• .だから、その「平和憲法」を民意が否定しているんだろうが。-【琉球新報社説】「敵基地攻撃」賛意大勢 平和憲法逸脱許されない

 下掲するのは、琉球新報社説である。今日も今日とて「ロシア軍によると思われるウクライナの民間人虐殺」には頬かむりして、本日の「お題」は「敵基地攻撃能力」である。

 下掲社説及びタイトルにもある通り、「敵基地攻撃能力保有容認(と言うより、推奨)」が政府主催の有識者ヒアリングで大半を占めた上、世論調査結果では「過半数にこそ至らぬモノの、半数近い最大多数が敵基地攻撃能力保有に賛同した」と言う現状に対して、平和憲法守れ!敵基地攻撃能力許さん!!って主張だ。

 「発狂」としか言いようが無いな。或いは、「異論/異説に対する寛容の根源的欠如」か。
 

 

(1)【琉球新報社説】「敵基地攻撃」賛意大勢 平和憲法逸脱許されない

  • 【琉球新報社説】「敵基地攻撃」賛意大勢 平和憲法逸脱許されない

「敵基地攻撃」賛意大勢 平和憲法逸脱許されない

 

 

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1497261.html

 

2022年4月6日 05:00

社説

mail_share

 

【1】 外交・安全保障政策の長期指針「国家安全保障戦略」などの改定を巡り、政府が実施した有識者ヒアリングでは相手国内でミサイル発射を阻止する「敵基地攻撃能力」保有を求める意見が大勢を占めた。

 

【2】 有識者は外交・防衛分野の高官OBが中心だ。「結論ありき」との批判は免れない。議事録も公開されておらず、検証ができない。戦後の安全保障政策を根底から転換しかねないにもかかわらず検討の在り方は極めてずさんである。

 

【3】 最たる問題は、能力保有を認めれば日本の安全保障の国是である「専守防衛」を転換し、平和憲法の理念を大きく逸脱することである。断じて容認できない。保有すれば核攻撃の標的になるリスクを一層高める。保有の問題点やリスクを詳細に検討し、主権者である国民に示すべきだ。

 

【4】 保有への動きは日米合作といえる。岸田文雄首相は1月、バイデン米大統領とのテレビ会談で、日本の防衛力強化に向け敵基地攻撃能力の保有を含め、あらゆる選択肢を検討すると述べ、支持を得た。

 

【5】 日本が「盾」で米国が「矛」という従来の日米同盟の役割分担は、能力保有により、日本が米国の「矛」に合流する。米国の戦争に巻き込まれる危険性が高まる。国民の命を米国に預けるような行為だ。

 

【6】 共同通信が2月に実施した世論調査では、能力保有に賛成は49.1%、反対は45.1%と賛否が二分した。保有がどのような危険を招くかについて国民的な議論がない一方、ロシアのウクライナ侵攻に乗じて保有をあおる空気になっていないか懸念される。

 

【7】 実際、安倍晋三元首相は講演で敵基地攻撃能力の対象を基地に限定せず「中枢を攻撃することも含むべきだ」と主張、来年度防衛費当初予算で約6兆円の確保を求めた。実弟の岸信夫防衛相は共同通信の取材に本年度予算からの大幅増に意欲を表明。中枢も含めて対象とする議論は「大切だ」と述べた。危険なのは、能力保有の延長線に米国の核兵器を日本に配備して共同運用する核共有論があるからだ。

 

【8】 核配備を考える前に、そもそも日本には50基以上の原発があり、そこを狙われるとすぐさま壊滅的被害を受けることを想像する必要がある。攻撃能力や核を保有すれば、相手からの激しい核攻撃にさらされる恐れがあり、むしろ安全性は格段に落ちる。

 

【9】 中でも沖縄は危険だ。米軍は沖縄を含む「第1列島線」に核弾頭が搭載可能な中距離ミサイル網の構築を狙う。長距離極超音速ミサイルなども2023年末までに配備可能という。宮古島の陸自のミサイルは改良が進む。いずれ敵基地を攻撃できるミサイルに改良されるとみられている。

 

【10】 沖縄はますます「標的の島」となる。決して再び戦場にしてはいけない。日本政府は軍備強化で相手国を刺激するのではなく、有事に発展しかねない火種を平時から取り除く外交努力に徹するべきだ(*1)。

 

  • <注記>
  • (*1) ロシア侵略下にあるウクライナが、「和平交渉の相手になっている」のは、ウクライナ軍とウクライナ人の奮闘努力と死闘のお陰であり、その「死闘」の相当部分は字義通りの「戦闘」であって「外交努力」ではない。
  •  「外交努力さえしていれば、外交は出来る。」等と、勘違いするンじゃぁ無いぞ。外交も戦争も、国益追求の手段で、表裏一対だ。 


