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「アメリカでは・・・」の出羽守(でわのかみ)ー【東洋経済】米軍事専門家が懸念する日本防衛費の「使い道」 日本が何を優先すべきかを専門家に聞いた
「専門家によると・・・」とか「有識者は・・・」などと「一見尤もらしい第三者(らしき者)の意見」が、記事の一部を為すことがママある。そりゃ新聞記者も全知では無いから、専門家や有識者の知恵やご意見をうかがい、時に拝借する事もあろう。それ自体は別に非難すべき対象ではない。
が、世の中には「専門家」も「有識者」も五万と居り、中には「記者に好都合なご意見を述べてくれる」専門家/有識者もあろう。更には、「記者に好都合なご意見を述べる専門家/有識者を探して歩く」とか、非道い場合には「好都合な架空の専門家/有識者をでっち上げる」事もあり得るから、かかる「一見尤もらしい第三者(らしき者)の意見」にも注意が必要だ(*1)。
「好都合な専門家を探して歩いた」例としては、弊ブログで(大分前に)記事にした「Wall Street Jouranal紙の肥田美佐子記者」が挙げられよう。東日本大震災の後の福島原発事故の影響についての専門家に対するインタビュー記事で、「福島原発事故の悪影響が懸念される」と専門家に言わせようとして失敗し、後に「別の好都合な”専門家”へのインタビュー記事」を出して、無事「福島原発事故の悪影響が懸念される」と言う趣旨を言わせている。まあ、この「別の好都合な“専門家”」が、「学者失格」であることは、弊ブログでも記事にしたが、それを言うなら斯様な「好都合な専門家を探して歩いた」肥田美佐子記者自身も「ジャーナリストとしての資格に大いに疑義がある」事にはなろうな。
比較的新しいところでは、沖縄二紙お気に入りの「オスプレイ欠陥機説を吹聴するリボロ氏」が「好都合な専門家」であろう(*2)。これまた弊ブログの格好のネタになったのだが。
「架空の専門家/有識者」捏造疑惑としては、朝日新聞が報じた「大日本帝国陸軍の支邦大陸での毒ガス使用写真」記事に登場する、「この写真はジフェニル何某、通称“アカ弾”に違いない。」と断言した「専門家」が挙げられよう。なにしろこの朝日記事の写真は、産経新聞によって「渡河点隠蔽のために煙幕を張っている写真」と元ネタとなった報道写真にある事が突き止められた上、写真撮影したカメラマンが未だご存命で、その証言まで産経に報じられている写真だ。
大体、その写真を見れば明白なのだが、モクモクと白い(白黒写真なので、白く見える)煙が天を冲して立ち上っている。斯様な状態では「野戦での毒ガスは役に立たない(忽ち拡散してしまって、毒ガスが有効に敵まで届かない)」なんて事は、一寸軍事知識(ないし常識)があれば判ることである。更には、「ジフェニル何某」なるモノが「気体である限り先ず確実に空気より重い(*3)」事は、「化学を選択した理系であれば、高校生でも判る」事だ。従って同写真を「ジフェニル何某という毒ガスだ。」と断定した(*4)「専門家」は、「化学知識として理系高校生以下」であり、「架空の専門家をでっち上げた」公算大であろう(*5)。
以上のような訳で、「専門家によると・・・」とか「有識者は・・・」などの「一見尤もらしい第三者(らしき者)の意見」は、「街の人に聞きました」インタビュー並みに(或いはそれ以上に)警戒すべきモノ、と私(ZERO)は考えて居る。
で、東洋経済紙に、米軍事専門家に「日本の防衛費の使い道」を聞いたって記事があったので、「眉に唾付けながら」読むことにした。
- <注記>
- (*1) ま、それを言うならば、「全ての報道はプロパガンダである(可能性がある)」と考え、身構えるべき、なのだが。
- (*2) どうもこの人は「沖縄二紙が探し出した」と言うより「オスプレイ欠陥機説をあちこちに売り込んでいる」様だが。こんな「自称専門家」も、居るのである。
- (*3) 窒素N2の分子量は28。酸素O2は32。空気は8割窒素の2割酸素だから、平均分子量は約29。これに対して「ジフェニル=フェニル基×2」だけで分子量30を越え、この間に炭素か何かが入るのだからもっと分子量が増える。
