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「時代よ。俺に付いて来い。」(イヤ、一遍言ってみたくて。)-【沖縄タイムス】核攻撃に耐える家庭用シェルター ウクライナ侵攻で日本の販売業者に問い合わせ急増 値段は?構造は?
「シェルター」って言葉が、一般紙でも散見される様になったのは、北朝鮮の弾道ミサイル発射騒ぎ以降だろう。広義・一般的には「避難所」という意味だが、狭義には「対核攻撃防空壕」の意味。日本じゃ殆ど知られていないが、米ソ冷戦時代にも欧米諸国では相応に普及していたし、なればこそ「商品として売られて」も居た。
そんな「狭義のシェルター」が、遂に「沖縄タイムス紙面にも登場した」のだから、これは一寸したニュースだろう。
(1)【沖縄タイムス】核攻撃に耐える家庭用シェルター ウクライナ侵攻で日本の販売業者に問い合わせ急増 値段は?構造は?
【沖縄タイムス】核攻撃に耐える家庭用シェルター ウクライナ侵攻で日本の販売業者に問い合わせ急増 値段は?構造は?
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/930283
2022年3月23日 05:19
ロシアのウクライナ侵攻が激しさを増す中、日本国内では住宅向けシェルターの販売業者へ問い合わせが相次いでいる。ミサイルによる民間地の被害が伝わり、米軍や自衛隊の基地を多く抱える沖縄からの資料請求もある。販売業者は侵攻に反対しながら「身を守る準備も大切」と、行政が公共施設や住宅へのシェルター導入を支援する必要性を強調する。(社会部・銘苅一哲)
輸入住宅を販売する「アンカーハウジング」(神奈川県)は2017年から住宅の地下に設置するシェルターを販売している。経営者の吉山和實さん(61)は「シェルターは厚さ6㍉の鋼鉄製で、オーダーメードで米国内の工場で製造している」と説明。価格は4人用が1500万円からで、それより多い人数のオーダーも受けている。
17年から販売したのは15台。ウクライナ侵攻の後はすでに複数の受注があるという。吉山さんは「シェルターがこれまでよりはるかかに注目されている。ミサイルが日本に撃ち込まれたらどうなるのかと国民が危機感を感じている」と話す。
住宅の耐震リフォームや防災グッズの販売を手掛ける「シェルター」(大阪府)は62年の創業時からシェルターの販売を続ける。
社長の西本誠一郎さん(85)によると、厚さ30センチのコンクリートで造った約10平方メートルのシェルターを地下に設置する場合は、相場が800万~1千万円。4~5人が入れる鋼鉄製のシェルターを家の中に設置する場合は750万円ほどという。
放射能汚染の対策として、180万~250万円の海外製の空気清浄機も販売する。西本さんは「核攻撃があった場合、爆心地から数キロ離れていても放射能汚染が懸念される」と説明する。
■基地を抱える沖縄からも
実は同社では創業50年間で、製品は年に1~2台しか売れなかった。北朝鮮のミサイル問題を受けた17年ごろから年間20台ほどに増加。これまで売れた計130台は、ほとんどが空気清浄機で、設置型のシェルターは6台ほどという。
ウクライナ侵攻後は1日数件の問い合わせが続き、週末には北海道からショールームに足を運ぶ人もいるという。「沖縄からも3件の問い合わせがある。戦争をしたい人なんて一人もいないが、望んでいなくても戦争は起きてしまう」と、もしもの備えを説いた。
東京で建築関係の工事を請け負いながら、5年前からシェルターの販売代理店となった武島良介さん(29)は、父が伊良部島出身。「島には祖父母が暮らしている。戦争になれば、米軍などの基地を抱える沖縄が狙われるのは、ウクライナを見れば明確だ」と話す。
5年前は知人に「シェルター」の言葉を出すだけで笑われた。今はツイッターを通じて20件ほど問い合わせがあり、国民の安全への意識が変わったと実感する。「武力攻撃だけでなく地震や津波の対策でもシェルターは必要。行政はまず、学校など公共施設への設置に取り組んでほしい」と認知の高まりを望んだ。
