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外交と軍事は、相補的関係ですが、何か?ー【琉球新報社説】防衛費5年で40兆円超 大幅増ありきの暴走だ
「平和ボケ」と言えば、ある意味「聞こえは良い」。少なくとも「悪意は無い」と言うことを示唆している。
だが、悪意があろうが無かろうが、完全なる善意に基づこうが、場合や条件によっては「平和ボケ」が戦争誘因となり、戦争を惹起する・・・どころか、外患誘致となり、自国を滅ぼす事があることを、些かでも知能を有する民主主義国家国民(*1)ならば、知るべきだな。
さて、琉球新報の「平和ボケ」は、果たして「完全なる善意に基づいている」のだろうか?「外患誘致、侵略先導という、悪意に染まっている」と考える方が、安全側であろう。
- <注記>
- (*1) 民主主義国家ってのは、国民が「些かでも知能を有する」事を前提している、のだが。
(1)【琉球新報社説】防衛費5年で40兆円超 大幅増ありきの暴走だ
【琉球新報社説】防衛費5年で40兆円超 大幅増ありきの暴走だ
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1590665.html
2022年9月27日 05:00
社説
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政府が、次期中期防衛力整備計画(中期防)について、2023年度からの5年間総額で40兆円超を視野に検討している。毎年1兆円程度ずつ増額させ、最終年度には国内総生産(GDP)比2%相当の10兆円、本年度の約2倍に達する。増額分は、増税を前提とした「つなぎ国債」で賄う方向だという。大幅増ありきの政府の暴走をこのまま見過ごすことはできない。
5年ごとの防衛費の見積もりや必要な防衛装備品の数量を定めるのが中期防である。「国家安全保障戦略」、10年間の目標を決める「防衛大綱」と合わせて安保関連3文書とされ、年末に改定を閣議決定する予定だ。3文書改定に向けて自民党が、GDP比2%以上、敵基地攻撃能力を盛り込んだ提言を4月に岸田文雄首相に提出した。6月に閣議決定された「骨太の方針」に防衛費の大幅増が盛り込まれたが、与党の公明党内には慎重意見もある。先走りして事が進み過ぎている。
財源として検討されている「つなぎ国債」とは、お金が国に入ってくるまでの「つなぎ」として発行される国債だ。返済の担保として、法人税やたばこ税の増税を視野に入れているという。家計に直接影響が及ぶ所得税や消費税より負担を求めやすいということだが、現在1兆円前後の国たばこ税、13兆6千億円(21年度)の法人税を毎年増税して5年後に5兆円増やすことになるが、可能なのか。
日本の財政は危機的状況にある。国債や借入金などを合計した国の借金は6月末時点で約1255兆円と、過去最大を更新し、国民1人当たりで1千万円を超えた。円安やエネルギー高騰で企業経営も家計も厳しい状況が続いている。増え続ける社会保障費に加え、子育て、教育のためにこそ予算が必要だ。
政府は防衛力の抜本的強化に向けて「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」を新設し、30日に初会合を開く。明らかになっているメンバーは元防衛事務次官、元外務事務次官、財界関係者らだ。政府にとっては内輪のメンバーで、防衛費増、軍備増強にお墨付きを与えるものになるだろう。
有識者会議の開催趣旨には「経済力を含めた国力を総合し、あらゆる政策手段を組み合わせて対応するのが重要だ」と明記されている。自衛隊と民間の共同事業、研究開発、国際的人道活動など、総合的な防衛体制を検討するとし、経済財政の在り方も議論するという。戦前の「総力戦」「総動員体制」を思い起こさせる。必要なのは「総合的な平和構築体制」の方だ。
「台湾有事」という言葉にあおられて、軍事の話ばかりが目立つ。なぜ政府は平和構築へと動かないのか。沖縄を再び戦場にすることを前提に軍事論が先行することを、沖縄県民は受け入れるわけにはいかない。国会でも真剣な議論をするよう求める。
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(2)外交と軍事が「相反的」ってステレオタイプが、そもそもの間違いだ。「砲艦外交」って概念を、知らないのか?
言うまでも無かろうが、「砲艦外交」ってのは、「軍事力を利用した外交」である。典型的なのは幕末日本に対する黒船(鋼製軍艦)による「開国要求」だろう。当時日本は「鎖国」しており、外国との通商往来を「原則的に禁じていた(例外や抜け穴は、相応にあったが)」。このような状態の日本に対し、米国はじめとする欧米列強諸国は、黒船(鋼製軍艦)を差し向けて軍事的&外交的圧力をかけ、各国との和親条約や通商条約を結ばせ、「開国」させた。
「日本の開国」と言うのが「外交的成果」であり、そこに至る手段の一つが「黒船来航」=「対日軍艦派遣」という軍事的圧力である。砲艦外交に於いて、幕末日本の開国に於いて、軍事と外交は「相反的」どころか「相補的」であり、「一体不可分」とすら、評し得る。
であるならば、「防衛費大幅増」ってのも、使いどころ・使い方によっては「外交力の強化」でもあり得る。であるというのに、上掲琉球新報社説は、「軍事力=戦争的=悪」/「外交力=平和的=善」って善悪二元論を狂信しているモノだから、
1> 「台湾有事」という言葉にあおられて、軍事の話ばかり目立つ。
2> なぜ政府は平和構築へと動かないのか。
3> 沖縄を再び戦場にすることを前提に軍事論が先行することを、沖縄県民は受け入れるわけにはいかない。
なぁんて大間抜けな「結論」を、恐らくは「素面で大真面目に主張」出来てしまう。
戦争に備えるからこそ、戦争を抑止できる。戦争に備えない、あるいは備えが不完全なのは、戦争誘因だ。
戦争は、弾丸を使う外交。外交は、弾丸を使わない戦争。戦争も外交も、国益追求の手段であり、最大の国益は国の生存・安全保障だ。
「軍事抜きの平和構築」だの、「戦場になることを前提としない軍事」だの、ある意味「尤もらしい」が実体も実質も無い「虚言」であり、「虚偽」である。平たく言えば「妄想」である。
さて、そんな妄想を、素面で大真面目に並べたてる琉球新報が、「完全なる善意に基づく平和ボケ」と、思い込むのは危険であろう。「外患誘致、侵略先導という、悪意に染まっている」と考える方が、安全側であることを、再度強調しよう。