- 同温同圧の気体の密度は(平均)分子量に比例するし、屋外で解放された気体は忽ち同圧になる。従ってジフェニル何某が気体である限り、余程加熱してその高温を保っているのでなければ、「天を冲してモクモクと立ち上る」筈が無い。
- (*4) 「何を根拠に、写真から毒ガス種類を断定できたのか?」を、是非じっくりとっくりお聞きしたいな。
- (*5) 因みに、前述の通り産経新聞に同写真の元ネタから撮影カメラマンまで突き止められ、報じられた朝日新聞の言い分は、「支邦大陸で大日本帝国陸軍が毒ガスを使用したことは間違いない事実だ。」だった。
- 即ち、「事実さえあれば、写真は捏造でも特撮でもCGでも構わない」ってのが、朝日新聞である。
【東洋経済】米軍事専門家が懸念する日本防衛費の「使い道」 日本が何を優先すべきかを専門家に聞いた
【東洋経済】米軍事専門家が懸念する日本防衛費の「使い道」 日本が何を優先すべきかを専門家に聞いた
米軍事専門家が懸念する日本の防衛費の「使い道」
日本が何を優先すべきかを専門家に聞いた
https://toyokeizai.net/articles/-/503148?display=b
ダニエル・スナイダー : スタンフォード大学講師
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2022/01/17 9:10
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アメリカの軍事専門家に日本の防衛費を何に使うべきか聞いた(写真:Yoshikazu Tsuno/Bloomberg)
1月7日に行われた日米の防衛・外務大臣による「2+2」会議では、当初の意図通り、日米が互いに歩調を合わせて進むというメッセージが伝えられた。
【1】 共同声明では、在日アメリカ軍に対する受け入れ国としての日本による支援に関する5年間の取り決めや、インド太平洋地域の安全保障に対する共通のアプローチ、中国に対する厳しい姿勢など具体案が示された。
【】重要なのは防衛費を「何に」使うか
【2】 だが、いつも通り2国間の隔たりは慎重に隠蔽された。とりわけ、日本の防衛費の方向性をめぐっては、目に見えない部分でより大きな違いが存在している。アメリカ政府は、日本がGDPの2%を防衛費に充てるという目標を支持しており、年間約11兆円規模の支出には政治的な障害があるという現実を認識しているが、日本政府が支出に前向きなことを歓迎している。
【3】 もっとも、日米同盟の真の課題は、日本政府がどれだけ「払う」ことではなく、その軍事費を何に使おうとしているのかということである。両国政府は同じ姿勢を持っていると主張しているが、防衛費における日本とアメリカの優先事項は明らかに異なる。
【4】 日本の防衛費に関する議論では、自衛を目的とするシステムや戦力と、他国の領土内の目標に対する攻撃的な戦闘行動を目的とするシステムや戦力の選択に焦点が当てられてきた。
【5】 こうした中、日本の保守的な専門家は、ミサイル防衛システムを構築するよりも、北朝鮮や中国の発射拠点を破壊できる、より長距離の弾道ミサイルや巡航ミサイルに軍事費を費やすほうが好ましいと主張してきた。
【6】 また、国内の防衛産業に資金を投入し、次世代の新型戦闘機や長距離弾道ミサイルなどの国産兵器を開発することを提唱しているほか、日本の海岸を越えて力を発揮できる空母を増やすべきだとしている。保守派の防衛政策担当者も、アメリカとの同盟関係を強化するために攻撃型攻撃兵器の獲得が必要だと主張している。
【7】 が、それは本当に正しい考えなのだろうか。そこで今回筆者は、日本の安全保障に詳しい専門家に「日本が年間1000億ドルの防衛費を費やせるとすれば、アメリカから見た日本の最優先事項は何か」と尋ねた。
【8】 これにさまざまな専門家が答えてくれた。オバマ政権の元国防担当官で、現在はニュージーランドで教鞭をとっているヴァン・ジャクソン氏、同じくオバマ政権の元国防担当官で、現在はワシントンD.C.の笹川平和財団USAで同盟安全保障関係に関する新しいプログラムを主導しているジェームズ・ショフ氏、元情報機関高官で、保守派のヘリテージ財団で北東アジアに関する上級研究員を務めるブルース・クリングナー氏、マサチューセッツ工科大学(MIT)のアジア安全保障研究者であるエリック・ヘギンボッサム氏とリチャード・サミュエルズ氏である。