■有害物質を除去できる換気機能
「シェルター」(大阪府)が販売する地下設置型のシェルターについて、社長の西本誠一郎さんは「広島、長崎で使用されたような核兵器の攻撃があった場合、爆心地から2キロ離れた場所であれば耐えられる」と説明する。
外部からの電気を通せるが、水はペットボトルなどを準備しておく必要がある。簡易のトイレやベッドを設置し、換気の際に有害物質を除去するフィルターを備えたモデルもあるという。
また、同社のホームページ(HP)は「核攻撃があると地下の密閉された箱で何カ月も避難する認識があるが、避難は2週間が重要」と掲載する。
爆風や熱線と同様に大きな脅威は放射線とし、その強さは時間と距離で減衰するため、2週間を外気に触れず過ごすことが重要としている。
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自慢じゃぁ無いが、「シェルター」なんて、中学の頃から知っていたぞ。
私(ZERO)は「殆ど産まれながらの右翼」であるが、事、国防とか安全保障とかに関する限りは「やたらにませたガキ」であったから、中学生の頃に「対核攻撃防空壕」たる「シェルター」の存在も、それが米ソはじめとする各国に相応に普及しており、スイスに至っては「新築戸建て住宅にはシェルターの設置を義務づけている」と言うことも、その為「スイスのシェルター収容人数は、全人口を上回っている。」事も、「第三次世界大戦後の人口大国は、スイスだ。」なんてブラックジョークも知っていた(最後者は、流石に中学時代ではない、が。)。
シェルターの基本が「エアフィルター付きの地下壕」であることも、「流石に核の直撃には耐えられないが、少し離れれば大丈夫」な事も、その放射線遮蔽効果を主として大地による(即ち、地下壕であることによる)事も、「土か水1mで、透過放射線量は半減」という「非常に大雑把な放射線減衰率」も知っていた。
後の海外旅行でスイスを訪れた際は、一般家庭にと泊めて貰った序でにその住宅に設置されたシェルターを見せて貰った(*1)。同旅行中にイギリスのロンドンの地下鉄駅で見た「出入り口直上に吊り下げられ、恐らくは電源が切れても自重で閉鎖できる分厚い防爆扉(*2)」共々、忘じがたい「欧州旅行の思い出」である。
そんな「己が"先見の明"を誇る」のが、本稿の趣旨ではない。「日本の中学生としては、一寸したモノだろう。」とは言いたいが、シェルターという存在や普及や商品化は、別に秘密でも何でも無くて、「公共施設としてのシェルターがある」のは欧米諸国では「常識」レベル。公共シェルターを示す独特のマークがTVミステリドラマ(の最高傑作)「刑事コロンボ」の背景に写り込んだ事も覚えている。一世を風靡したと言っても良い人気漫画「北斗の拳」の冒頭は、(恐らくは米ソ両大国による)核戦争で、主人公・ケンシロウらがシェルターへ逃げ込んで核攻撃から助かる(*3)ってシーンもあった。
言い替えれば、「対核攻撃防空壕としてのシェルター」は、随分前から我が国でも「知る人ぞ知る」存在であり、北朝鮮の弾道ミサイル発射や今般のロシアのウクライナ侵略を待つまでも無く「知っていた」人は(私(ZERO)も含めて)相応に居る/居た、のである。
左様な「対核攻撃防空壕としてのシェルター」を、三アカ新聞下っ端の沖縄タイムスが「記事として取り上げ、報じる」事は、ある意味「画期的」とも言えそうではある。が・・・「今頃/今更」感も、半端ないモノがあろう。
「平和ボケ」ってのは、そう言うモノであるけどな。「とっくの昔に全人口以上のシェルタ収容能力を持っているスイス」って「外国の事例」を考えると、「やっとかよ。」と、言わざるを得まい。
- <注記>
- (*1) 入口たる防爆扉のOリングが、それまで見たことがない程に太くてゴツかった。
- (*2) ロンドンの地下鉄は、第2次隊戦でも防空壕として使われた「実績」がある。
- (*3) で、ケンシロウの次兄トキはシェルターへ入れず、死病を患ってしまう。「何故即死しなかった?」かを聞くのは、タブーなのだろう。