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「一票の格差を無くす」なんて、簡単なことだ。「全国区だけの完全比例代表制」にすれば良い。全国の有権者が一人一票を各政党に投じ、獲得した投票数に応じて各政党に議席を配分すれば、「一票の格差」は生じない(*1)。
「一票の格差を無くす選挙法」は他にもありそうだ。一寸考えて思い付くのは「投票は候補者個人に対して行うが、集計は党毎に行って議席を配分する(*2)」とか「全国区のみにして、候補者に対して投票し、得票数の多い候補から順次当選とする(*3)」とか。
だが、如何なる方法で「一票の格差を無くす」としても、「一票の格差がない」以上、その選挙法は必然的に「有権者の多い集団に有利・優位」となる。これは殆ど必然的で、「一票の格差がなく、一人一票の重みが平等である」限りは必ずそうなる(*4)のである
であるならば、「有権者の多い都市部の優位・有利や、有権者の少ない地方・地域の劣位・不利を、減じる」には「一票の格差は不可欠」であろう。
であるならば、「有権者の多い都市部の優位・有利や、有権者の少ない地方・地域の劣位・不利を、減じる」には「一票の格差は不可欠」であろう。
従って、「有権者の多い都市部の優位・有利/有権者の少ない地方・地域の劣位・不利を、野放しにする」ので無い限り、「一票の格差」は「必ずある」し、「作らねばならない」。
無論、神ならぬ身の人がなす事に、完全完璧などあり得ない空、選挙法とて完全無欠完璧無瑕疵はあり得ないが、「一票の格差」について言うならば、「あるレベルに納めるべき」モノではあっても「無くすべきもの」ではなく「完全になくしたら、困るモノ」であろう。
つまりは、程度の、バランスの問題だ。
であるというのに、下掲の朝日、毎日、東京新聞社説ときたら・・・
<注記>
(*1) 但し、政党に属さない「本当の無所属」は候補にすらなり得ない。「政党間の選挙協力」も難しくなるだろうが、それは「全国区のみ」とした時点で必然だ。いずれにせよ「政党間の選挙協力」のために選挙制度が決まるわけではなかろう。(*2) これなら「本当に無所属の候補」が「候補者タダ一人の党」扱いで候補となり得る。(*3) 候補者名簿も、それを周知する方法も、投票法も、一工夫二工夫必要だが。従前の「ポスター一覧表」方式では無理だろう。ネットで候補者リストとして公開するとか、工夫が要るが、出来ないことはないだろう。(*4) 下掲社説のうち東京新聞社説は、「人口の少ない地方の不利益」を、「通信技術が進歩した現代では杞憂(きゆう)であろう。」と断言し、否定しているが、「全く大した自信」と言うべきだろう。「有権者の少ない地方・地域の声も、通信技術の発達で政府に届く」と言いたのかも知れないが、それは文字通り「声として届く」だけで、「票としては届かない」のだから、「有効性に限界がある」のが道理であろう。大体、「通信技術の進歩」で「有権者の少ない地方・地域の不利が杞憂と言えるぐらいに劇的に解消出来る」ならば、「一票の格差」の何が問題になるというのだろうか。
【朝日社説】「一票の格差 不平等の解消は程遠い」【朝日社説】「一票の格差 不平等の解消は程遠い」一票の格差 不平等の解消は程遠い2018年12月21日05時00分【】 最大1・98倍の一票の格差があった昨秋の衆院選について、最高裁大法廷は「法の下の平等を定めた憲法に違反するとはいえない」と判断した。【】 この間の国会の格差是正の取り組みに合格点を与えた形だ。だがその理由を点検すると、投票する有権者よりも、選ばれる議員・政党の利益や都合をおもんぱかった判決と言わざるを得ず、到底納得できない。