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【毎日社説】「衆院沖縄3区補選 政権に問う3連敗の重み」
【毎日社説】「衆院沖縄3区補選 政権に問う3連敗の重み」
 
衆院沖縄3区補選 政権に問う3連敗の重み毎日新聞

2019年4月22日 東京朝刊

【】 辺野古埋め立てを既成事実化して住民のあきらめムードを作り出す。そんな戦術が全く通用しないことを、政権はどう考えているのか。

 【】 衆院沖縄3区の補欠選挙で米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する野党系無所属の屋良朝博(やらともひろ)氏が、自民党公認の島尻安伊子(しまじりあいこ)氏を大差で破り、初当選を果たした。

 【】 玉城デニー氏の知事選出馬に伴う補選だった。沖縄3区は辺野古のある名護市など沖縄本島北部をエリアとする。2014、17年の衆院選で自民党候補を破った玉城氏の後を継ぎ、移設反対派が議席を守った。 

【】 この半年余りを振り返れば、昨年9月の知事選、今年2月の県民投票に続き「辺野古ノー」の民意が三たび示されたことになる。 

【】 安倍政権としては、沖縄の民意を無視する形で埋め立ての土砂投入に踏み切った上での3連敗である。 

【】 選挙戦の構図は昨年の知事選と同じく、野党勢力が一致して支援する「オール沖縄」陣営と、自民、公明の与党に日本維新の会が協力する「自公維」陣営との対決だった。 

【】 知事選で自公維は辺野古問題への言及を避ける戦術をとり「争点隠し」と批判された。その際、経済や福祉などさまざまなテーマが争点だと主張したのが菅義偉官房長官だ。 

【】 今回の補選で島尻氏は、辺野古移設容認をあえて明言して敗れた。もはや論点をずらして結果をぼやかしたり、特殊な地域事情と片付けたりするようなことは許されない。

 【】 島尻氏は参院議員を2期、沖縄・北方担当相も務めた知名度がありながら、全く及ばなかった。安倍政権がこの結果を真摯(しんし)に受け止めないなら、選挙という民主的手続きが何の意味もないことになる。

 【】 自民党内には沖縄3区の負けを織り込み済みと強がる空気があった。第2次安倍政権以降の国政選挙で自民党は沖縄で敗北が続いても全国的には勝利を重ねてきたからだ。

 【】 その結果、政権運営に支障さえなければ沖縄の民意は軽んじても構わないという、倒錯した意識が生まれてはいないだろうか。 

【】 政府の正統性は国民に由来する。権力行使の正統性も時々の選挙によってチェックされる。安倍政権は直ちに工事を中止し、沖縄の民意と向き合うべきだ。

良く読むと、「三連敗」どころか、「一敗もしていない」じゃぁないか。

1>  玉城デニー氏の知事選出馬に伴う補選だった。
2> 沖縄3区は辺野古のある名護市など沖縄北部をエリアとする。
3> 2014、17年の衆院選で自民党候補を破った玉城氏の後を継ぎ、移設反対派が議席を守った。

・・・って事は、「玉城デニー氏の後任となった衆院議員が、玉城デニー氏と同じ辺野古移設反対派議員となった」だけ。上記3>「移設反対派が議席を守った」のは事実だが、「辺野古移設反対派議員の数」は「玉城デニー氏が未だ国会議員であった頃」から変わっていない。

 これで「一敗」なのだそうだ。まあ、色んな数え方があるんだな。
 
 上掲毎日社説のタイトルにある「3連敗」の「他の2敗」は何かと探すと・・・

4>  この半年余りを振り返れば、
5> 昨年9月の知事選、今年2月の県民投票に続き「辺野古ノー」の民意が三たび示されたことになる。

6>  安倍政権としては、沖縄の民意を無視する形で埋め立ての土砂投入に踏み切った上での3連敗である。

と、上掲社説に明記されているから、残りの2敗は、①「昨年9月の知事選」と、②「今年2月の県民投票」で、間違いないらしい。

 言うもサラなりだが、沖縄知事は前職の翁長知事が「辺野古移設反対派」であったのだから、上記①「昨年9月の知事選」で「安倍政権側が負けた」とは言えようが、その結果「辺野古移設反対派知事が増えた」訳では無い。否寧ろ、翁長知事の後任として国会議員の玉城デニー氏を知事にしたため「玉城デニー氏の欠員分、国会の辺野古移設反対派は減った」のであり、それを今般の衆院補選で「辺野古移設反対派が取り戻した」だけである。

 上記②「県民投票」に至っては、唯のアンケート調査だ。国政にも県政にも、パフォーマンスと圧力以上の効果影響はない。喩え「民意の表れ」であっても、だ。

 斯様な事象を「三連敗」と評し、報じるのは、ある意味毎日新聞の勝手である。

 だが、その「三連敗」を通じて、その「三戦の間に、辺野古移設反対派知事数も議員数も増えた訳ではない」と言うのに三連敗の重みと社説タイトルにとる上掲毎日社説は、「詐欺まがいの印象操作・世論誘導・ミスリード」と評されて然るべきだろう。
 
 日本政府としては、斯様な世論誘導のミスリードに屈することなく、「沖縄の民意は沖縄の民意でしかない」事実と、「普天間基地移設問題は、先ず第一に安全保障の問題である」事を想起し、粛々と辺野古移設を進めるべきである。

 有り体に言って、「基地負担軽減」なんてのは、「オマケ」だ。端的に言えば「些事」であり、「出来たら良いが、出来なくても大して構わない」。
 
 「普天間基地移設問題」シリーズでも再三繰り返した通り、普天間基地移設問題とは「普天間に駐留する米軍を、何処に(再)配置するか?」という問題であり、その配置を決める上で致命的に重大なのは安全保障上の要求である。

 基地周辺住民の「民意」だの「基地負担」だのは、二義的三義的四義的な話でしかない。