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「ホップ、ステップ、ジャンプ」の3段跳びというか、「2階にあがって梯子を外される」と言うか・・・
①【毎日社説】日本の岐路 「希望の党」の登場 小池流の鮮やかさと不安毎日新聞2017年9月27日 東京朝刊【1】 選挙の構図が一変した。【2】 東京都の小池百合子知事が「希望の党」を結成したためだ。衆院選では政権批判票の「受け皿」を目指し、全国に候補者を擁立するという。
【3】 小池氏は若狭勝衆院議員や細野豪志元環境相らに国政は任せるように見せかけ、安倍晋三首相が衆院解散を決断するやいなや一転、自身がトップに立っての結党に踏み切った。
【4】 首相が解散を表明したのと同じ日に緊急記者会見をぶつけ、現職知事が新党の代表に就くサプライズを演出してみせた。鮮やかな「劇場型」のメディア戦術だった。
【5】 小池氏の勝負勘と度胸のなせるわざだろう。それが衆院選への関心を高め、有権者に新たな選択肢の登場を印象づけたのは間違いない。
【6】 7月の東京都議選では、民進党が政権批判の受け皿になれず、小池氏の率いた地域政党「都民ファーストの会」が大勝した。衆院選でも、政権に不満だが行き場のなかった無党派層をひき付ける可能性がある。
【7】 ただし、容認できないのは新党の政策・理念が不鮮明なことだ。
【8】 小池氏が示した政策の柱は「希望の政治」「希望の社会」「希望の経済」など抽象的だ。新党の理念に掲げた「改革保守」もわかりづらい。
【9】 具体策として挙げた「議員定数・議員報酬の縮減」は、過去にも多くの政党が「身を切る改革」として声高に叫んできた。財政再建や社会保障との関係を語らずに「消費増税凍結」を主張することと併せ、ポピュリズムのにおいがつきまとう。
【10】 自民党は憲法改正への協力を新党に期待するが、小池氏は安倍首相の唱える「自衛隊明記」の改憲方針に否定的だ。アベノミクスも批判している。さらに「原発ゼロ」を訴えることで自民党との対決姿勢を前面に押し出す構えだ。
【11】 では、選挙後の新党は野党なのか、与党入りを狙うのか。小池氏は新党の議員が首相指名で公明党の山口那津男代表に投票する可能性に言及した。都議会与党の公明党に配慮した発言のようだが、都政の都合で軽々に論じることではなかろう。
【12】 突然の衆院解散で結党を急いだ事情は理解できるが、何を目指す政党なのかを体系立てて有権者に示す必要がある。イメージ先行では責任政党とは言えない。
②【朝日社説】衆院選 小池新党 何をめざす党なのか
2017年9月28日05時00分【1】 小池百合子・東京都知事が新党「希望の党」を立ち上げた。
【2】 7月の都議選で地域政党「都民ファーストの会」を圧勝に導いた小池氏が代表に就き、今度は国政選挙で政権批判票を吸い寄せることを狙う。
【3】 今のところ小池氏の人気先行の「小池新党」の様相だが、衆院選への参入は既成政党の側に波紋を広げずにはおかない。
【4】 自民、公明の与党は警戒感を強める。一方、新党への離党者がやまない民進党では、新党との合流を模索する前原誠司代表らの動きが続いた。
【5】 だがその影響力の大きさとは裏腹に、新党には分からないことが多すぎる。最大の問題は、何をめざす政党なのか、肝心のそこが見えないことだ。
【6】 「我が国を含め世界で深刻化する社会の分断を包摂する、寛容な改革保守政党を目指す」
【7】 結党の記者会見で披露された綱領は冒頭、そううたう。
【8】 経済格差や政治不信が既成政党にNOを突きつける。そんな先進国共通の潮流を意識したものだろうが、では「改革保守」とは何なのか。
【9】 小池氏は「改革の精神のベースにあるのが、伝統や文化や日本の心を守っていく、そんな保守の精神」と語るが、得心のいく人がどれほどいるか。
【10】 「しがらみ政治からの脱却」「日本をリセット」「身を切る改革」。小池氏らが訴える言葉は、これまで生まれた多くの新党のものと似ている。
【11】 基本政策をめぐっても、説明が足りない。
