朝日の「有識者」にご用心ー【朝日社説】無理に無理を重ねる愚 プラス1
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「有識者」とは「専門家」よりも更に曖昧で多分に恣意的な「肩書き」であるから、注意が必要だが、下掲朝日社説の言う「有識者」ってのは、多分にミスリード、と言うか、かなり悪質な「印象操作」ではなかろうか。
①【朝日社説】無理に無理を重ねる愚
辺野古問題 無理に無理を重ねる愚
2020年3月31日 5時00分ものごとの本質に目を向けず、細かな法律論を繰り広げた末に、一般社会の常識からかけ離れた結論を導きだした。そう言わざるを得ない判決だ。沖縄・辺野古の埋め立てをめぐる県と国の訴訟で、最高裁は26日、県側の主張を退けた。
海底の軟弱地盤の発覚などを理由に、県が埋め立ての承認を撤回したのに対し、防衛当局がこれを取り消すよう国土交通相に請求。期待どおりの裁決をもらって工事を強行したため、県が裁判に訴えていた。同じ内閣を構成する「身内」が裁決して便宜を図る異様さ。そしてその際に使ったのが、本来、行政機関から不当な処分を受けた国民を救済するために設けられている行政不服審査制度だというおかしさ――。だが最高裁は、埋め立て法の条文に照らすと国の機関も一般私人(国民)も立場に違いはないと判断して、国側の脱法的な行為を追認してしまった。木を見て森を見ないとはこのことだ。結果として沖縄の声を封殺した判決を、玉城デニー知事が「地方自治の理念に反し、将来の国と地方公共団体のあり方に禍根を残す」と厳しく批判したのはもっともである。ただし今回の裁判で争われたのは手続きの当否で、埋め立て行為そのものに、司法がゴーサインを出したわけではない。政府は軟弱地盤対策のための設計変更を近く申請する方針だが、県は認めない構えだ。辺野古ノーの民意が繰り返し示されているのに加え、3年以上かけて7万本余の杭を海底に打ち込むという工事が環境に与える影響は甚大で、到底受け入れられるものではないからだ。にもかかわらず政府は、負荷を小さく見せることに腐心し、「環境影響評価(アセスメント)をやり直す必要はない」と言ってきた。最高裁判決の1週間前、辺野古の住民らが別途起こした裁判で、那覇地裁は請求は退けたものの、「埋め立てに際しては、改めて環境影響評価が実施されるべきことが考慮されなければならない」と述べている。当たり前の話だ。社説で繰り返し指摘してきたように、米軍普天間飛行場の辺野古への移設は完全に行きづまっている。政府は辺野古に固執するのをやめ、普天間の危険性の早期除去にこそ力を尽くすことが求められる(*1)。最高裁判決と同じ26日、沖縄県が設けた有識者会議は米軍の戦略構想も踏まえ、海兵隊を本土などに分散配置することが安全保障上も合理的と提言した(*2)。政府試算でも1兆円近い巨費を投じ、軟弱地盤を「改良」して基地を造ることが理にかなうか。答えは誰の目にも明白だ。
-
<注記>
- (*1) この文章を読んだ時、思わず吹いた。
- 普天間基地を辺野古へ移設すれば、普天間基地の危険性は除去できる。辺野古へサッサと移転すれば、普天間基地の危険性は早期に除去できる。であるというのに、なぁに「辺野古移設」と「普天間基地の危険性除去」を「相反するモノ」かの如く書いてやぁがるンだ?
- 早期に実現するはずの普天間基地辺野古移設を、「最低でも県外」なんて「民主党党首としての勝手な口約束」で「問題化」させたのは、他ならぬ朝日&沖縄二紙大好きの、鳩山由紀夫であろうが。
- (*2) 敵前から兵を引くのが「有識者の提言」とは、お笑いぐさだ。ラインラント進駐を忘れたのか、知らないのか。あの時英仏がラインラントに出兵していれば、第2次大戦は生起しなかったろうさ。
普天間基地異説で最優先なのは、安全保障である。地域住民の意向なぞ、安全保障の前では、些事だ。
「物事の本質」というならば「普天間基地移設問題」の本質は「普天間に駐留する米軍部隊をどこへ配置するか?」という問題であり、「兵力の配分」の問題である。
で、「普天間基地移設問題」を「兵力の配分」と捉え、「安全保障の観点から、を含む有識者の提言」が・・・
①1> 沖縄県が設けた有識者会議は米軍の戦略構想も踏まえ、
①2> 海兵隊を本土などに分散配置することが安全上も合理的と提言した。
①2> 海兵隊を本土などに分散配置することが安全上も合理的と提言した。
と言うのだから、「首をかしげる」では済まない。「一体、何処のどいつらだ、その“有識者”ってぇのは?」と思ったら・・・
②【東京社説】沖縄海兵分散 理にかなった提言だ
沖縄海兵隊分散 理にかなった提言だ
2020年3月27日
沖縄に駐留する米海兵隊は本土やアジア太平洋地域に分散を-。沖縄県が設けた専門家会議の提言は、極めて合理的な内容だ。日米両政府は真摯(しんし)に耳を傾け、辺野古新基地建設を断念すべきだ。玉城デニー知事にきのう、提言書を渡したのは、大学教授や元官僚で構成する「米軍基地問題に関する万国津梁(しんりょう)会議」。玉城氏の公約に基づき昨年五月から、沖縄に集中する米軍基地の整理縮小について検討してきた。提言の柱は、基地負担の象徴となっている海兵隊の分散移転だ。沖縄には、米インド太平洋軍の前方展開兵力である第三海兵遠征軍の司令部があり、有事即応の機動部隊、第三一海兵遠征部隊(31MEU)をはじめ遠征軍を構成する五部隊の兵員、最多で一万九千人近くが普天間飛行場など県内十カ所の基地に駐留している。ただ、うち約九千人が早ければ二〇二四年にも、日米が合意した在日米軍再編計画に従いグアムなどに移転を始める。最後まで残るのは31MEUなど数千人規模だ。