 

  • 「改憲は、国民投票で決する」筈なのに、「民意は無視して、”平和憲法”守れ!」って、「憲法信仰」。


 上掲社説タイトルから十分予想された事だが・・・「一体何を言っているのか、一読ぐらいではサッパリ判らない」社説。ここまで「一読ぐらいではサッパリ判らない」社説も珍しい。チョウセン紙には良くあるんだが、琉球新報はチョウセン紙ではない。(多分。)

 だが、異論異説は「己が嗜好の水平線を広げる好機」たり得る。気を取り直して、上掲琉球新報社説の論旨・ロジックを追っていくことにしよう。

 【パラグラフ1】は、「政府の有識者ヒアリングで、敵基地攻撃能力保有論が大勢を占めた。」と言う事実報告。【パラグラフ2】はそのヒアリングでの「議事録が公開されないことに対する不満」だ。

1> 戦後の安全保障政策を根底から転換しかねないにもかかわらず検討の在り方は極めてずさんである。

等と、尤もらしく書いて入るが・・・開催されたのは「有識者ヒアリング」であり、有識者に参考意見を求める場。此処で「敵基地攻撃能力保有を決定した」訳でも無いのに、何が「検討の在り方は極めてずさん」なのだろうか。議事録非公開が不満とのことだが、自由闊達な議論には非公開のヒアリングの方が適するって考え方もあろうに。
 大体、戦後の安全保障政策」とやらは、ほぼ一貫して「専守防衛」なのだから、あらゆる「変化」は「根底から転換しかねない」に違いない。而して有識者ヒアリングで「従来従前通りの専守防衛論」しか出て来なかったら、それこそ「有識者ヒアリングの意味・意義が無い」事になるし、「有識者の見識自体」が問われることになろう。
 
 言い替えれば、「有識者ヒアリングでは、戦後安全保障政策を転換しかねない意見・提案が、あって当然。」なのであり、「それが無いのは、有識者ヒアリングの機能不全」なのである。
 
 であるならば、上掲琉球新報【パラグラフ2】「有識者会議議事録非公開への不満」は、単なるイチャモンでしか無い。そのイチャモンは、続く【パラグラフ3】で(一つの)頂点に達する。

2> (敵基地攻撃)能力保有を認めれば日本の安全保障の国是である「専守防衛」を転換し、
3> 平和憲法の理念を大きく逸脱することである。断じて容認できない。

 

・・・さて、「我が国に、成文化した”国是”なるモノは、無い。」とは、再三繰り返してきたことだが、それは置いたとしても、私(ZERO)が問いたいのは、上記3>にて「敵基地攻撃能力保有」に対して「平和憲法の理念を逸脱する」と判断し、「断じて容認できない」のは、「誰か?」と言うことである。上記2>~3>上掲社説【パラグラフ3】の「主語」は、誰か、何者か、と言う問いである。

 どう考えても、上掲琉球新報社説【パラグラフ3】の主語は、「琉球新報」自身である。別に琉球新報が「専守防衛は日本の国是」と考えようが、その考えに基づいて「敵基地攻撃能力保有は、平和憲法の理念を逸脱し、容認できない。」と主張しようが、勝手ではある。続く【パラグラフ4】で「日本の敵基地攻撃能力保有(検討)は、米国も了承済み」と報じ、ちょっと先の【パラグラフ6】で「世論調査の結果は、敵基地攻撃能力保有賛成が優勢」との事実も踏まえれば、「日米安保体制の相手国である米国も、日本国民も、”容認”している敵基地攻撃能力」に対して「断じて容認できない」と宣う琉球新報社様は、一体何様の心算なんだろうねぇ。

 【パラグラフ5】は、【パラグラフ4】「米国の容認」のオマケで、「従来は、"米国が矛。日本が盾。"だったのにぃぃぃぃ!」と言う、一種「米国に対する恨み節」でしか無い。大体、「米国が矛。日本が盾。」とされていた頃でも、「日本が敵基地保有能力を議論すること」自体は禁じられていた訳では無い、筈だ。「現在・現役の防衛方針が、招来の防衛方針変更議論を禁じるモノ」ではあるまいに・・・イヤ、十中八九、”平和主義”とか"専守防衛"とかの”日本国憲法に基づいた”従来従前の防衛方針は、将来の防衛方針変更議論を禁じるモノ」と、琉球新報は考えて居そうだな。

 だぁかぁらぁ、「憲法信者」とか「憲法教徒」とか、私(ZERO)は呼ぶし、揶揄するし、痛罵さえするんだぞ。左様、「憲法信者」とか「憲法教徒」と言うのは、貶し言葉であり、罵詈雑言に近い。私(ZERO)の感覚では、な。