【12】 消費増税について、小池氏は「『実感が伴わない景気回復』を解決しなければ水を差す恐れがある」と引き上げには否定的だ。「原発ゼロ」の主張とあわせ、安倍政権との違いを打ち出したい狙いが鮮明だ。
【13】 ならば将来の社会保障をどう支え、財政再建をどう果たすのか。原発廃止への具体的な道筋をどう描くのか。もっと踏み込んだ説明がなければ、単なる人気取りの主張でしかない。
【14】 憲法改正については「議論を避けてはいけない。ただし、9条の一点だけに絞った議論でいいのか」という。安倍首相主導の改憲論議にどう臨むのか。
【15】 今回の衆院選は、おごりと緩みが見える「安倍1強」の5年間に対する審判である。小池氏は選挙後について「しがらみ政治の一員に入ったら、何の意味もない」というが、安倍政権の補完勢力になる可能性は本当にないのか。
【16】 小池人気に頼り、キャッチフレーズを掲げるばかりでは、有権者への責任は果たせない。
③【朝日】民進の「希望」合流提案へ 前原氏、党公認出さず
2017年9月28日03時05分?iref=comranking_realrank02民進党の桜井充参院議員の政治活動20周年を祝うパーティーであいさつする前原誠司代表=27日午後、仙台市青葉区、福留庸友撮影【1】 民進党の前原誠司代表は来月の衆院選で党として公認を一切しない方針を28日の両院議員総会で示す。合流希望者が新党「希望の党」(代表=小池百合子・東京都知事)の公認を得て立候補することなどを提案。事実上の合流に動く。候補者は希望の党を軸に一本化される。
【2】 希望の党は27日に党の綱領を発表。小池氏は日本維新の会との連携も検討しているほか、愛知県の大村秀章知事との連携も模索しており、野党再編に向けた動きが本格化している。
【3】 民進関係者によると、合流希望者は離党の形をとるか、党籍を残したままとするかはなお調整中だ。離党を希望しない議員や希望の党の公認を受けられない議員は、無所属で立候補することになる。無所属議員に対する処遇は検討中だ。
【4】 前原氏は26日夜、連合の神津里季生会長とともに東京都内で小池氏と会談。衆院選で野党候補が乱立すれば与党を利する結果になりかねないとして、両党の選挙協力の必要性を伝えた。新たに政治団体をつくり、両党の候補者が結集して戦う方法などを提案し、小池氏も理解を示したとされる。
【5】 ただ、小池氏は27日夜、BSフジの番組に出演し、参加の条件について「基本的には憲法(改正)への対応。それは安全保障にも関わる」と述べ、改憲と安全保障に対する姿勢を重視する考えを示した。「一人ひとりの考え方を確認する」とも話し、個別に選別する意向を明かした。
【6】 民進の今回の方針については、党内から「政党としての公認権の放棄だ」などと反発が出ている。民進の両院議員総会で、賛否が大きく割れることは確実だ。
【7】 前原氏は27日夜、仙台市での会合で、安倍晋三首相の衆院解散方針を改めて批判。「どんな手段を使ってでも、どんな知恵を絞ってでも、安倍政権を終わらそう。野党がバラバラでは選挙は勝てない。日本の政治を変えるため、心を合わせてがんばっていく」などと訴えた。
【8】 一方、維新代表の松井一郎・大阪府知事は27日、記者団に「(地方分権など、希望の党と)掲げているものは同じ。(衆院選で)無理にぶつかる必要はない」と述べた。維新関係者の説明では、選挙区調整などを模索している。
【9】 小池氏は最近、東京都内で愛知県の大村知事と会談したという。大村氏側によると、国に対する地方の発信力を強化するためにも、東京、大阪、愛知の3大都市圏の知事が連携する必要性で一致。希望の党に大村氏が参加する方向で調整を進めている。
解説は不要だろう
上掲①毎日社説や上掲②朝日社説が散々「不安」や「不満」や「不平」を並べ立てた小池新党「希望の党」に、上掲③「前の政権与党にして、現在も最大野党(笑)たる民進党が、事実上解党・合流宣言を出した」ってこと。
小池新党が掲げたポピュリズム丸出し公約「原発ゼロ」が気に入ったんだろうぜ。
何にせよ、「期待の星」小池新党「希望の党」さえ、この体たらくなんだ。こりゃ、今度の選挙は「自民党の圧勝・大勝」しか、あってはならないだろう。