やっぱり間抜けでしかない憲法9条擁護論ー【東京社説】「9条改正論議 切迫性を欠く自衛隊明記」
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【東京社説】「9条改正論議 切迫性を欠く自衛隊明記」
【東京社説】「9条改正論議 切迫性を欠く自衛隊明記」【社説】9条改正論議 切迫性欠く自衛隊明記2018年2月10日【】 なぜ憲法九条改正が必要なのか、その切迫性は、やはり感じられない。それでも強引に改正しようとするのなら、内容ではなく、改正の実績づくりを優先した「改憲ありき」と批判されて当然だ。
【】 憲法改正を「党是」としてきた自民党の近年の議論を振り返る。
【】 野党当時の二〇一二年、現行憲法を全面改正する改憲草案を発表し、九条に関しては戦力不保持の二項を削除し、国防軍の保持を明記した。政権復帰を目指して支持層固めを意識した内容だ。
【】 政権復帰後の安倍晋三首相は昨年五月、一項の戦争放棄と二項を残しつつ、自衛隊の存在を明記する案を提唱。東京五輪が行われる二〇年を「新しい憲法が施行される年にしたい」と語った。
【】 党憲法改正推進本部は首相の意向を受け、衆参両院の憲法審査会に提示する党の改憲案を、三月二十五日の党大会までに取りまとめるよう議論を進めている。
【】 石破茂元幹事長らは改憲草案通りの二項削除を主張しているが、二項を維持して自衛隊の存在を明記する首相案が優勢だという。
【】 国会議員は憲法について大いに議論すべきではあるが、九条を改正しなければならない切迫した事情がどこにあるのか。
【】 首相は「命を賭して任務を遂行する者の正当性を明確化することは国の安全の根幹に関わる」と主張するが、それだけでは改正を要する十分な理由にはなるまい。
【】 歴代内閣は自衛隊を合憲とし、安倍内閣でも変わらない。「直ちに憲法改正しないと日本の安全保障が成り立たないという状況ではない」(井上義久公明党幹事長)との主張には説得力がある。
【】 首相は、憲法に自衛隊の存在を明記しても「任務や権限に変更は生じない」と述べた。自衛隊を明記する改憲案が否決されても、合憲とする「政府の一貫した立場は変わらない」とも答弁している。
【】 自衛隊の存在を憲法に明記してもしなくても、明記した改憲案が国民投票で承認されてもされなくても何も変わらないのなら、改憲案を発議し、国民投票にかける意味がどこにあるのか。
【】 憲法は主権者たる国民が権力を律するためにある。改正しなければ国民に著しい不利益が生じる恐れがあり、国民から改正を求める意見が湧き上がる状況なら、国会は堂々と改憲論議をすればよい。
【】 そうした状況でないにもかかわらず、権力の座にあるものが、やみくもに進めようとする改憲論議は、あまりにも空疎である。
自衛隊発足以来60年以上の「宿題」である憲法9条改正を「切迫性を欠く」としか反論できない憲法9条擁護論の方が、余程空疎だろうが。
安倍首相が「国民投票で改憲が否決されても、自衛隊は合憲」と明確に答弁したのも、「憲法に何と書いてあろうが、自衛隊は必要だから」だ。
逆に言えば、自衛隊が存在さえすれば、従来の「解釈改憲」でも構わない、というのは一面の真実だ。が、それは、少なくとも自衛隊発足以来続いてきた「日本国憲法と現実との乖離」、特に「日本国憲法9条と現実との乖離」を「今まで通りに放置しろ」と言う主張だ。
その理由が「切迫性を欠いているから」とは、なんと間抜けで無能で知的怠慢な「憲法9条擁護論」であろうか。以前東京新聞が社説に掲げた「憲法9条は壊れていないから、変える必要がない」って間抜けな主張に、二つ三つ輪をかけてやぁがる。
以前の東京新聞社説「憲法9条は壊れていないから、変える必要がない」と言う主張は、詭弁ながらも一応論理の体をなしていた。
上掲東京新聞社説は、「憲法9条は(自衛隊発足を以て)現実と乖離し、壊れているが、現実として自衛隊が存在する以上、憲法を変える切迫性はない。だから、憲法を変える必要はない。」とする主張だ。以前の「憲法9条は壊れていない」って主張よりは現実的かも知れないが、自衛隊発足以来60年以上も「解釈改憲」≒「違憲」状態を放置してきて、「切迫性がない」とは、恐れ入るしかないぞ。
1> 改正しなければ国民に著しい不利益が生じる恐れがあり(*1)、国民から改正を求める意見が沸き上がる状況なら、
2> 国会で堂々改憲議論をすればよい。
2> 国会で堂々改憲議論をすればよい。
とも上掲東京社説にはある。これは以前の東京新聞社説「国民から憲法改正を求める声が沸き上がる状況になってから、国会が改憲議論するのが当然だ。」と言う現行日本国憲法違反の疑いさえある「改憲手続き追加論」に比べれば「長足の進歩」と評すべきであろう。
だが、「憲法9条擁護論」を唱えるならば、「何故、憲法9条を変えてはいけないか/変えなくて良いか」と言う根拠/論拠こそ、しっかりきっちり示すべきであろう。
「憲法9条は壊れていない」とか「憲法9条改正は切迫性を欠く」なんて、間抜けな社説ではなく、な。
それはそれとして、北朝鮮は滅ぼされるべきである。
<注記>
(*1) 「憲法9条を改正しなければ、国民の著しい不利益が生じる恐れがある」状態ってのは、戦争ないし開戦直前じゃぁないのか?そんな頃に改憲議論を始めたって、戦争には間に合わない。我が国は敗戦という「著しい不利益」を被り、少なくとも日本国憲法は滅びてしまうじゃぁないか。