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「国賊」に、公認受けて、当選し。今更言うのか、「言ってない。とは。-【FNN】【独自】村上議員 「国賊なんて言ってない」 安倍元首相めぐる発言 あす党紀委員会
正直、「村上議員と言う自民党議員が安倍元首相国葬に欠席を表明した。」ってだけならまだしも、「その村上議員が安倍元首相を国賊呼ばわりした。」と言うニュースに接した時には、腹が立つと同時に大いに疑義を抱いたモノだ。
「腹が立つ」のには、無論「私(ZERO)が多くの点で支持し、買っても居る安倍元首相に対し、”国賊”なる最大級の悪罵を浴びせられたから。」と言うのもある。「テロリストの凶弾に倒れるという非業の死を遂げた故人に対し、一周忌にもならぬ内に"国賊"かよ。」ってのも、ある。
だが、まあ、「腹が立つ」ってのは個人的感情であり、恣意的基準だ。「人として、如何なんだよ。」ってのも、「良識も常識もあったモンじゃ無いな。」ってのも、同様だ。
「大いなる疑義」の方は、それらよりはロジカルであり、客観的だ(と思う)。何しろ村上議員は、当選12回を数える大ベテランの自民党議員であり、一方で安倍元首相は戦後最長の就任期間を誇る首相にして自民党党首(総裁)だ(*1)。村上議員は12回の当選の内相当回数を、「安倍晋三自民党総裁の下で、自民党公認候補として選挙に勝った」筈である。
それ即ち(タイトル冒頭にしたように)「"国賊"から、自民党公認を受けていた(*2)」と言うことに他ならない。他に解釈のしようがあろうか?
私の抱いた「大いなる疑義」は、「村上議員は、自民党公認候補として選挙を戦う際に、”安倍晋三自民党総裁にして首相は、国賊だ。”と明言公言し、選挙民に伝えていたか?」だ。言い替えるならば、「選挙民は、村上自民党公認候補を、”安倍晋三首相(当時)を国賊呼ばわりしている”と承知の上で投票し、当選させたのか?」だ。左様な(かなり奇怪な)「自民党公認候補」も、そんな「自民党公認候補」を「支持し当選させる(もっと奇怪な)選挙民/有権者」も、私(ZERO)の想像を絶するモノがあるが、何しろ世の中には、あ・の・鳩山由紀夫を支持して国政選挙に当選させ続けた選挙民だって厳然としてある/居るのだから、「それもまた、あり得ること」と、言えそうだ・・・辛うじて。
ま、そんな可能性は低そうだから、「どうせ村上議員は、”安倍首相(当時)は国賊”なんて明言断言公言はせずに、自民党公認だけちゃっかり受けて、謂わば"選挙民を騙して"当選を重ねていたのだろう。」と、相応に確信を持って推定したのだが、どうも「その通り」であるようだ。
- <注記>
- (*1) ああ、僅かではあるが、野党時代の自民党党首でもあったから、自民党党首としての就任期間は、首相としてのそれよりも、長い。
- (*2) 「自民党公認」を「直接自民党党首たる安倍晋三総裁から受けた」とは限らないだろう。だが、自民党の最高責任者が総裁であり、当時は安倍晋三氏にある以上、「自民党公認の最終責任は、党首(にして、村上議員の言う”国賊”)たる安倍晋三氏にある/あった。」事に、疑義の余地は無い。
(1)【FNN】【独自】村上議員 「国賊なんて言ってない」 安倍元首相めぐる発言 あす党紀委員会
【独自】村上議員「国賊なんて言ってない」 安倍元首相めぐる発言 あす党紀委員会
FNNプライムオンライン 2022/10/11 11:50
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/e3-80-90-e7-8b-ac-e8-87-aa-e3-80-91-e6-9d-91-e4-b8-8a-e8-ad-b0-e5-93-a1-e3-80-8c-e5-9b-bd-e8-b3-8a-e3-81-aa-e3-82-93-e3-81-a6-e8-a8-80-e3-81-a3-e3-81-a6-e3-81-aa-e3-81-84-e3-80-8d-e5-ae-89-e5-80-8d-e5-85-83-e9-a6-96-e7-9b-b8-e3-82-81-e3-81-90-e3-82-8b-e7-99/ar-AA12OLsW
c FNNプライムオンライン