【】 09、12、14年の衆院選を、最高裁が続けて「違憲状態」と断じたのを受け、国会は16年に公職選挙法を改めた。そこで導入が決まったのが、都道府県の人口に比例して議席を配分する方式のひとつである「アダムズ方式」だ。大法廷はこれを「格差を縮小させ、その状態が安定的に持続する」と評価した。【】 甘さに驚く。実際にこの方式で選挙が行われるのは、20年秋の国勢調査の結果がまとまった後だ。議員への影響を懸念した自民党の主導で先送りされたのだ。昨秋の衆院選は、経過措置として「0増6減」などの小幅な是正をしただけで実施された。なぜそれが「評価」されなければならないのか。【】 しかもアダムズ方式も万全ではない。人口の多い都道府県への議席の割り当てが少なくなる欠陥をかかえている。【】 15裁判官のうち4人が、多数意見とは別の見解を述べた。【】 「2倍もの格差があるのに不平等でないというのは常識に反する」「まだ実施されていない法律を考慮すべきではない」「国会が投票価値の平等に向けて真摯(しんし)に行動していれば、是正は十分可能だった」――。【】 こちらのほうが真っ当で、胸にすとんと落ちる。【】 一票の価値が不平等では、国民主権を実現する最も重要な手段である選挙で、反映すべき民意が正確に測れない。統治機構全体の正統性もゆらぐ。【】 国会はこの原点に立ち、公選法に明記されている「不断の見直し」に取り組み続ける責務がある。今回の合憲判断をお墨付きとして、格差の是正に背を向けることがあってはならない。【】 実際に心配な動きがある。【】 自民党は改憲項目の中に、市区町村が複数の衆院選挙区に分割されないようにする内容を滑り込ませた。一票の格差縮小のためには分割はやむを得ない措置だが、それをできなくしてしまおうという案だ。区割りの変更を嫌がる議員側の事情を優先させた党利党略そのものだ。【】 司法がチェックの手を緩め、安易に流れてしまったいま、有権者はこれまで以上に監視の目を光らせなければならない。
【毎日社説】「最高裁が衆院選「合憲」 既定の格差是正を確実に」【毎日社説】「最高裁が衆院選「合憲」 既定の格差是正を確実に」最高裁が衆院選「合憲」 既定の格差是正を着実に毎日新聞2018年12月20日 東京朝刊【】 昨年10月に実施された衆院選の「1票の格差」を巡り、最高裁が合憲の判定を下した。【】 最高裁は前回まで3回連続で「違憲状態」の判定を示していた。合憲判断は、2005年衆院選を巡る07年の判決以来、実に11年ぶりだ。【】 合憲と判定した一つ目の理由は、選挙区間の最大格差が1・98倍で、1996年の小選挙区制導入後、初めて2倍を切ったからだ。一昨年の小選挙区「0増6減」の定数是正に伴い、14年選挙の2・13倍から2倍以内に縮小したことを評価した。【】 最高裁は、憲法が定める投票価値の平等原則に反するかについて近年、2倍を少し超える格差でも違憲状態と判定してきた。ただし、これまで2倍以上の格差を放置してきたこと自体が異常だったといえる。【】 二つ目が、各都道府県の小選挙区の定数を人口比が反映しやすい方法で配分する「アダムズ方式」によるさらなる是正を、国会が立法化したことだ。再来年の国勢調査の結果に基づいて導入される予定で、いっそうの是正効果が期待される。【】 最高裁は、各都道府県に1議席をあらかじめ配分する「1人別枠方式」が、1票の格差を生んでいるとして、国会に見直しを求めてきた。今回の判決で、アダムズ方式によって「1人別枠方式」の定数配分の影響を完全に解消できると評価した。【】 衆院の格差是正を巡ってはいくつかの案が議論されたが、比較的穏健なものとして、この方式が採択された。合憲判定の理由として、この部分こそ重視すべきであろう。【】 実施されれば相当規模の区割り変更を迫られるため、選挙地盤を守りたい現職議員には抵抗感がある。