だった。その後、日本は米国に頼るしかなく、今日に至った。米国は日本を信頼しているが、韓国のことは本当には信頼していない。逆に、だからこそ、韓国は米国に対して時に厳しい対応ができる。米国は、韓国はそういう国だと理解しているから裏切られたとは感じない。韓国は米韓関係はそういうものだと割り切って外交を組み立てる。一方、日本は米国に無条件で忠誠を誓って来た。今さらその信頼を裏切ることは出来ず、米国が戦う時は日本は逃げられない。戦争回避の外交が不可能というのはそういう意味だ」

 

 確かに、尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領は保守派だが、中国への配慮が目立つ。ペロシ議長訪台の後に、岸田首相が訪日したペロシ議長と朝食会でもてなしたのに、尹大統領は面会もせず電話会談のみだった。しかも、朴振(パク・チン)外相がその直後に訪中して王毅外相と会談までした。一方、王毅氏は、ペロシ議長訪台直後に日中外相会談をドタキャンしている。まるで中韓が共同で日米に対抗しているかのようだ。

 

 X氏によれば、韓国は、今、台湾有事に巻き込まれるのを回避するのに必死だという。彼の言葉には、台湾有事の際に日本が巻き込まれるのは不可避で、それは自業自得だという警告が込められている。彼の言葉に、小国の意地と外交の知恵を見た気がした。

 

 

 一貫して米国との一体化を推し進め、台湾有事にも自ら喜んで飛び込んで行こうとする日本は、小国でも独立の気概を持ち知恵を絞る韓国の生き方を「対中弱腰外交」と馬鹿にするのではなく、日本にとって学ぶべき点はないか、より深く考察すべきだと思う。

 

 

 

※週刊朝日  2022年12月30日号


 

  • (3)「台湾有事から逃げる韓国は、偉い。賢い。」と断定断言して憚らないんだから、スゴいよな。


 敵前逃亡は、銃殺が、軍法の通り相場。軍法で銃殺とならずとも、敵前逃亡ってのは相当な不名誉で不面目と考えるのが、普通だと思うのだが、韓国は兎も角(あそこは、敵前逃亡の常習犯だ。)元高級官僚様が「敵前逃亡を賞賛」してしまうんだから、「高級官僚ではなくなって、良かったね。」と言うべきか。
 
 普通、こう言う敵前逃亡賞賛は、「敗北主義」という。それを平気で素面でやれてしまえるのは、「戦後平和教育の成果」とも言い得よう。当人はどうせ、「平和主義」のつもり、なのだろうが。

 「戦後平和教育」最大の欠点は、「軍事忌避軍人差別平和ボケ安保白痴」で在り、左様な状態を「平和主義」。左様な状態に陥れることを「平和教育」などと、ぬかしていることである。

 弊ブログ極初期の頃の記事「民主主義国家の国民には、軍事的知識が不可欠である。」でも主張したとおり、民主主義体制下の国民は、その国の政治に一定の責任を負うのだから、一時的にせよ、(投票の前とかには、)「政治家としての判断」も「軍人としての判断」も、求められる。何故ならば、国家にとって安全保障は不可避の課題で在り、国家安全保障には軍事力も「軍人としての判断」も必要不可欠だから、だ。

 軍事的知識が無ければ、「軍人としての判断」は下せない。従って、独裁体制国家ならばいざ知らず、曲がりなりにも民主主義体制をとる民主主義国家の国民には、「軍人としての判断」を下せるだけの軍事的知識・常識が、不可欠である。

 であると言うのに、戦後平和教育と来たら、「軍事忌避軍人差別平和ボケ安保白痴」なモノだから、軍事知識を忌避し嫌悪し蔑視して、「教育現場から排除」し続けている。その成果の一つが、結構な学歴(*1)をお持ちな元高級官僚である古賀茂明氏の、上掲の通りの「敵前逃亡絶賛の敗北主義」である、らしい。

 ああ、元高級官僚・古賀茂明氏の「敗北主義」を、戦後平和教育のせい、ばかりには出来ないだろう。如何に戦後平和教育が「軍事忌避軍人差別平和ボケ安保白痴」で在ろうとも、教育の影響は絶対的なモノでは無い。「戦後平和教育の悪影響からの脱却」は、相当程度「当人次第」だろう。
 