安倍元首相を「国賊」と呼んだとして、自民党が処分を含め対応を検討している村上誠一郎衆議院議員が、党幹部に対し、「国賊なんて言っていない」と伝えたことがわかった。
自民・村上誠一郎衆院議員「あんな記事になるなんて、全然予想して...」
国葬を欠席した村上氏は、安倍元首相を「国賊だ」と発言したと一部で報道され、安倍派が厳しい処分を求めたため、自民党は12日、村上氏の処分を検討する党紀委員会を開く。
関係者によると、村上氏は、党幹部に対し、「言っていない」と否定したという。
ただ、党紀委員会に提出した文書では、発言を明確に否定していないということで、党の判断が注目される。
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1.即ち、村上議員自身による「安倍元首相は国賊」発言の否定、である。こうなると、「村上議員の”安倍元首相は、国賊”発言」の原典を当たるべきだろう。
ネット時代の有り難さ(且つ(未だ)時事通信が当該記事を削除していないお陰)で、原典らしい「国賊発言」報道記事は、苦も無くヒットした。
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(a)【記事】【時事】安倍氏国葬を欠席へ 自民・村上氏
【時事】安倍氏国葬を欠席へ 自民・村上氏
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022092000842&g=pol
2022年09月20日17時56分
自民党の村上誠一郎元行政改革担当相
自民党の村上誠一郎元行政改革担当相は20日、安倍晋三元首相の国葬について「最初から反対だし、出るつもりもない」と述べ、欠席する考えを明らかにした。安倍氏の政権運営が「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と批判した。党本部で記者団の質問に答えた。
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(b)> 党本部で記者団の質問に答えた。 って事は、時事通信以外の記者もこの発言を聞いている、筈だな。
これも検索をかけて、どうも、朝日記者はこの発言を聞いていた、らしいことが判った。有料記事なので全文が読めず、「見出しからの推定」ではあるが・・・
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(①)【朝日】村上元行革相、国葬欠席の意向 安倍氏を「国賊」、党内で批判続く
【朝日】村上元行革相、国葬欠席の意向 安倍氏を「国賊」、党内で批判続く
村上元行革相、国葬欠席の意向 安倍氏を「国賊」、党内で批判続く
https://www.asahi.com/articles/DA3S15423720.html
2022年9月22日 5時00分
[PR]
安倍晋三元首相の国葬について、自民党の村上誠一郎元行革相は21日、「そもそも反対だ。出席したら(国葬実施の)問題点を容認することになるため、辞退する」と取材に述べ、欠席する意向を示した。国論を二分するなか、実施を決めた岸田文雄首相が総裁の自民内から欠席者が出る事態となる。
村上氏は、不参加の理…
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1.即ち、「村上議員の"安倍元首相は国賊"発言」に対しては、「時事通信記者と朝日記者の証言」がある、訳だ。
また、斯様な「国賊発言報道」の直後には、かかる発言を村上議員自身が否定すること無く、下掲するように複数のインタビューに答えている、様である。
これは通常、「”安倍元首相は国賊”発言を、村上議員は追認した。」と、解釈すべきでは無かろうか。
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1.【ダイヤモンドオンライン】国葬「欠席」自民・村上元行革相の直言「やるべきは国葬よりも安倍政治の見直し」
村上誠一郎・元行政改革担当相・自民党衆議院議員インタビュー
西井泰之
https://diamond.jp/articles/-/310328
国葬「欠席」自民・村上元行革相の直言「やるべきは国葬よりも安倍政治の見直し」
