対独融和が第2次大戦を惹起した史実を知らないか。ー【朝日社説】米の対中政策 力の対決では道開けぬ 他
大体、神ならぬ身の人が織りなすこの世界で、「絶対」なんて事は、「絶対善」だろうが「絶対悪」だろうが、滅多にあるモノでは無い。「悪を為そうとして善を為し、善を為そうとして悪を為す。それが、人と言うモノじゃよ。」とは、小説「剣客商売」の主人公・秋山小兵衛の決め科白だ。
下掲社説を為すアカ新聞どもは、秋山小兵衛の爪のアカでも煎じて飲むが宜しかろうに。
【朝日社説】米の対中政策 力の対決では道開けぬ
米の対中政策 力の対決では道開けぬ
https://www.asahi.com/articles/DA3S14565003.html?iref=pc_rensai_long_16_article
2020年7月28日 5時00分
20世紀来の覇権大国である米国と、新興国・中国との対立が深まってきた。世界は再び冷戦期のような陣営に二分されるのか、懸念が高まっている。
ポンペオ米国務長官は先日の演説で、抜本的な政策の転換を唱えた。中国は豊かになれば、自由で友好的になる、と期待した歴代政権の関与政策は「失敗に終わった」と断じた。
総領事館の閉鎖、南シナ海での軍事力の誇示、高速通信規格をめぐる中国企業の排除……。最近のつばぜり合いは、外交、軍事、経済の各分野に広がる。
世界史で繰り返されてきた新旧勢力の衝突に向かうのか。国際社会の深い憂慮を、両国の指導者は真剣に考えるべきだ。
問題は主に、専制色を強める中国共産党政権にあるのは確かだ。新疆やチベットで少数民族の人権が抑圧され、香港の自由は奪われ、南シナ海での軍事拠点化が続いている。
既存の秩序に挑むような中国の行動を看過せず、法の支配と人権尊重を求めるのは当然だ。中国をどうすれば平和共存の道に導けるのか。その難題は今後も続くだろうが、少なくとも、かつての冷戦型の思考では答えを見いだせない。
米ソの東西両陣営が交わりを断って対峙(たいじ)した当時と違い、今の米中は深い相互依存の関係にある。08年のリーマン・ショックのように、国際的な経済危機を米中が協調で乗り切った蓄積もある。
なのにトランプ政権は、場当たり的な取引と、対決の演出の間で揺れ動くばかりだ。歴代の関与政策の功罪両面を踏まえ、めざすべき米中関係とは何かを描く姿勢が欠けている。
ポンペオ氏は演説で「新たな民主主義国家の同盟」づくりを示唆した。価値観を共有する国々で結束して中国に向き合うのは必要な手立てだろう。
ただ、その呼びかけに実効性を持たせたいならば、米国自身が国内外で民主主義の価値を体現せねばなるまい。
貿易や核軍縮、地球温暖化問題などでの自国第一主義を改め、国際協調の枠組みに立ち戻る。それがないままでは中国への要求も説得力を持てない。
ほとんどの国にとって、米国か中国かの陣営の選択は不可能な話だ。グローバル化した世界の安全保障と経済を考えれば、もはや力による対決は非現実的であり、協調による共存が望ましいのは自明のことだ。
【毎日社説】激化する米中対立 新冷戦にしてはならない
激化する米中対立 新冷戦にしてはならない
https://mainichi.jp/articles/20200729/ddm/005/070/108000c
毎日新聞2020年7月29日 東京朝刊
米国と中国の対立が激しさを増している。
米国は南部テキサス州ヒューストンの中国総領事館を「スパイ活動と知的財産窃取の拠点」になっていると主張して閉鎖した。
対抗措置として中国は四川省成都の米国総領事館を閉鎖した。「米国の理不尽なふるまい」を理由にしている。
自国民の保護や地域交流の拠点となる在外公館の閉鎖は、外交の断絶にもつながる異例の判断だ。
軍事面でも緊張は高まっている。米軍は南シナ海に空母2隻を派遣して演習を行った。中国も対抗して訓練を実施している。
米大統領選での劣勢が伝えられる中、中国批判を強めることで支持固めを図ろうとするトランプ大統領の思惑もあろう。
しかし、最近の米政権幹部の言動は選挙対策の域を超え、中国への敵意すら感じさせる。とくに標的にしているのが中国共産党だ。
ポンペオ国務長官は演説で「我々が共産主義の中国を変えなければ、中国が我々を変える」と警戒感を示し、「民主主義国家の新たな同盟」を構築すると訴えた。
敵対国に悪のレッテルを貼り、同盟国とともに封じ込めを狙うのは、東西冷戦時にソ連に対してとった米国の戦略だ。それを想起させる思惑が演説からは透けて見える。だが、現実的だろうか。
