-
アカと言うより、バカだな。ー【週刊朝日】「KIK連合」で安倍政治終結なるか 古賀茂明
昔。僅かばかり・・・と言うと些か語弊がありそうだが(*1)、その昔。「インテリ(*2)は左翼」が「常識」だったそうだ。それも「社会主義者」であるのは「ギリギリ最低限のライン」で、「共産主義者は、道徳的に優れている」とされ、「左であれば左である程、優れていて、偉い」とされた、そうだ。「お前は、俺より左だ!」ってのが「褒め言葉」とされた時代・・・だった、そうな。
私(ZERO)の様な「殆ど生まれながらの右翼」にとっては、つくづくイヤな時代で、そんな時代を「伝聞でしか知らない」と言うのは実に幸いなことだ.本来、善悪正邪や真善美なんてのは恣意的基準であり、特定の思想や宗教、政治信条なんぞと直結出来る訳が無い。ま、直結したがる輩は掃いて捨てる程あるがな。
そんな埒もないことを想起したのは、下掲の週刊朝日記事を読んだから、だ。
- <注記>
- (*1) 大凡、20世紀初頭から大東亜戦争後しばらくの間。ザックリ20世紀の前3分の2ぐらい、かなぁ。
- (*2) インテリゲンチャの略で知識階級・知識人のことだが・・・死語かもな。「有識者」よりは数が多く、学歴で言うと国立大卒以上、と言うところか。
【週刊朝日】「KIK連合」で安倍政治終結なるか 古賀茂明
【週刊朝日】「KIK連合」で安倍政治終結なるか 古賀茂明
https://dot.asahi.com/wa/2021091100020.html
政官財の罪と罰
古賀茂明
2021/09/14 07:00
脱原発と再生可能エネルギー最優先の担い手河野太郎行政改革担当相と原子力ムラとの闘い(先週号参照)が、総裁選の重大テーマになってきた。しかも、この闘いは、自民党の派閥利権政治、とりわけ、「安倍政治」を葬り去る最終戦争になる可能性がある。何故か?
原子力ムラの大ボス安倍晋三前総理は、党内第一派閥・細田派の事実上のトップ。その盟友の麻生太郎副総理も原発推進派。麻生派の子分・河野氏の出馬阻止に躍起となっている。脱原発という政策論とともに、河野氏が総理になれば、世代交代が進み、80歳の麻生氏は過去の人になるという事情があるからだ。そこで、自分たちの言うことを聞く岸田文雄前政調会長を推すことになる。
原発利権のもう一人の大ボスで麻生派重鎮の甘利明税調会長は72歳。安倍氏の最側近で、麻生派の後継者として総理を狙うつもりだった。収賄疑惑で致命傷を負ったが、今も復権のチャンスを狙う。「世代交代」など論外だ。読売新聞によれば、菅総理がワクチンの迷走で叩かれて辞めるのに、ワクチン担当相の河野氏の評価が上がるのはおかしいと、公然と派閥の仲間の河野氏を叩いている。
一方、麻生、甘利と連携する安倍氏の動きは少し複雑だ。表面上は高市早苗前総務相支持だが、それは、彼女が政治思想も政策も安倍氏の分身と言っても良いほどで、選挙戦では、安倍氏の宣伝マシンとなるという利点があるからだ。しかし、高市氏支持は第1回投票までの話だ。
安倍氏が怖れるのは、河野人気が沸騰し、河野氏がいきなり過半数を制して当選することだ。そこで高市氏を出して河野票を奪い、河野氏の過半数を阻止する。その場合は、国会議員と全国の都道府県連だけの決選投票になるが、1、2位が河野、岸田氏なら、細田(96名)、麻生(53名)、両派の大部分と岸田(46名)派が協力すれば、議員数では圧倒的に有利で岸田氏勝利となる。つまり、表の高市氏支持の裏で、自分の意のままに動く岸田氏を推しているのだ。岸田氏が森友学園問題について、再調査は考えていないと言い切り、安倍氏に媚びたことで、この構図が暴露された。