Photo by Masato Kato
岸田文雄首相の支持率が急降下し、参院選勝利で「安定政権」を目指した思惑は就任1年を前に大きく崩れようとしている。円安・物価上昇が止まらず実質賃金が下がり続ける一方で、自民党と旧統一教会との不透明な関係が浮き彫りになり政治不信が広がるなか、岸田首相は世論が二分する安倍晋三元首相の国葬にこだわり、経済政策でも岸田色を出せないでいることに批判が強まる。旧統一教会と自民党政治はなぜ結び付いたのか、政治の信頼の回復に何が必要なのか。経済政策はどう変えていくべきなのか。国葬の「欠席」表明し、“自民党ひとり良識派”を掲げて「安倍一強」時代から縁故人事や忖度がはびこる「安倍・菅政治」やアベノミクスに物申してきた村上誠一郎元行革担当相に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部特任編集委員 西井泰之)
期待外れだった岸田政権の1年
「安倍・菅政治」と大同小異
――自民党総裁選では岸田首相を支持しましたが、岸田政権の1年をどう評価していますか。
岸田首相には自由闊達な議論のある自民党に戻してほしいということで期待して応援したが、今までのところは、残念ながら安倍・菅政権の政治とあまり変化が見られていない。人事や政策も新味がなく、「聞く力」を強調してきたが、結局、周囲の人の意見に従っている。
総裁選の時に支援を頼みに来られたので、「独自の政策や人事をやってほしい」と言うと、「やります」ということだったので応援した。首相自身、何がしたいのか見えてこない。一国の総理には信念や哲学を熱意を持って示すことが必要だ。
ここにきて、急激な円安や物価上昇、旧統一教会問題や五輪汚職などが重なってきたが、問題をきちんと解明し、事態を良くしようという姿勢が十分に伝わらないことが、支持率の急低下につながっている。
――旧統一教会問題では、党の点検で179人、自民党議員の約4割が教団となんらかの接点があることが明らかになりました。ここまで多くの自民党議員が関係を持っていたのは衝撃でした。
(以下有料記事)
2.【FRIDAY】【独自】国葬欠席を表明した自民・村上誠一郎の「真っ当な思い」
2022年09月22日
「反対」の声が日増しに高まっている安倍晋三元首相の「国葬儀」。ついに自民党現職議員から、国葬欠席の声が上がった。元行政改革相で、自民四国ブロック長の重責を担う村上誠一郎氏が、FRIDAYデジタルの取材に応えた。
自民党のベテラン議員が「国葬欠席」を表明、大きな波紋を呼んでいる。渦中の村上誠一郎氏にその「思い」を聞いた
)
国民を代表する議員として、国葬には出席できない
「わたしは当初から国葬に反対でした。そのようにずっと申し上げてきたので、欠席させていただくこととしました。国葬を決定する経緯、その基準法、そしてなにより国葬に反対する国民が過半数を超えていることで、結果として、死者にむち打つような国葬論議となってしまったことが悔やまれてならない。国民を代表する立法府の議員としてはこの際、国葬は欠席するしかないではありませんか」
村上氏はそういってうつむいた。永眠した人を喧噪の中に置くようなことがあっていいのかとつぶやくように話した。安倍元首相は国葬に値しない為政者だったのだろうか。
「英国エリザベス女王の歴史と伝統に彩られた国葬について、女王自らが、生前に自身の国葬協議に参加していたと聞きました。棺はロンドン市内のどのコースを辿り、どのように国民に別れを告げたいか。綿密な準備がなされた上で執り行われたそうです。その結果、あれほど荘厳な国葬を営むことができた。死してなお女王はイギリス国民に向き合いその立場をまっとうしたのです。国葬というのはこういうものではないかと豁然(かつぜん)たる思いです。安倍元首相の国葬は、その時の感情論に流された単なる思いつきで、まして法的根拠もないことから内閣設置法をひねり出した付け焼き刃。はたしてこれで、本当の意味で故人を偲ぶことになるのかと思ったのです」
国葬をめぐる議論はますます激しくなっている。法学者たちも、その法的根拠に疑問を呈し発言をしている。21日早朝には、総理公邸近くで70代の男性が自身に火をつけ国葬反対の激しい意思表示をした。目撃した女性が110番通報し、駆けつけた警察官によって火は消し止められたが、病院に救急搬送された男性の容態は不明、消火活動にあたった警官もケガを負うという壮絶な出来事となった。