世界を2陣営に分かち、軍事力を結集し、経済をブロック化して、どちらかが疲弊して倒れるまで戦う。それはどの国の利益にもならないだろう。米中対立を「新冷戦」に発展させてはならない。
中国による南シナ海の軍事化や香港民主派への威圧は、国際社会のルールや自由・人権の規範に反し、民主的な国際秩序を脅かしている。とはいえ国家体制の転換を迫る米側の発言は乱暴に過ぎる。
米中が対立激化を制御できなければ、偶発的な衝突も起こり得る。そうなれば世界に与える影響は計り知れない。ともに大国としての責任を自覚すべきだ。
米中は長い競争の時代にある。両国にとって肝要なのは、協調の余地をなくさないことだろう。
対話の枠組みを再建し、共通の利害を話し合い、困難な課題を管理する。こうした取り組みなしに互いの信頼回復は望めない。
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【東京社説】米中の対立激化 世界の安定化へ自制を
- 米中の対立激化 世界の安定化へ自制を
- https://www.tokyo-np.co.jp/article/45819?rct=editorial
- 2020年7月30日 07時50分
- 米中両国が互いに総領事館を閉鎖し合うまで対立が先鋭化した。一九七九年の国交正常化以来、関係は最悪である。国際社会の安定に両大国の協調は欠かせない。双方に自制を求める。
- 米中和解の立役者ゆかりのニクソン大統領図書館(カリフォルニア州)を、ポンペオ国務長官が対中政策の演説の舞台に選んだところに、国交正常化以来続けてきた関与政策との決別を印象付けたい思惑が見てとれた。
- 関与政策には、中国の改革開放路線を後押しすることで民主化を促す狙いがあるが、ポンペオ氏は「失敗だった」と断じ「これ以上関与政策を続けてはならないし、戻ってもならない」と述べた。
- そのうえで「自由世界が共産主義の中国を変えなければ、中国がわれわれを変えるだろう」と指摘し、中国に対抗するため自由主義諸国の新たな同盟を構築する必要性を訴えた。
- 関与政策に代わる強硬路線は、トランプ大統領の再選戦略と絡み合っている。それだけに危うい。
- コロナ対策の不手際で支持率低下にあえぐトランプ氏は、外敵をつくることで国民の不満の矛先をかわそうとしているのだろう。選挙情勢次第では一層の強硬姿勢に傾斜しかねない。そうなれば米中対立は歯止めを失う。
- 中国が権益を主張する南シナ海では、両国が相次いで軍事演習を行って緊張が増している。偶発的な軍事衝突が起きる懸念はぬぐえない。
- 通商に始まりハイテク、宇宙探査、香港問題などあらゆる領域で繰り広げられる米中の覇権争いは「新冷戦」とまで呼ばれる。この戦いは長く続くだろう。
- ただ、衝動的なトランプ氏に確たる対中戦略があるようには見えない。目先の利益にとらわれて同盟関係や多国間協力を軽視してきたのはトランプ氏だ。ポンペオ氏から自由主義陣営の結束を求められても戸惑うばかりだ。
- もちろん、中国が国際社会で責任ある行動をとるよう、各国が足並みそろえて促していくことは必要である。それでも日本をはじめ大半の国が中国との相互依存関係を深めている。米中のどちらかを選べと迫られてもどだい無理な話だ。
- 一方、最近の中国は覇権主義的な振る舞いが目立ち、いたずらに摩擦を起こしている。豊かになったとはいえ国全体の経済かさ上げには、安定した対米関係が不可欠であることを認識すべきだ。
「力の対決」が冷戦勝利をもたらしたんじゃぁないか。「道は開けた」ろうが。
言い換えれば、第2次大戦は、「ナチスドイツが全て悪い」などとは到底言えず、少なからず「ラインラント進駐を傍観した英仏等の責任」なのである。
つまりは、「力の対決」とは、みだりに忌避し回避し逃避すべきモノでは無い。必要ないし有益な「力の対決」は、寧ろ積極的に持ち込むべき状態であり、「拱手傍観する"平和主義"」が単なる「事なかれ主義」となり、逆説的だが「戦争を誘引することがある」と言う史実・事実を直視すべきなのである。
ま、アカ新聞の毎日、朝日、東京新聞等に、言ったところで詮無いが、な。
先行する幾つかの記事で述べた通り。アカ新聞どもは「狂信的平和主義=一種のキチガイ」とか「平和ボケ」とか言う「善意の加害者」では無く、利敵主義の売国奴、平たく言えば「敵国の工作員」と考えた方が、合点のいく点が数多あるから、な。