ところで、もう一人の有力候補の石破茂元幹事長はどうか。石破氏は、脱原発派でも利権破壊派でもないが、安倍前総理の政治姿勢を真っ向から批判し、昨年の総裁選では森友学園問題について再調査に言及した。「モリ・カケ・サクラ」にうんざりし、「安倍政治」の終結を望む国民世論をバックに人気は高い。仮に、石破氏と河野氏が連携すれば、総裁選の戦いには、「安倍政治の終結」というテーマが加わる。
日本を救うには、脱原発や再エネ振興策を進め、自民党の長老支配の利権派閥政治に別れを告げること、そして、私益のために国政を食い物にする「安倍政治」を終結することが必須だ。
安倍、麻生、甘利氏による3A連合は、最後は岸田氏支持に回るはずだ。その時、河野・石破、さらに小泉進次郎環境相の三者によるKIK連合ができれば、国民は熱狂し、河野氏勝利となる。その結果は、利権破壊・世代交代、そして「安倍政治」終結である。ただし、河野氏が森友問題の再調査と脱原発を明言することが条件だ。河野氏には迷わず、この最終戦争に突入してもらいたい。
※週刊朝日 2021年9月24日号
-
「モリカケ桜追求」と「脱原発」がワンセットなんだ。ある意味、納得だな。
上掲記事で古賀氏が縷々説明している「自民党党首選挙の舞台裏」の真偽の程は、私(ZERO)は知らない。殆ど論証も証拠立ても行われない断定ばかりなので、随分と疑わしいが。例えば、「安倍元首相の高市早苗さん支持は”第一回投票まで”であり、決選投票では裏切るだろう(*1)。」なんて古賀氏の予想の、論拠も真偽も不明だ。
「モリカケ桜追求と脱原発を掲げれば、国民の圧倒的支持が得られる」ってのも、全く論拠不明だ。このロジックが正しいならば、先日からそれらを「公約」として発表している立憲民主党の支持率は、跳ね上がる筈、であろう。
勿論、「国民の圧倒的支持が得られる」と「自民党党首になれる」ってのは、少なくとも論理の飛躍である。自民党党首選に投票出来るのは自民党員ばかりな上、自民党議員の1票が圧倒的に重い(*2)。自民党議員も自民党員も当然ながら国民である(*3)から、この主張は「誤りとは言えない」が、論理的飛躍ではあろう。
それよりも何よりも、上掲記事を読んで強く感じたのは、以下の2点だ。
① 古賀氏は、政治家を「原発推進派」と「脱原発派」に二分している。
② 古賀氏の中では、「脱原発」と「モリカケ桜追求」はワンセットである。
尚且つ、上記②の二点セット「脱原発」&「モリカケ桜追求」を「日本国民は圧倒的に支持する」と、古賀氏は確信している、らしい。
言うもサラなりであろうが、古賀氏は元高級官僚で、あるところで官僚を辞めて「反アベ芸人」に転向した人。一発芸は、「I am not Abe.」と言う、私(ZERO)に言わせれば面白くも何ともないギャグ(*4)だが、「反アベ」であることも含めて、アカ=左翼であることは、先ず間違いなかろう。
で、その左翼=アカたる古賀氏が、上記①の通り「脱原発」を政治家の踏み絵として判断し、上記②の通り「脱原発」と「モリカケ桜追求」を二点セットと考え、更にはその二点セットが「国民の圧倒的支持を得る」条件だと考えて居る・・・立憲民主党の現実を考えると、「必要条件であって、十分条件ではない」と、考えざるを得ない、筈だが。(そもそも、「日本国民の圧倒的支持なんて得ない」という可能性は、古賀氏は考えない、らしい。)
で、率直な感想。「バカじゃ無かろうか」。本稿タイトルを「アカと言うよりバカだな。」とし、冒頭に「“インテリは左翼”が常識とされた時代」を想起したのは、この「率直な感想」のため、だ。