政治の独断に国民は納得しない
安倍氏国葬について、なぜここまで反対の声が大きくなったのだろうか。
「沖縄返還を成し遂げ、非核三原則でノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作元首相や昭和の大改革を断行した中曽根康弘元首相でさえ内閣・自民党の合同葬でした。外国要人が多数弔問に来られ、弔問外交は、きちんと出来たのです。
しかし今回は、なんの準備もなく法的根拠がないまま、国民に諮(はか)りもせず、政治の独断で国費投入を決めた。しかも、安倍元首相に限っては国葬がふさわしいと言うにはあまりに納得し難い。まして今、統一教会問題で自民党において中心的な役割を果たしていたのが安倍元首相であったということがわかったのだから、その人を税金で国葬というのは誰だって違和感があるのは当然だと思う」
村上氏はこれまで、格差が拡大し続けるアベノミクスを一貫して批判し続けてきた。日銀による国債引き受け総額はまもなく債務超過となる97%に達し、経済政策の失敗による危機的状況に陥っている。村上氏は、国民が耐えがたい物価高に直面していることを憂慮している。さらにモリカケ桜問題、公務員法改正によって行政機能にも大きな支障をきたすことになった安倍政権への評価は、けっして高くないのだ。
「統一教会の問題について複雑な思いはありますが、安倍元首相はすでに亡くなられた。亡くなられた方を悼み弔う気持ちは国民も、そして私のなかにも等しくあります。死者への弔いと政治問題がぶつかり合ってしまうような事態を招いたのは、国葬を判断した政府の責任だと思います」
岸田政権の内閣支持率は直近の世論調査で29%台と大きく下がった(毎日新聞調べ)。他メディアの調査でも、支持率はことごとく下落している。国葬問題が大きく影響していることは間違いない。
「国葬欠席」を表明した村上氏には、党内から「懲罰に値する」という批判の声も出ている。しかし本来、葬式への出欠は個人の内心によって判断されるものではないだろうか。岸田自民党は、その「内心」への干渉を露わにしたために、国民から完全に見放されたのかもしれない。
取材・文:岩城周太郎
3.【日刊SPA】「私はなぜ国葬欠席を表明したか。政治家が国をうれえなくなったらおしまい」<自民党衆院議員・村上誠一郎氏>
「私はなぜ国葬欠席を表明したか。政治家が国を憂えなくなったらおしまい」<自民党衆院議員・村上誠一郎氏>
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%e3%80%8c%e7%a7%81%e3%81%af%e3%81%aa%e3%81%9c%e5%9b%bd%e8%91%ac%e6%ac%a0%e5%b8%ad%e3%82%92%e8%a1%a8%e6%98%8e%e3%81%97%e3%81%9f%e3%81%8b%e3%80%82%e6%94%bf%e6%b2%bb%e5%ae%b6%e3%81%8c%e5%9b%bd%e3%82%92%e6%86%82%e3%81%88%e3%81%aa%e3%81%8f%e3%81%aa%e3%81%a3%e3%81%9f%e3%82%89%e3%81%8a%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%84%e3%80%8d-%e8%87%aa%e6%b0%91%e5%85%9a%e8%a1%86%e9%99%a2%e8%ad%b0%e5%93%a1%e3%83%bb%e6%9d%91%e4%b8%8a%e8%aa%a0%e4%b8%80%e9%83%8e%e6%b0%8f/ar-AA12f3E7
日刊SPA! 2022/09/26 15:51
◆国葬をやめて自民党葬に切り替えよ
c 日刊SPA!―― 安倍晋三元首相の国葬をめぐって世論が割れています。村上さんは国葬に反対していると聞きましたが、理由をお聞かせください。
