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非核三原則の前提条件の一つは、「米国の対中国先制核使用」だぞ。-【東京社説】核の先制不使用 日本は米国の後押しを 【琉球新報社説】米の核先制不使用 日本は積極的に支持せよ
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【東京社説】核の先制不使用 日本は米国の後押しを
【東京社説】核の先制不使用 日本は米国の後押しを
核の先制不使用 日本は米国の後押しを
2021年11月8日 06時50分
バイデン米政権は新しい核戦略の指針である「核体制の見直し(NPR)」で、核兵器の先制不使用を打ち出すことを目指している。日本政府はこれを阻んではならない。
相手が核で攻撃してこない限り、こちらも核を使用しないというのが「核の先制不使用」である。核の役割を減らして核戦争のリスクを低めることを狙った政策だ。
バイデン大統領はかねて先制不使用の採用に前向きで、核保有の目的は相手の核攻撃抑止と報復に限定すべきだと唱えてきた。「使える核」の開発を進めて核依存を強めたトランプ前政権からの大きな転換である。
英紙フィナンシャル・タイムズによると、米政府はNPRの取りまとめに向けて、先制不使用政策の採用を日英仏などの同盟国に打診したが、否定的な反応が圧倒的だったという。
「核なき世界」を掲げたオバマ元大統領も二〇一六年に先制不使用を宣言しようとしたが、日本などから「同盟国を守る米国の決意について中国に誤ったメッセージを送ることになる」という反対に遭って断念した。
だが「核の役割低減」を主張してきた政府が先制不使用に反対するのは、矛盾している。岸田文雄首相は「核軍縮はライフワーク」と常々言ってきた。ならば先制不使用を目指すバイデン政権を後押しすべきだ。
この九月、広島や長崎の市民団体などが先制不使用に反対しないよう求める公開書簡を各党代表に送った。
米国からもペリー元国防長官や全米科学者連盟などが同趣旨の書簡を当時の菅義偉首相らに送り「核廃絶に向けた小さな、しかし重要な一歩を、核攻撃を受けた唯一の国の日本が阻止することになれば、悲劇的だ」と訴えた。
誤認や計器の誤作動によって核ミサイルが発射され、核戦争に発展する危険性は常にある。それに至らぬまでも、放射能漏れなどの核兵器事故は起きている。核は保有するだけでも危険なのだ。
核兵器を違法とし製造、保有、使用などを禁じる核兵器禁止条約が今年、発効した。政府はこれにも背を向けている。被爆国の責務を果たすべきだ。
【琉球新報社説】米の核先制不使用 日本は積極的に支持せよ
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1422677.html
2021年11月13日 05:00
社説
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米バイデン政権が来年初めにも策定される新たな核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」で先制不使用宣言に意欲を示していることに、日本政府が懸念を伝えた。核軍縮への小さな一歩にすぎない宣言だが、唯一の戦争被爆国である日本がなぜ反対するのか。岸田文雄首相は積極的に支持を表明すべきだ。
オバマ政権も2016年に広島訪問を機に宣言を検討したが、日本やNATO諸国の反対で断念している。日本を説得するのが難しいと判断したことが大きな理由だったと、後に明らかになった。
オバマ政権の副大統領だったバイデン氏は、大統領就任前に、核保有の目的を核攻撃抑止と報復に限るべきだと述べていた。先には核兵器を使わない、核兵器保有の唯一の目的は米国・米軍・同盟国に対する核攻撃を抑止し必要なら報復することにあると宣言することで、核戦争のリスクを減らそうというのである。
今年8月、ペリー元米国防長官ら米国の元高官、核問題専門家と科学者らの団体が、バイデン政権の先制不使用宣言に反対しないよう要請する公開書簡を日本の政党党首らに送った。宣言は同盟国に対する核攻撃の抑止に影響しないと指摘し、廃絶に向けた一歩である宣言を被爆国の日本が阻止することになれば「悲劇的だ」と強調した。