「モリカケ桜追求」については、言うまでもあるまい。ここ数年(もう、4,5年になるか)野党の大半とマスコミの左半分が「その総力を挙げて」と言って良いぐらいに(特に野党の方は、「他に何かやってたっけ」状態)「追求」し続けた挙げ句、犯罪事象は何一つ立証実証されないまま、「森友文書改竄事件」を惹起し、赤木さんを自殺へと追いやった、だけの「出来損ないスキャンダルの山」。その「山」には、森友問題、加計学園問題から始まって、スパコン疑惑、桜を見る会問題、桜を見る会前夜祭問題、と続き、比較的新しいのが(管政権時代になるが)学術会議問題だろう。「疑惑」と言えば聞こえは(未だ)良かろうが、「何一つ立証されないスキャンダル」であり、この内「加計学園問題」「桜を見る会問題」「学術会議問題」に至っては、「仮に疑惑の通りだとしても、犯罪として成立しそうに無い」程だ。
だから、「モリカケ桜追求」なんて「馬鹿らしくて仕方が無い」んだが・・・これは私(ZERO)の意見だ。違う意見の人もあろうし、上掲古賀氏の説に大いに同意するって人も、そりゃあるだろうさ。
私(ZERO)が古賀氏を「バカじゃ無かろうか」と感じたのは、一つには「モリカケ桜追求が、国民の圧倒的支持を得る」と考えて居るらしいから。アンケート調査をやると「モリカケ桜等問題は、まだ終わっていない」とか言う回答が多いから、左様に信じ込んでいるのかも知れないな。私(ZERO)に言わせれば「問題として始まってすら居ない」のだが。
「(古賀氏が)信じ込んでいる」としたのは、左様なアンケート調査結果にもかかわらず、「モリカケ桜追求が、国民の圧倒的支持を得る」とはトテモシンジラレナイから。更に言えば、「モリカケ桜追求が、国民の圧倒的支持を得る」様では、「我が国の民主主義体制は(矢っ張り)ダメかも知れない。」と、考え始めるけどな。
他方、脱原発と左翼の親和性ってのは、以前の私には謎だった。エネルギー政策の一選択肢にしか過ぎない(而して、電力の安定供給と言う点ではろくでもないから低い評価しか付けられない選択肢である)「脱原発」を、左翼共が挙って声高に主張し、「原発推進、ないし容認」って左翼は皆無と言って良さそうな状態は、ある種の「奇観」だった。
「日本が脱原発したら、日本が核武装する可能性は極めて低くなる。」と気付いて、中国や北朝鮮や露西亜にとって誠に好都合な左様な状態を「左翼が推奨し、推進するのは、理の当然。」と思い至り、漸く得心が行った、ものである。
ではあるが、上掲記事や上記②の通り、古賀氏が「脱原発」と「モリカケ桜追求」を1セットにしてしまっているのを見ると、この「得心」も些か揺らぐ。「反アベ」ってのが「日本の核武装阻止」という点で通底している、と思えなくも無いのだが・・・余りにも抱き合わせの片割れ「モリカケ桜追求」のレベルが低過ぎる。この二つの組み合わせは「違和感を感じる」では済まない。
だが・・・些か邪推を巡らし、その「余りに低レベルな”モリカケ桜追求”と組み合わせることで、”脱原発”に隠した意図“日本核武装阻止”を、隠蔽した。」と考えると、『「脱原発」と「モリカケ桜追求」でワンセット』というのも、随分と納得がいくな。早い話、欺瞞/偽装だ。
とは言え、左様な欺瞞で隠し果せるのは、「脱原発による日本核武装阻止という意図』ばかりであり、『「脱原発」と「モリカケ桜追求」でワンセットであることの間抜けさ、異様さ』は、隠しようも無いぞ。
まあ、「国民の圧倒的支持が得られる」気らしいから、隠す気も無いのだろうが、左様かどうかは『「脱原発」と「モリカケ桜追求」を公約として打ち出した」立憲民主党の支持率推移を見ていれば、自ずと明らかになろうさ。
たーのしみー。
I Love the JOB! なーんて、楽しい仕事だ!