村上誠一郎氏(以下、村上) 非常にお気の毒な亡くなり方をされたので私としても心情的には分からなくもないですが、それでも国葬に同意できない理由はいくつかあります。第一に、過去の例に照らした妥当性です。歴代の総理を振り返ると、たとえば吉田茂総理はサンフランシスコ平和条約を締結して日本の独立を回復し、軽装備・経済重視路線で日本の再建に取り組みました。また、鳩山一郎総理は日ソ共同宣言に署名し、岸信介総理は日米安保条約を改定しています。佐藤栄作総理は沖縄返還を実現し、田中角栄総理は日中国交正常化、中曽根康弘総理は国鉄民営化、竹下登総理は消費税を導入して財政再建に取り組んでいます。みな確かな実績を残していますが、それでも国葬が実施されたのは吉田総理だけです。
それでは、安倍元首相の実績とは何か。安倍政権の看板政策だったアベノミクスは反面、財政規律の劣化ももたらしました。物価上昇を抑えるために金融緩和をやめようと思っても、それによって金利が上がれば公債費の負担が増えるため、やめるにやめられません。集団的自衛権の解釈変更も、台湾をめぐる米中対立に巻き込まれる危険性を高めた面もあります。このように、安倍元首相の実績の歴史的評価は未だ定まっていないのではないでしょうか。
第二に、安倍政権が森友学園問題や加計学園問題、桜を見る会問題など様々な不祥事を抱えていたことです。森友問題では近畿財務局職員の赤木俊夫氏が自死しています。こうした点に対する国民の不信は未だ払拭できたとは言えません。
第三は、安倍元首相が、祖父の岸信介元総理から父の安倍晋太郎氏と親子三代にわたって統一教会とつながりがあったことは、マスコミに報道されているとおりです。統一教会は総選挙や参院選挙において清和会の候補者の選挙を大変応援していました。よく知られているように、統一教会は霊感商法等によってお金を集めていました。日本人から収奪したお金で総選挙や参院選挙を応援させることは言語道断です。
統一教会問題に関する国民の関心は非常に高く、メディアでは連日のように新しい事実が暴露されています。仮に国葬を強行したあと、万一これまで以上の不都合な事実が露見したらどうなるのか。国民の多くが反対している国葬が歴史の汚点になってしまう可能性があります。
第四に、国葬決定の過程が不透明だということです。これが最大の問題です。岸田首相が拙速に決めてしまったから、確かな法的根拠や判断の基準がないのです。これでは時の政権による恣意的なやり方だと批判されても仕方ありません。
岸田首相は「聞く力」を掲げています。そうであれば、国葬に反対する世論にも耳を傾けるべきです。「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」。いまからでも遅くありません。国葬をやめて自民党葬に切り替えるべきです。
◆戦争を知らない自民党議員たち
―― 昔の自民党なら国民の声に耳を傾け、国葬反対を唱える議員がたくさんいたと思います。なぜ自民党は変質してしまったのですか。
村上 私が初当選したころの自民党には三角大福中(三木武夫・田中角栄・大平正芳・福田赳夫・中曽根康弘)や安竹宮(安倍晋太郎・竹下登・宮澤喜一)、さらに私の師匠である河本敏夫先生や梶山静六氏、山中貞則氏、後藤田正晴氏、その他にも前尾繁三郎氏や灘尾弘吉氏、古井喜実氏など、「なるほど、政治家とはこういうものか」と圧倒されるような人がたくさんいました。また、とりわけ派閥のトップの皆さんは深い見識がありました。
私は河本敏夫先生率いる河本派に属していましたが、臨時党大会で宇野宗佑氏を総裁にしようとした時に、私は賛成できないと河本先生のところに行ったところ、「自分の信念の通りやれ」と言われました。我々は臨時党大会で宇野宗佑総裁に反対しました。批判を恐れず、自由闊達な議論ができたのです。
しかし、小選挙区制度が導入され、一つの選挙区で公認される候補者が一人になると、自民党の公認が得られるか得られないかで当落が決まってしまう。その結果、たとえ時の権力者が間違ったことをしており、それに対して反論したくても、みんな公認を外されたり比例の順位を落とされることを恐れ、口をつぐむようになってしまいました。
私は幸い党幹部等の応援がなくとも当選することができたので、自分の思うことを発言することができましたが、そういう議員は少数派です。しかも、選挙に強くない議員は宗教団体等に頼りがちです。それが統一教会との癒着を生んだ原因の一つだと思います。