中国の海洋進出やミサイル開発を念頭に基地の集中を避け、小規模で迅速に緊急対応を可能とする狙いがある。提言書はこうした米軍の戦略に着目。米軍が県外、国外で自衛隊との共同訓練を増やしている現状も踏まえ、在沖縄海兵隊の本土やアジアへの分散が可能とした。理にかなった考えだ。重要になるのは、沖縄の民意を無視したまま政府が建設を進めている辺野古新基地の扱いである。市街地に囲まれた普天間飛行場の移設が目的だが、建設地に軟弱地盤が見つかり、供用開始まで十二年かかる上、工費も九千三百億円に膨らむ見込みだ。提言書は「技術的にも財政面からも完成が困難」と指摘し、普天間の所属機訓練を分散させることで段階的に返還を実現するよう訴えている。在沖縄海兵隊の運用見直しによって移設によらず普天間返還を図る考えは、日本のシンクタンクや米国の安保研究者も明らかにしてきたが、具体的に検討されることはなかった。普天間を含む米軍基地の整理縮小に向けて提言書は、日米両政府と県の担当者、有識者らを交えた専門家会合をつくり、さらに論議を深めるよう求めている。日米両政府は「辺野古移設が唯一の解決策」とする硬直化した態度を改め、進んで協力すべきだ。提言書が、沖縄の米軍基地負担軽減を加速する呼び水になることを期待したい。
つまり朝日の言う「有識者会議」とは、「万国津梁会議」が制式名で、かつ朝日の言う「沖縄県が設けた」とは、「玉城知事の公約を受けた」と言うことである。そりゃ先ず間違いなく「米軍基地反対の専門家」である。
かかる「玉城知事の公約を受けた万国津梁会議」を「沖縄県の設けた有識者会議」と表記するのは、誤報とも虚偽とも言えなかろうが、「半ば以上詐欺」とは評せそうだ。
更に言えば、ネットの霊験あらたかで、「万国津梁会議」で検索すれば、上掲①朝日&②東京社説が絶賛する当該提言もダウンロードできる。http://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/documents/proposal2.pdf
私(ZERO)が朝日の「沖縄県の設けた有識者会議」なる表現を「半ば以上詐欺」と断じるのは、斯様な表現から、上記URLへ辿り着くのは「容易ではない」、と考えるからである。
逆に東京新聞の表記「万国津梁会議」からは、上記URLへ簡単に辿り着き、当該提言全文を読むことが出来る。
お陰でその冒頭近く「提言の要約」の2番目に、
1> 2.近年、米国の中国に対する軍事的優勢が失われ、沖縄の軍事的脆弱性が認識される中で、海兵隊を含めた米軍の戦略見直しが進んでいる。
2> 日米両政府はこのような戦略環境の変化を踏まえ、在沖米軍兵力を日本本土を含むアジア太平洋各地に分散しながら、在中米軍基地の整理縮小を加速すべきである。
2> 日米両政府はこのような戦略環境の変化を踏まえ、在沖米軍兵力を日本本土を含むアジア太平洋各地に分散しながら、在中米軍基地の整理縮小を加速すべきである。
・・・これは、話が、逆であろう。左様な「戦略環境の変化」は、「在沖米軍の増強・増援」こそ、必要とするはずである。
それを「在沖米軍基地の整理縮小」とは、一言で言えば「敗北主義」であり、「中国人民解放軍の威力の前に、米軍は尻尾巻いて退散しろ。」という提言である。
同提言の後ろの方には、「米海兵隊の日本本土でのローテーション訓練」とか何とか、「アリバイ作りに抜かりは無い」様ではあるが、「米海兵隊は沖縄から兵を引け」という主張に変わりは無い。中国共産党のプロパガンダでも、ここまであからさまなのは珍しい。まあ沖縄二紙ではほぼ「デフォルト」ではあるが。
流石はデニー玉城沖縄知事肝いりの「有識者会議」であるな。平たく言えば「中国の日本侵略のお先棒担ぎ」である。
諄い様だが、繰り返しておこう。中国共産党は、我が尖閣諸島、ひいては沖縄に対し、「核心的利益」なる「侵略宣言」を既に出している。その「侵略宣言」を前にして「合理的見地」だろうが何だろうが「兵を引く」と言うのは、敗北主義であるばかりか戦争誘因であり、とてもじゃぁないが「平和的」とも「平和主義」とも言われるべきでは無い。
東西冷戦華やかなりし頃に居た、「ソ連軍が攻めて来たら、赤旗と白旗を掲げて威厳ある降伏をすれば良い(*1)。」と大差が無い。多分、面子も共通するのだろう。
東西冷戦華やかなりし頃に居た、「ソ連軍が攻めて来たら、赤旗と白旗を掲げて威厳ある降伏をすれば良い(*1)。」と大差が無い。多分、面子も共通するのだろう。
で、だ。
話を元に戻すと、斯様な戦争誘因となり得る敗北主義者の売国奴である「万国津梁会議」なるモノを、朝日は社説で「沖縄県が設けた有識者会議」と表記し、その売国的「提言」を持ち上げているのである。
当該「提言」を持ち上げる点では、上掲②東京新聞社社説も同様であるが、上記①朝日社説の方が、随分と悪質では無かろうか。
- <注記>
- (*1) 戦いもしないで降伏して、威厳もヘッタクレもあるものかよ。そんな「威厳」はタダの自己満足、否、自己陶酔だ。