【】 日本は防衛システムに資金を投じるべき
【9】 その結果、わかったことがある。アメリカの防衛専門家はほぼ全員、日本の保守派と逆方向に傾いている、ということだ。多くは、防衛システムを支持しているほか、北朝鮮や中国が攻撃してくる可能性がある場合に生き残る能力を強化し、中国の海・空軍による侵入を阻止する日本の能力を拡大すべきだと考えているのだ。
【10】 前方防衛と侵入阻止のためには、敵を探知するためのレーダーなどのセンサーや、前進してくる中国の軍艦を沈めたり、攻撃してくる航空機を破壊するための武器などに、より多くの予算が必要になるとアメリカの専門家たちは主張している。
【11】 専門家の大多数は、支出の増加を歓迎しているが、徐々に増やしていくべきであると認識している。しかし優先順位としては、日本がいかにして自国を守り、北東アジアにおけるアメリカの広範な軍事構造を補完できるかに焦点を当てている。
【12】 ジェームズ・ショフ氏は、鋭い体毛で身を守るヤマアラシになぞらえて、「日本の最良の戦略は、可能な限り最も凶暴なヤマアラシになることだと私は今でも信じている」と語る。防衛専門家として著名なショフ氏は、日本は「誰もが積極的に(あるいはギリギリまで)手を出したくない存在」である必要があると説く。また、主にミサイルに対する防御を強化し、攻撃側の空軍や海軍を危険にさらすための追加予算を提唱している。
【13】 ショフ氏らは、ミサイル防衛と、C4ISR(4つのC、つまり指揮(Command)、統制(Control)、通信(Communication)、コンピューター(Computer)と、情報(Intelligence)、監視(Surveillance)、偵察(Reconnaissance))と呼ばれるものに不可欠なハイテク技術の開発が優先事項だとしている。
【14】 これは、広範囲のセンサーやデータ処理からサイバーディフェンスまで含まれる。電子戦やサイバー戦にはもっと資金が必要だとしているが、アメリカ側から見た優先順位はさほど高くない。
【15】 またアメリカは、日本がイージス艦のミサイル防衛システムを陸地に置くことをやめ、代わりにイージス艦を搭載した船に移すという決定に懐疑的である。
【16】 「ミサイル防衛については、陸上のイージス艦は必須だと思う」とショフ氏は話す。最近、北朝鮮がミサイル防衛を圧倒するような機動力のあるミサイルの発射実験を行ったことを見据え、「北朝鮮の威嚇のための安価なミサイルの発射をテーブルから外す」ことが重要だと考えている。
【17】 抑止力は依然としてアメリカの「核の傘」に依存しているが、「もし金正恩(朝鮮労働党総書記)が正気を失ったら、日本はアメリカが北朝鮮を消滅させる前に、できるだけ多くのミサイルを破壊したいと考えるだろう」とショフ氏は結論づけている。
【18】 また、MITのヘギンボッサム氏とサミュエルズ氏は、地対空ミサイルなどの弾道ミサイルや巡航ミサイルの防衛手段の拡大など、防衛システムを重視している。また、日本の空軍や海軍が初期攻撃を受けても生き残ることができる能力、つまりレジリエンスを強化することが優先されている。
【19】 基地の強化、航空機用のシェルターの建設、滑走路の修理能力の向上、空中給油タンカーの買い増し、海上での艦船の積み替え能力の向上、小型水上艦の増設、最先端の戦闘機と低価格の戦闘機の両方を追加する必要がある。
【】 「アクセス拒否」の重要性
【20】 このような自衛策と並んで、アメリカの専門家が重要視しているのが、「アクセス拒否」と呼ばれるものだ。実際には、日米にとっては、中国の海軍や空軍が日本近海に侵入して尖閣や琉球を脅かすのを防ぎ、ロシアの北日本への潜在的な侵略を阻止できることを意味する。これらのシステムは、台湾海峡を越えた攻撃を抑止する役割も果たしたが、筆者が話した専門家の中で、台湾を具体的に挙げた人はいなかった。
