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「死者に鞭打つ」とは、この事だな。-【時事】A級戦犯の遺骨「太平洋に散布」-米公文書を発見
歴史を紐解くと、大陸や世界では「死者に鞭打つ」ってのが結構頻繁に、平気の平左で実施されている。墓を暴いて遺骨を晒す、砕く、禽獣に喰わせる等して「死者(と、その子孫)の名誉を死後も貶める」ってのが、案外なくらいにあるのだ。
だが、我が国では、「死んでしまえば仏様」という言葉(*1)に端的に顕れる通り、「死者の罪は問わない」のが基本的なマインドであり、「死者に鞭打つ」ってのは「極悪非道な人倫に悖る非道」・・・と明快明白に意識化することは少なそうだが、相当部分無意識的に「嫌われる」。「イヤな感じ」とか「気持ち悪い」とか、言われそうな所業だ。
であるならば、戦後80年近くも経て「どうやら公式に確認されたらしい」下掲記事の「A級戦犯遺骨の太平洋散布」ってのは、GHQの所業であるから当たり前であるが、相当に「非日本的・反日的である」と言うべきだろうな。
- <注記>
- (*1) 「出典は何だ?」と問われるならば、落語の「らくだ」を挙げようか。暴れん坊で乱暴者で嫌われ者の「馬」と呼ばれた男の急死に対し、通りすがりの屑屋が漏らしたセリフだ。他にも随所に、ありそうではあるが。
【時事】A級戦犯の遺骨「太平洋に散布」-米公文書を発見
A級戦犯の遺骨「太平洋に散布」=米公文書を発見
2021/06/09 17:56
東条英機元首相c 時事通信 提供 東条英機元首相
極東軍事裁判でA級戦犯とされ死刑が執行された東条英機元首相ら7人について、遺骨を太平洋に散布したと記した米軍の公文書が発見されていたことが、9日までに分かった。A級戦犯の遺骨が散布された可能性を示す記録はこれまでにも見つかっていたが、公文書で詳細が明らかになったのは初めて。
発見されたのは米軍の報告書2通で、秘密指定の解除後、米公文書館で保管されていた。日本大の高沢弘明専任講師が2018年3月、日本の戦犯に関する調査の過程で入手した。
死刑が執行された1948年12月23日付の報告書には、7人の氏名と共に、散骨を行ったことが短く記載されていた。49年1月4日付のもう1通では、執行から散骨までの経緯が時系列で説明されている。いずれも、現場の責任者だったとみられる米第8軍のルーサー・フライアーソン少佐が執筆した。
報告書によると、死刑執行の当日、少佐らは7人の遺体を巣鴨拘置所から横浜の火葬場に護送。遺骨は骨つぼに入れて第8軍の飛行場に搬送し、「連絡機」と呼ばれる航空機に積んだ。
連絡機には少佐と操縦士が乗り、「横浜の東の太平洋上空約30マイルの地点に進み、GHQ(連合国軍総司令部)の書簡に従って遺骨を広範囲に散布した」という。
高沢氏によると、GHQは死刑執行前に遺骨の散布を求める文書を出していた。報告書には、遺骨を遺族らに返還せず散布した理由は記されていなかった。
高沢氏は「これまで伝聞でしか情報がなかったことが公文書で判明した。執筆者本人のサインもあり、信ぴょう性は高い」と話している。
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なるほど、A級戦犯各位の遺骨は太平洋に散布され、物理的には形として残っていないだろう。
物理的には、「A級戦犯」の痕跡は、GHQの目論み通りに「完全に消された」と言い得そうではある。
左様、物理的には、物質的には、な。
だが、霊的には、どうかね。
「霊的」ってのは非常に(ないし完全に)恣意的基準であり、後に残された我ら日本人の末裔・子孫が「どう考えるか」という内面に依存している。早い話が「気の持ちよう」であり、「気は心」というヤツだ。
上掲記事にある通り、「A級戦犯遺骨は太平洋に散布された」のであるならば、確かにその遺骨を仏舎利(*1)のように崇め奉ることは出来まい。だが、山岡荘八は「小説太平洋戦争」に於いて、「密かに持ち出されたA級戦犯遺骨が、愛知県三ヶ根山に葬られている」との説を打ち出しているし、その縁でか三ヶ根山には大東亜戦争ゆかりの墓所や石碑が今でもある。これ即ち、「A級戦犯遺骨の三ヶ根山埋葬説」が一定の支持(と、或程度の信仰)を得ていた証左であろう。
而して、上掲記事にある通り「三ヶ根山埋葬説」は誤りで「太平洋散布説」が正しいとしても・・・そこは前述の通り、霊的には「気の持ちよう」であろう。
私(ZERO)には、純然たる日本人である(事は間違いない(*2))私(ZERO)としては、太平洋に遺骨散布された「A級戦犯」の方々が(物理的に、と同様に)雲散霧消し消え去った、とは考えにくい。その魂魄はなおこの地に留まり、我が国を見守り、守護されている、と思えてならないぞ。
「A級戦犯」として刑死された方々は、「死して、護国の鬼となられた」とな。
その守護に甘えること無く、その注視に恥じることの無いよう、あらねばならない。そう思うぞ。
- <注記>
- (*1) 「仏陀の遺骨」とされる信仰の対象だが、先ず間違いなくその大半(ひょっとすると全部)は偽物だ。
- (*2) だからといって、「代表的日本人である」と主張する気は無い。