応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/
【朝日社説】袴田事件再審 釈然としない逆転決定
【朝日社説】袴田事件再審 釈然としない逆転決定袴田事件再審 釈然としない逆転決定2018年6月12日05時00分【】 人の生命がかかった審理がこのようなものでいいのか。釈然としない思いがぬぐえない。
【】 52年前に静岡県で4人が殺された事件で死刑が確定した袴田巌さんについて、東京高裁は裁判のやり直しを認めない判断をした。静岡地裁の再審開始決定を取り消したが、身柄を拘置所に戻す措置はとらなかった。【】 地裁の段階で6年、高裁でさらに4年の歳月が費やされた。それだけの時間をかけて納得のゆく検討がされたかといえば、決してそうではない。
【】 結論を分けたのは、犯行の際の着衣とされたシャツなどの血痕のDNA型鑑定だ。地裁は、弁護側が提出した新鑑定を踏まえ、「犯行時のものではない疑いがある」として再審を認めたが、高裁は「鑑定手法には深刻な疑問がある」と退けた。 この決定に至るまでの経緯は、一般の市民感覚からすると理解しがたいことばかりだ。
【】 まず、別の専門家に再鑑定を頼むかで長い議論があった。実施が決まると、その専門家は1年半の時間をかけた末に、高裁が指定した検証方法を完全には守らず、独自のやり方で弁護側鑑定の信頼性を否定する回答をした。高裁は結局、地裁とほぼ同じ証拠関係から正反対の結論を導きだした。
【】 身柄を長期拘束された死刑囚の再審として国際的にも注目されている事件が、こんな迷走の果てに一つの区切りを迎えるとは、司法の信頼を傷つける以外の何物でもない。それぞれの立場で省みる点がないか、関係者は点検する必要がある。
【】 こうした事態を生む背景のひとつとして、再審に関する法制度が整っていないことがあげられる。なかでも問題が大きいのは証拠の取り扱いだ。
【】 今回の事件でも、地裁段階で検察側が「ない」と主張してきた問題の衣類の写真のネガが、高裁になって一転開示されるという場面があった。再審に直接結びつく証拠ではなかったかもしれないが、正義に反する行いとして厳しい非難に値する。
【】 ほかにも、審理の進め方や裁判官の権限などあいまいな点が多く、結果として再審をめざす側の障壁になっている。
【】 11年から14年にかけて、捜査や刑事裁判のあり方を検討した法制審議会の特別部会は、再審請求審での証拠開示を「今後の課題」に挙げたが、その後、議論は進んでいない。
【】 疑わしきは被告人の利益に。この刑事裁判の鉄則は再審にも適用される。制度も、運用も、意識も、その観点から不断に見直さなければならない。
【東京新聞社説】再審への道 「疑わしきは罰せず」だ
【東京新聞社説】再審への道 「疑わしきは罰せず」だ
2018年6月12日【】 五十二年前の強盗殺人事件で死刑が確定していた袴田巌さんの再審開始決定を東京高裁が取り消した。血痕のDNA型への評価の違いだ。司法は当時の捜査手法への厳しい目があるのを知るべきだ。
【】 袴田さんの事件は長く冤罪(えんざい)との疑いの声があった。一九六六年に起きた静岡県の旧清水市で一家四人が殺害された事件だ。 【】 再審開始を認めない決定に、十一日の東京高裁前では「不当決定」と書かれた垂れ幕が掲げられた。 【】 冤罪はまず犯人とされた人に罪をかぶせる不正義がある。同時に真犯人を取り逃がす不正義を伴う。この二重の不正義がある。
【】 元裁判官の木谷明氏の持論である。裁判官時代に約三十件もの無罪判決を書いた経験を持つ。一件を除き検察は控訴すらできなかった。その木谷氏の著書「『無罪』を見抜く」(岩波書店)にはこんなくだりがある。
【】 <冤罪は本当に数限りなくある、と思います。最近、いくつか有名な冤罪事件の無罪判決が報道されていますが、あれはあくまで氷山の一角ですよ。(中略)『なぜ、こんな証拠で有罪になるのだ』と怒りたくなる判決がたくさんあります>
【】 袴田さんの事件では一審で死刑判決に関わった元裁判官の熊本典道氏が「無罪だと確信したが、裁判長ともう一人の陪席判事が有罪と判断し、合議の結果で死刑判決が決まった」と二〇〇七年に明かした。熊本氏自身も判決言い渡し後に、良心の呵責(かしゃく)に耐えかねて裁判官を辞職したとも語った。
【】 「疑わしきは被告人の利益に」という言葉は刑事裁判の原則で、再審でも例外ではない。ところが日本の検察はまるでメンツを懸けた勝負のように、再審開始の地裁決定にも「抗告」で対抗する。間違えていないか。再審は請求人の利益のためにある制度で、検察組織の防御のためではない。
【】 かつ、検察はかき集めた膨大な証拠も不利なものは隠したりする。今回も新たに開示された取り調べ録音テープから、捜査員が袴田さんをトイレに行かせず、取調室に持ち込んだ便器に小便をさせた行為などがわかった。
【】 着衣に付いた血痕のDNA型の判定などで地裁と高裁の判断は分かれた。だが、問題なのは再審制度の在り方にもある。無実の人を救済せねばならないのは検察も同じではないか。最高裁では死刑囚の再審という究極の人権問題にも道筋を示してもらいたい。
安倍首相や大日本帝国、並びに帝国陸海軍に対しては散々「推定有罪」を適用してきたヤツバラが、「疑わしきは罰せず」とは片腹痛い
朝日なんぞモリカケ「問題」で「疑わしきは、法的責任は無くとも道義的・政治的責任を取るべきだ」と、堂々と記事にしていたではないか。
凄まじいダブルスタンダード(二重基準)、ダブルシンクぶりだな。ま、いつものことではあるが。
それにつけても、北朝鮮は滅ぼされるべきである。