また、かつての自民党には旧制高校出身者がたくさんいました。旧制高校の学生は難解な哲学書を読みながら、毎晩寮で喧々諤々の議論を繰り広げていました。そうやって「公の精神」や「青年の矜持」を身につけ、人間形成を行ってきたのです。旧制高校出身者たちは政党や派閥を超えてつながっており、何か困った時は阿吽の呼吸で助け合うこともありました。旧制第五高校の同級生だった池田勇人総理と佐藤栄作総理がまさにそうでした。
しかし、戦後はこうした教育は失われ、「公の精神」も「青年の矜持」も消え去ってしまいました。その結果、永田町が非常に劣化してしまいました。
もう一点指摘すると、かつての自民党には戦争経験者がたくさんいました。最近、ロシアのウクライナ侵攻が起こると、すぐに「防衛予算を2倍にしろ」などという声が上がりますが、昔の自民党なら考えられません。戦争の恐ろしさを知らない人たちがゲーム感覚で議論しているとしか思えません。
これほど財政状況が厳しい中で防衛予算を捻出するなら、教育費や社会保障費を削らなければなりません。それができないなら赤字国債です。これではますます財政破綻の可能性が高まります。また、防衛費を増やしても公務員法の制限があるので自衛隊員はそう簡単には増やせません。そうなると、武器は潤沢にあるが、それを使う隊員はいないという状況が生まれてしまいます。これほど合理性に欠けることはないと思います。
◆一番の問題は内閣人事局
―― 佐藤栄作元総理の国葬が議論された際は、内閣法制局が「法的根拠が明確でない」と主張したことが一因となり、国葬は断念されたと言われています。いまの官界にはこうした官僚は見当たりません。
村上 昔の官僚の皆さんは相手が大臣であろうと総理であろうと、自分の守備範囲に関しては全責任を持って是は是、非は非と唱えていました。私の地元の愛媛県には檜垣徳太郎氏という農林省事務次官を務めたのちに参議院議員になった方がいました。檜垣氏は課長時代、誰もが恐れる河野一郎農林大臣に対して臆することなく物申すことで知られていました。
また、私の伯父で大蔵省事務次官を務めた村上孝太郎は主計局長のころ、「日本の財政をこのまま放置すると大変なことになる」と財政硬直化キャンペーンを行い、時の佐藤栄作総理に直訴しています。私がもっと驚いたのは、予算委員会での立ち居振る舞いです。通常、総理が予算委員会で答弁する時、官僚はそばにかがみ込み、ペーパーを使って答弁のポイントを説明します。ところが、伯父は佐藤総理のそばに突っ立たまま、自分がかけていた眼鏡の柄を使ってペーパーを指し示しながら説明していたのです。
政治家たちは官僚たちを受け入れ、官僚の主張にきちんと耳を傾けていたのです。政治家は官僚が毎晩1時2時まで働いているのを知っているので、彼らに対し尊敬の念を持っていました。官僚もまた政治家が選挙で大変な苦労をしていることを知っていたから、やはり尊敬の念を持っていました。お互いリスペクトしていたのです。
この関係を破壊してしまったのが内閣人事局です。これが一番の問題です。私は肉親や先輩、後輩に役人がいるからよくわかるのですが、官僚は人事で押さえつけられると、正論も本音も言えなくなってしまいます。一度でも出世コースから外れてしまうと、二度とそのラインに戻れないからです。だから内心では政治家の言うことに承服できないと思っていても、今後の仕事のことを考えて妥協せざるを得なくなるわけです。これでは官僚が正論も本音も言えなくなるのは無理もありません。
しかも、いまの官僚は一生懸命働いているのに給料は安く、退職後は天下りもなく、何かあるとすぐに政治家やマスコミなどからバッシングされます。こんな仕事に誰が就こうと思うでしょうか。かつては東大から官僚になる人がたくさんいましたが、最近は外資系企業への志望者が増えています。霞が関にも優秀な人材が集まらなくなっているということです。このままいけば、私たちの世代がいなくなったころ、永田町も霞が関も完全に機能不全に陥っている可能性があります。
◆国を憂えない政治家はいらない
―― 自民党には多くの問題がありますが、野党にも期待はできません。どうすれば現状を打開できますか。
村上 与党も野党も人材が枯渇していることは間違いありません。公認をもらってポストを獲得し、政治資金を確保すれば政治を行っていると考えている議員が多いと思います。政治家が国を憂えなくなればおしまいです。