大都市圏で定数が増え地方に不利になるとして、自民党にはなお反発が根強い。だが、投票価値の平等を優先する以上はやむを得まい。【】 最高裁は、国会が「0増6減」とアダムズ方式を段階的に実施することについて「選挙制度の安定性を確保する観点から徐々に是正を図った」と理解を示した。【】 だが、そもそも一昨年の段階でアダムズ方式を直ちに採用すべきだった。あくまで条件付きの合憲判定だと受け止め、国会は既定方針通りに、国勢調査終了後にアダムズ方式を速やかに実現すべきだ。【東京社説】衆院選無効訴訟 平等の道はまだ半ば【東京社説】衆院選無効訴訟 平等の道はまだ半ば衆院選無効訴訟 平等への道はまだ半ば2018年12月20日【】 一票の格差が最大で一・九八倍。二〇一七年の衆院選をめぐる一票の不平等訴訟は「合憲」と最高裁大法廷が判断した。二倍ラインを切ればいいのではない。投票価値の平等への道はまだ半ばだ。【】 代表民主制の基盤は選挙である。国政選挙では、議員一人あたりの有権者数・人口ができる限り、平等に保たれねばならない。それは憲法上の要請である。【】 そうでないと、ある有権者は一票なのに、ある有権者は〇・五票しかない不平等が生じる。これは違憲の選挙であって、選挙自体を無効にすべきだ-。原告はそう訴えていた。【】 それゆえ〇九年、一二年、一四年の三回の衆院選はいずれも「違憲状態」と最高裁は判断した。今回は合憲となり、ようやく違憲状態から脱した。だが、格差は前回の二・一三倍が一・九八倍へとわずかに縮小しただけだ。それで合憲とはすんなり納得できない。【】 最高裁の前提は法改正でアダムズ方式と呼ばれる人口比を反映しやすい議席配分の導入を決めていることだ。その上で〇増六減の定数配分が「漸進的な是正を図ったものと評価できる」と述べた。【】 甘くはないか。二倍ラインを切ったとはいえ、ほぼ二倍の格差を許容することは看過できない。何しろ二百八十九の選挙区のうち、格差が一・八倍以上の選挙区が九十九もある。反対意見で「違憲」とした鬼丸かおる判事はそれを指摘した。【】 さらに「違憲・無効」と判断した山本庸幸判事は「法の下の平等を貫くためには格差を生じさせないのが原則。区割りの都合で一、二割の格差が生ずるのはやむを得ない」としている。 【】 さらに言えば、アダムズ方式の手法では、本来は七増十三減の定数是正をしなければいけなかったはずだ。この方法だと自民党が強い地方ほど人数を削られる。だから結果的に〇増六減の小手先の是正に終わったのではないか。【】 〇増六減が司法の「お墨付き」となる懸念がある。しかもアダムズ方式は万能でないから、格差の縮小には限界がある。だから、立法府はたえず選挙制度の改革には取り組まねばならない。 【】 人口が少ない県の声が届きにくくなるとの懸念もある。だが、通信技術が進歩した現代では杞憂(きゆう)であろう。【】 何より国会議員は全国民の代表だと憲法がいう。国民の意思を正しく反映する、その精神に基づく選挙でなければならない。
今現在の「2を漸く切ったレベルの一票の格差」の適否を、議論する意味はあるだろう。
だが、「不平等の解消」「格差是正」「平等への道」などの美辞麗句で「一票の格差」を「悪いこと/無くすべきモノ」と考えると、根本的に間違える事になるぜ。
ッてぇか、あの忌まわしき民主党政権が未だ続いていたりしたら、上掲三紙は「今(理の当然ながら)ある一票の格差を、無くせ(ないし減らせ)」なんて、社説に掲げて主張しただろうか。私は甚だ疑問視しているんだがね。
要は「一票の格差を無くせ」って上掲社説も「安倍政権へのイチャモンじゃぁなかろうか」とね。
「君主は、何をやっても悪く言われる」と喝破したのは、キケロ。古代ローマの昔だぞ。
それはそうと、北朝鮮は滅ぼすべきだな。