【21】 アメリカの防衛専門家は、敵の領土を攻撃する武器よりも、侵略してきた軍隊を沈めたり、撃ち落としたりすることが重要だと見ている。また、日本は海底の戦いの場を支配すべきだと主張しており、強大な潜水艦の艦隊を継続的に構築し、哨戒機などの対潜水艦戦能力を追加し、人間が乗らなくても活動できる無人の水中車両を開発すべきだとしている。
【22】 日本で開発された12型のような対艦ミサイルに多額の資金を投じることに賛成している。このミサイルには、地上からの発射距離を延ばすバージョンも含まれており、F-35戦闘機用に設計された空中発射型のジョイントストライクミサイルもある。
【23】 ヘリテージ財団のクリングナー氏は、日本の新しい水陸両用・迅速展開地上部隊(アメリカ海兵隊版)の拡大と、南西諸島防衛のための空路・海路での部隊移動能力を優先すべきだとしている。F-35の空母搭載版を装備した小型空母を増やし、それらの戦力を迅速に移動させるための船やヘリコプターにも資金を投入すべきだと考えている。
【24】 侵略してきた中国艦隊を攻撃するための長距離ミサイルのほかに、アメリカの防衛計画では、日本の防衛専門家が現在提唱しているような攻撃型の攻撃兵器の優先順位は高くない。
【25】 クリングナー氏は、12型やアメリカのトマホークといった長距離巡航ミサイルを、地上発射型の弾道ミサイルや極超音速ミサイルとともに調達リストに挙げているが、これらは防衛やアクセス拒否のニーズよりも低い位置に置かれている。
【26】 「長距離攻撃は有効だと思うが、最低限のレベルで十分だと思う」とショフ氏は語る。「使う必要がないのが理想だが、ある程度独立した能力を持ち、アメリカ軍と一緒に演習できることはいいことだろう」。
【】 「独自開発より、アメリカ製購入がベター」
【27】 日本がこの分野で努力することに反対する人もいる。ヴァン・ジャクソン氏は、こうした兵器システムは「実行不可能」で「ありえない」と考えている。というのも、長距離攻撃は、その使用に追従できる地上軍や水陸両用軍と組み合わせて初めて有効になるからだ。
【28】 しかし、多くは日本がハードの拡充を進めるだろうと考えており、しかも、航空機からミサイルのタイルまで独自の兵器システムを志向するだろうと見ている。アメリカの専門家は日本がこうした独自路線を追求することを理解しているが、日本が高くて効果の薄い兵器を作るよりも、アメリカ製を購入することを望んでいる。
【29】 日本が攻撃型攻撃能力や独自の武器を求める背景について、アメリカの防衛専門家の中には、日本がアメリカ軍の撤退を恐れ、アメリカに頼らずに日本を守る準備をしている兆候があると見る人もいる。一方、アメリカにとって日本は、アメリカの東アジア計画のための戦力増強装置であり、軍事力の代わりではなく、補完物である。
【30】 日本も、アメリカの安全保障がない世界に直面する準備ができていないというのが主な理由で同様の考えを持っている。しかし水面下には、いつの日かアメリカがそこにいなくなるのではないかという不安が埋もれており、それが今回の攻撃型攻撃の議論で露呈したのである。
【31】 「アメリカとの同盟関係を維持したまま、日本が1000億ドルもの防衛費を使うべきだとは思わない」とジャクソン氏は話す。「同盟破棄を回避する目的であれば、防衛予算を2倍にすることは理にかなっている。しかし、そうでなければ、実際に日本政府の安全性を高めることにはならないだろう」と付け加えた。
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複数の「専門家」に聞き、実名を出している点は、評価すべきだろう。
何しろ前述の朝日新聞に「通称アカ弾、ジフェニル何某に違いない。」と断定断言した「専門家」は、何処の誰とも書かれていなかった。このこととの対比は、特筆大書して良かろう。また、「ほぼ全員の回答が一致した」などの定性的且つ少人数ではあるが「統計的な分析」を(幾らかでも)実施している点も、評価すべきだろう。
その「実名を出している専門家」は、下掲の通り5名。
①ヴァン・ジャクソン氏 オバマ政権の元国防担当官 現ニュージーランド在住教師