私は最近、三島由紀夫氏の先見性を再認識しています。三島氏は1969年に東大駒場キャンパスで全共闘と公開討論を行っています。東大生たちは若さもあって言いたい放題ですが、それに対して三島氏は一つ一つ丁寧に対応しています。単刀直入に言えば、三島氏と学生たちの議論のほうが、いま国会で行われている論議よりも真摯な議論だと思います。
また、三島氏は自死する前に「果たし得ていない約束」(昭和45年7月7日 サンケイ新聞夕刊)というエッセイを書き、このままでは日本がなくなってしまうと警告を発した上で、最後に「それでもいいと思っている人たちと、私は口をきく気にもなれなくなっているのである」と記しています。私も同様です。
とはいえ、日本がこのまま衰退していくことを、何もせず黙って見ているわけにはいきません。私のところには与野党の議員たちから「若手を集めるので勉強会を開いてくれないか」という申し入れがきています。国会議員の中には国を憂いている人はいるはずです。そこで、私は与野党や左右党派を超えて議員の皆さんに声をかけ、勉強会を開こうと考えています。それを通して「公の精神」や「青年の矜持」を次の世代に伝えていきたいと思います。この取り組みは次の世代、日本のために役立つと信じています。
(8月31日 聞き手・構成 中村友哉)
初出:月刊日本10月号
【月刊日本】
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4.読むだけで腹が立ってくるような内容の記事だが、我慢して読むと・・・
「安倍元首相は国賊」発言は、これらインタビュー記事には出て来ない。一方で「左様な発言はしてない」との明確な否定も、出て来ない。
「明確に否定したのだが、その部分は記事にはされなかった。」って解釈が(一応)あるが、左様な「センセーショナルな内容」が「記事にならない」というのは不可解である。それも、少なくともダイヤモンドオンライン、FRIDAY、日刊SPAが、「揃いも揃って」とは。
以上一連の記事から考察&推察(&邪推を含む)するに、村上議員の言動を時系列順に追うと、以下のようになろう。
① 安倍晋三自民党総裁時代にも、村上氏は「安倍首相は国賊」などとは発言・公言・断言などせず、自民党にも選挙民にも周知せず、のうのうと自民党公認を取り付け、選挙に当選し続けてきた。
② 安倍元首相国葬に際し、国葬欠席を決めてこれを公表すると共に、朝日&時事記者に対しては「安倍元首相は国賊」と発言した。
③ 国葬欠席と「国賊」発言のお陰で、複数のメディアからインタビューを受け、一躍「時の人」となった。
④ だが、自民党内で批判の声が上がり、実害が及びそうになったので、「安倍元首相は国賊」発言を、否定することにした。
さて、村上議員自身には、敢えて問うまい。私(ZERO)が問いたいのは、斯様な村上議員を議員たらしめている/議員たらしめてきた、選挙民/有権者諸君である。
諸君は、斯様な村上議員を、既に12回も選挙で当選させて来た訳であるが、かかる「安倍元首相は国賊」発言騒動を経て、なおもかかる村上誠一郎なるモノを支持し、投票し、衆院議員に選出する、心算であるか?
国賊と呼ばれるべきは、斯様な村上議員であり、村上議員を選出し続
けてきた選挙民/有権者ではないか?
更に、自民党にも問いたいな。この村上誠一郎なる者は当選12回を数えるベテラン議員であり、自民党としては「確実に当選させられる一議席」であるかも知れない。だが、果たしてその「一議席」は、「自民党としての一議席」であるか?此奴は、安倍元首相国葬に欠席すると言うパフォーマンスに興じたばかりか、「国賊」発言まで為したことはほぼ確実だ。それを事後に否定しようが撤回しようが、それは「雲行きが怪しくなってきた」から。雲行きが怪しくなければ、更なる「国賊」発言を重ねた公算は、大とみるべきだろう。
そんな「信用ならない一議席」に、今後も固執するのか?
次回選挙では、村上誠一郎の自民公認を見送るべきではないか?
それが適わないのならば、自民党公認の別候補を立て、有権者に「自民党議員としての選択肢」を、与えるべきではないか?
「役職1年停止」なんて、鼻くそみたいな処分では無く、だ。