しかし、日本政府は、核兵器以外の攻撃を抑止するためにも米国の核による報復の脅しが必要という立場を変えていないのであろう。日本を攻撃したいと考える国にとっては、核兵器を使わない限り米国から核で報復される恐れがないので、攻撃に踏み切りやすくなるというのだ。核兵器以外の報復は恐れないというのもおかしいが、被爆国日本が核兵器を威嚇に使うことは、まさに「悲劇」である。
そもそも、同盟国への攻撃に核で報復するという「拡大核抑止(核の傘)」が本当に機能するのかという批判もある。核兵器を使えば米国も核報復を受ける。全ての核攻撃を迎撃・阻止することは困難だと指摘されてきた。米国は、同盟国を守るために自国民を核報復の犠牲にする可能性が高いのである。「拡大核抑止」は矛盾に満ちている。
4月に国会で当時の茂木敏充外相が核先制不使用宣言について「全ての核兵器国が検証が可能な形で同時に行わなければ実際には機能しない」と答弁している。そうなら、米国の宣言を支持した上で各国に先制不使用宣言を求めていくべきではないのか。日本政府はかねてから核廃絶に向けて保有国と非保有国の「橋渡し役」をすると表明してきた。その第一歩だ。
核兵器禁止条約もすぐ批准すべきだ。そして北東アジア非核地帯構想を進める方が、敵基地攻撃能力を論じるよりも日本の安全につながる。
核戦争の惨禍をよく知る広島選出の首相だからこそ、今、決断をすべきである。
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それは、「非核三原則の前提を否定している」のだが、覚悟は良いかね?
なぁにしろ、「非核三原則」と来た日には、法律でも無ければ閣議決定でも無く、況んや憲法なんぞではない。タダの「従来の、安全保障上の一つの方針」でしかない。であるというのに、独り歩きしまり/させまくりで、「日本の国是」とか抜かす輩は掃いて捨てる程ある/居る。のため、その「非核三原則の前提条件」は「忘却の彼方」に要ってしまっている様だが、その一つが「万一の場合に米国が対中国先制核攻撃(の可能性を残す)」だったのだぞ。
それぐらい(米国の対中国先制核攻撃)のことが無ければ、ウカウカと「非核三原則」なぁんて表明できなかったんだ。
中国の軍事力、特に核戦力は、「我が国が非核三原則を打ち出した当時」より遙かに増強されているから、現状では米国と雖もそうおいそれと「先制核攻撃」をかける訳には行かなくなっている。なればこその「米国の先制核不使用」検討なのであろうが、それは、「我が国の従来の安全保障方針である非核三原則の、前提が崩れる/崩れた」と言うことである。
それ即ち、普通に考えれば、「我が国は、非核三原則を、その破棄を含めて見直しを強いられる」と言うことであり、「我が国は、独自核武装を含めた検討を行う必要がある」と言うことでもある。
無論、「我が国独自の核武装」ってのは、従来方針である「非核三原則」に真っ向から対立するモノではあるが、少なくとも私(ZERO)は「非核三原則は国是」なんて思っていない(*1)から、「前提が崩れての方針変更なのだから、従来の非核三原則を真っ向から否定する我が国独自核武装という選択肢は、あって当然。無いのは不自然だ。」と、断言してしまうぞ。
逆に言えば、非核三原則とは「我が国の安全保障上の従来の方針でしか無い」のであるから、「安全保障上の方針変更」だけで、破棄できるものである。
話が大部横道にそれたが・・・・上掲社説で東京新聞も琉球新報も、無邪気にと言うか脳天気にと言うか、「米国の先制核不使用宣言を、日本は支援しろ」と主張している訳だが、其奴が「非核三原則の前提の否定」であり、それが実現したならば、我が国は独自核武装を含む「非核三原則の見直し」を余儀なくされることを、覚えておき、覚悟した方が、良いぞ。
- <注記>
- (*1) それどころか、「我が国には、国是と定めたモノは、無い。」と思っている。「国是を定める」には、少なくとも閣議決定。普通に考えれば「国是と定める」と言う国会決議が必要だと思うが、「国是を定めた」閣議決定も国会決議も無いのだから、我が国に「しかと定めた国是」なぞ、在りようが無かろう。