②ジェームズ・ジョフ氏 オバマ政権の元国防担当官 現笹川平和団体USA職員
③ブルース・クリングナー氏 元情報機関高官 現保守派ヘリテージ財団上級研究員
④エリック・ヘギンボッサム氏 MITアジア安全保障研究者
⑤リチャード・サミュエルズ氏 MITアジア安全保障研究者
上記の内③ブルース・クリングナー氏は、別の産経記事にも登場した。「同姓同名の別人物」とか「東洋経済も産経新聞も共同使用している架空の人物」とか言う可能性も無視すべきではないが、「実際に実在する人物である」可能性は高そうだ。
上掲記事で東洋経済記者が「米国の専門家の意見」として「日本が増額した防衛費で買うべきモノ」として、大凡以下の指針を列挙し、強調している。
(1) 敵基地攻撃能力の否定ないし軽視
(2) 日本の「専守防衛」能力、特にイージスアショアの重視
(3) 米国開発兵器の推奨。及び日本国産開発兵器の軽視
但し、上掲記事で断片的に報じられている「各米国専門家の意見」は、必ずしも上掲(1)から(3)に「全面同意した」モノとは言い難いようだ。上記(1)「敵基地攻撃能力」にしても「最低限で良い」との意見が記載されており、この「最低限の敵基地攻撃能力」が「現行殆ど皆無に近い我が国の敵基地攻撃能力の拡充」を意味していることは先ず間違いない。また、上記(2)「”専守防衛”重視」と言うのも、「長く生存して、攻撃力を維持し、反撃を続けるための自己防衛」との記述があり、反撃力=攻撃力と対になっており、我が国でしばしば人口に膾炙する「専守防衛」とは「明らかに異なる」点にも注意すべきだろう。
「攻撃は最大の防御」というのは、必ずしも普遍的な真理ではないが、「攻撃せずに勝てる」様な戦争も、滅多に無いのである。
平たく言って上記指針(2)は「防衛重視」ではあっても、それは「一定の攻撃力=反撃力」が前提なのであり、「防衛だけしていれば良い」専守防衛とは、異なる。その意味で、上記指針(2)は「専守防衛重視」と言うよりは「防衛力重視」とすべきであり、同時に、「攻撃力も必要である」事を、上掲記事に登場する「米国の専門家」は、指摘している。
上記指針(3)「米国兵器推奨」は・・・「そりゃアメリカ人としては、そう言うだろうさ。」という所。「その方が、配備・運用までのコストは安く付く」と言うのは、まあ「嘘ではない」と言えそうだが、国産開発であれば我が国の技術力が上がり、その技術力は既存兵器のメンテナンスに役立つばかりではなく、その改良、発展型開発、更には次世代兵器の開発にも役に立つ。それは、「これから調達し配備する兵器のライフサイクルコスト」以外の「コスト削減効果」を持ちうる。
更には、そのメンテナンス能力や改修能力、生産能力、開発能力は、抑止力たり得る。これらの能力の向上は、独自開発ならぬライセンス生産では大して期待できないし、丸買いの輸入ではもっと期待できない。
これが「国産化しようとしたら、箸にも棒にもかからないシロモノになった」とか、「国産化と称しつつ、肝心の所が外国製」とか言う、某隣国のような「国産化」では、「やめておけ」となるが、我が国では左様な事例はトンと覚えが無い。私(ZERO)は、上記指針(3)「米国兵器推奨」には「真っ向から反対」を表明するぞ。
総じて上掲記事は、「アメリカ人(とは限らないが、外国人)記者が、アメリカの専門家にインタビューして書いた結果として、さもありなん」という記事である。且つ、そのインタビュー結果を「まとめた」日本の防衛政策として取るべきとした上記指針(1)~(3)には、「相応に、記者自身のフィルター(=偏見ないし、意見)が影響している」と言えそうだ。まあ、「記事を書く」以上、「記者の主観とは、無縁では居られない」のが基本ではあるが、な。
「外国人記者が、アメリカの専門家にインタビューして書いた記事」である以上、タイトルにした様に「アメリカでは・・・(=出羽守・でわのかみ)」になるのは、ある意味「理の当然」ではあるが、それはあくまでも「外国人の意見」であり、参考意見以上のモノでは無さそうだ。
特に、上記指針(3)「米国兵器推奨」には、諄いようだが、「全く賛同できない」のである。「安物買いの銭失い」とは言わないが、「目先の利益に騙されてはならない」と思うぞ。