 かく言う私(ZERO)が受けたのもまた「戦後平和教育」ではあるが、その悪影響、特に「軍事忌避軍人差別平和ボケ安保白痴」からは、「相当程度脱却できている」モノと、自負している。まあ、私(ZERO)のような事例が「多い」とは言わないが、「それが可能である証左」としては、私(ZERO)と言う一事例で、十分であろう。
 
 閑話休題(それはさておき)
 
 古賀茂明は新しい方の上掲①の記事では日米同盟の為に、台湾有事で日本人に死者が出る=殺される。」と非難し、上掲②の記事では「台湾有事に巻き込まれない様にしている韓国は偉い。賢い。」と賞賛している。根底にあるのは、台湾有事は、日本とは無関係な他人事。って考えである。「台湾有事は日本有事。」と断定断言した故・安倍晋三元首相とは正に正反対・対称的。なるほど、「I am not Abe.」だな。

 だが、中国共産党一党独裁専制国家(中華人民共和国)が、中華民国を軍事力を以て併呑しようという「台湾有事」を、古賀茂明氏の様に「他人事、他国のこと」と割り切り、韓国の様に「巻き込まれない様に知恵を絞る」と言うのは、(「弱小国の生き残り策」と言えなくもなかろうが、)端的に言って姑息で在り、実に情けないばかりの策である。

 その策(古賀茂明流「不関与」策、ないし韓流「回避」策)は、如何にもチョウセンジン的であり、朝鮮半島「ウリナラ半万年」の大半が「大陸=支邦の尻尾」だった史実事実には「誠に相応しい」と言えようが、我が国にはそぐわない、と、私(ZERO)は主張するぞ。

 言い替えようか。故・安倍晋三元首相が「台湾有事は日本有事。」と断定断言したその言葉には、「台湾有事に際し、日本は日米安保条約に基づいて関与し、我が国に人的物的被害が及ぶことを想定内とする、覚悟」が含まれている。左様な人的物的被害を、「日米同盟に殺される日本人」と評してしまえる古賀茂明氏なればこそ、「台湾は他国で、台湾有事は他人事」と澄ましていられるのだろうが、台湾有事を惹起する中共(中華人民共和国)は、我が国に対して「核心的利益」なる侵略宣言を既に出している上、侵略と併呑の実績豊かな国だぞ。

 「暴支膺懲」とは、戦前のキャッチ夫エーズだが、「支邦の横暴ぶり=暴支」は、国家レベル・軍隊レベルとなった分、戦後の方がヒドいぞ。


 であるならば、台湾有事を古賀茂明氏の様に「他人事して関わらない」態度&実績は、「台湾有事に続く、或いは同時の、中共による日本侵略」の可能性・公算を、大に高めるものだろう。

 そんなことに、気づきもしない、ないし言及しないで、日米同盟に基づいて台湾有事に関与すると、日本人が死ぬぞぁ!と主張する古賀茂明氏の言動は、「中共(中華人民共和国)に対する追従従属媚びへつらい」と変わらないのみならず、「台湾有事の可能性・公算を高める」モノでも在る。
 
 更に言えば、コイツは話が逆なのだ。「日米同盟のために、日本が台湾有事に巻き込まれる。」ってのはある一面の見え方では在ろうが、話は逆であり、日本は、台湾有事という事態に対し、日米同盟を以て、米国を巻き込むべき。なのである。言い替えれば。正に故・安倍元首相が断言断定した通り、「台湾有事は日本有事。」であり、それ故に、「日本有事でもある台湾有事に、米国を巻き込む。その為の日米同盟。」なのである。日米同盟は、日本としては、日本という国家の安全保障のためのツールで在り、目的は我が国の安泰であって、「日本人が殺され」様が、我が国が安泰であれば、目的は達するのである。
 
 左様な「国家の安全保障のために国民を殺す、ないし、見殺しにする」事を「非情」と言うならば、「国家というモノは、時に非情な判断を余儀なくされるモノであるし、非情な判断をすべきモノでも在る。」と言うし、「我が国の安泰とは、国民全員の生命保障できるほど甘くはない。」。従って、「国民の生命を犠牲にして、我が国の安泰を図ること」は、あり得ることであり、正に国家として判断し、為さねばならない事、だ。
 よし、その「国が判断して犠牲にされる国民の生命」が、私(ZERO)自身のモノであっても、だ。「国の安泰」とは、それだけ重く、尊いモノである・・・コレもまた、戦後平和教育が否定し蔑視し続けてきたモノ、であるがな。
 

  • <注記>
  • (*1) ウイキペディアによると、「矢っ張り」東大法学部卒、だそうな。