 【パラグラフ7】は・・・安倍元首相は敵基地攻撃能力から更に敵中枢攻撃能力や核共有まで言及しているぅぅぅぅ!ますます許せん!である、らしい。一体琉球新報は、「言論の自由」とか「思想信条良心の自由」とか「自由闊達な議論」とか、更に遡って「異論・異説に対する寛容」ってのを、一体どう考えているんだろうねぇ。

 【パラグラフ8】に至っては、「発狂」の一語に尽きそうだ。先ず核共有よりも、敵の攻撃に対し脆弱な原発が危険で問題だ。と言い出す。核共有と原発防護は全く別の問題だ、と思う暇もあればこそ、

4> 攻撃能力や核を保有すれば、相手からの激しい核攻撃に晒される恐れがあり、むしろ安全性は格段に落ちる。

・・・軍備なんか持つから、戦争になる。」「攻撃力なんか持つから、攻撃される。と言う、傘なんか持つから、雨が降るんだ。」理論。昔からこう言う「安全保障上の白痴」は居る/居たンだけど、今でも居るんだねぇ。一頃よりは大部減った、と思ったんだがな。

 「我が国の原発を攻撃した国には、通常兵器の依る攻撃であろうとも、核報復を実施する。」と宣言する事で「原発攻撃を抑止する」って発想は、琉球新報には無さそうだ。それが必要で「日本国憲法違反」ならば、憲法を変えるだけの話。「国是に反する」ならば、国是だって変えるべき。「国是守って国が滅びる」なんてのは、本末転倒だ。

 【パラグラフ9】~【パラグラフ10】は、特に沖縄は危険だぁぁぁぁ!だが(*1)、その認識自体は「正しい」だろうな。何故か沖縄二紙はすっかり忘れているようだが、中共は我が領土たる(且つ、沖縄の一部である)尖閣諸島に対し「核心的利益」なる侵略宣言を既に為している。正に沖縄は、最前線だ。
 で、その最前線たる沖縄を、

5> 沖縄はますます「標的の島」となる。決して再び戦場にしてはいけない。

って「単なるかけ声」と、

6> 日本政府は軍備強化で相手国を刺激するのではなく、
7> 有事に発展しかねない火種を平時から取り除く外交努力に徹するべきだ。


と言う軍備増強しない外交努力」だけで、ナントカしろと日本政府に要求できてしまうのだから、図々しいったら無いな。

 外交は、弾丸を使わない戦争だ。
 戦争は、弾丸を使う外交だ。

 
 その事を幾許かでも理解していれば、「軍備増強しない外交努力」なるモノが如何に空虚な空論であるか、判りそうなモノだが・・・先ず、無理だろうな。琉球新報には。

 さて、以上の様に「発狂した」としか思えない様な琉球新報社説から、琉球新報社の思想/思考について(改めて)確認できることがあるな。即ち、琉球新報は、以下の様に考えて居る。

 ① 専守防衛は、日本の国是
 ② 日本国憲法は絶対不可侵の不磨の大典
 ③ 攻撃力を持つと、攻撃される


・・・ウン、矢っ張り気違いだ。他に一寸評しようが無い。特に上記③は致命的だな。「抑止力」とか「抑止論」ってのが、全く通用しないんだから。
 
 冷戦が冷戦のまま終わったのが何故なのか、琉球新報はどう考えてるんだろうねぇ。是非、じっくりとっくり聞かせて貰いたいぐらいだ。

 「"武"と言う字を見るが良い。"戈(ほこ)を止(とど)める"とある。
 "それ、抜くぞ。覚悟!"と見せながら、遂には抜かずに収める。
 これが”武術”と言うモノじゃ。」


 講談社の講談文庫「講談 猿飛佐助」第一話における、佐助の「忍術(*2)の師匠」たる戸沢白雲斎先生最初の教え、だ。この名科白に人生の早い段階で出会い、覚えておいたことは、「我が生涯屈指の幸運」ではないかと、思うことがあるぞ。
 
 逆に琉球新報社のお歴々は、斯様な名科白には出会わなかった(か、出会っても何ら得るモノがなかった、か。)のだろうな。ご愁傷様な事だ。

  • <注記>
  • (*1) 因みに沖縄電力は日本の大手電力会社の中で唯一「原発を持たない電力会社」だ。つい先刻「攻撃に対して脆弱な原発は危険だぁ!」って主張していたのだが、その危険に対しては「沖縄は日本で一番安全」なのである。
  •  ああ、攻撃されるのが日本の原発である場合は、な。 
  •  
  • (*2) そこは、「講談の忍術」であるから、大ガマをどこからともなく召喚したり、気合い一つで透明人間になったり、超能力も魔法も裸足で逃げ出しそうな荒唐無稽な術、なんだんが。