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 「失言」と聞くと、私(ZERO)は「心中警戒警報」を発令するように心がけている。「それは、失言ではない可能性」を想起するように。
 
 何故ならば、「失言」、特に為政者・権力者・有名人の「失言」は、「マスコミやプロパガンダの恰好の獲物」であるから。マスコミやプロパガンダを担う者(*1)は鵜の目鷹の目で「失言」を探しており、あわよくば「失言」に仕立てあげようとする。古くは田母神空幕長(当時)の田母神論文があるし、近くは「東北で良かった」発言が例として挙げられよう。
 であるならば、「ヒトラー」とか「ユダヤ人虐殺」なんて「キーワード」の入った政治家、特に政権与党政治家の発言は、「失言」に仕立て上げる絶好の材料、となりうる。
 それにしても、なぁ。

<注記>

(*1) 無論、兼任している者も数多あろうが。 

①「朝日社説」 麻生副総理 あまりにも言葉が軽い
①【朝日社説】 麻生副総理 あまりにも言葉が軽い 
  2017年8月31日05時00分 

【1】 首相や外相を歴任した政治家として、あまりにも軽すぎる発言である。

【2】 麻生副総理兼財務相がおととい、自らの自民党派閥の研修会でこう語った。 

【3】 「(政治家になる)動機は私は問わない。結果が大事だ。いくら動機が正しくても、何百万人も殺しちゃったヒトラーは、やっぱりいくら動機が正しくてもダメなんですよ」

【4】 何が言いたいのかよくわからないが、ヒトラーが率いたナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺(ホロコースト)に、正当な動機があったとの考えを示したとも受け取られかねない。

【5】 麻生氏はきのう「ヒトラーを例示としてあげたことは不適切であり撤回したい」とするコメントを出した。「私がヒトラーについて、極めて否定的にとらえていることは発言の全体から明らかであり、ヒトラーは動機においても誤っていたことも明らか」としている。 

【6】 理解不能である。 

【7】 ならばなぜ「動機が正しくても」と2度も繰り返したのか。 

【8】 ナチスは強制収容所にユダヤ人を移送し、ガス室などで殺害し、数百万人が犠牲になった。残虐極まる蛮行に正しい動機などありえるはずがない。 

【9】 欧米では、ナチスやヒトラーを肯定するような閣僚の発言は直ちに進退問題につながる。安倍政権の重鎮である麻生氏が、このような発言を国内外に発信した責任は重い。 

【10】 ナチスを引き合いに出した麻生氏の発言は、今回が初めてではない。 

【11】 2013年には憲法改正をめぐり、「ある日気づいたら、ワイマール憲法がナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口に学んだらどうかね」と発言。批判を浴びると、「誤解を招く結果となった」と撤回した。 

【12】 麻生氏はきのうのコメントでも「私の発言が誤解を招いたことは遺憾だ」と釈明した。 

【13】 発言が問題視されると、誤解だとして撤回し、とりあえず批判をかわす。自らの発した言葉への反省は置き去りにし、また過ちを重ねる……。 

【14】 麻生氏に限らず、そんな軽々しい政治家の言動を何度、見せつけられてきたことか。 

【15】 政治家にとって言葉は命である。人びとを動かすのも、失望させるのも言葉によってだ。 

【16】 その言葉がこれほどまでに無神経に使い捨てられている。 

【17】 そんなものかと、この状況を見過ごすことは、この国の政治と社会の基盤を掘り崩すことにつながる。

理解不能なのは、朝日の屁理屈の方だ。

 
 当該麻生副総理の「失言」は、上掲朝日社説によると、以下の通りである。

①1> 「(政治家になる)動機は私は問わない。結果が大事だ。
①2> いくら動機が正しくても、何百万人も殺しちゃったヒトラーは、
①3> やっぱりいくら動機が正しくてもダメなんですよ」

 順番に解釈していこう。上記①1>で麻生副総理は「政治家になる動機」について語り始める。上掲朝日社説が()書きで補足してくれているから、他に解釈のしようがない。正直、上記①1>の「()書き」がなかったら、私(ZERO)自身さえ「まんまと朝日新聞のプロパガンダに引っかかった」可能性を、認めないわけには行かない。

 だが、「朝日新聞のジャーナリズムとしての良心」がしからしめたのか、上記①1>の()書きで、「麻生副総理は”政治家になる動機”について語り始めている」事も、「”政治家になる動機”は問わない。問題にしない。」と明言していることも、これ以上なさそうなくらいはっきりと判る。

 さらに続く上記①1>「結果が大事だ。」は、敢えて言い換えれば「政治家としての結果・成果こそが問題だ。」であり、上述の「政治家になる動機」と「政治家としての結果・成果」が対比されている。ふつうに考えれば、これ以外の解釈はちょっとなさそうだ。

 なればこそ、今回「失言」の中心・中核上記①2>~①3>は、ヒトラーを引き合いに出して「何百万人も殺しちゃった」=「ヒトラーの政治家としての結果」と「正しい、ヒトラーの政治家になる動機」を対比し手、「正しい動機で政治家となった」としても「政治家としての結果=ユダヤ人虐殺がダメ」ならば「ダメだ」と断じている。
 
 上記①1>の「政治家になる動機は問題ではない。政治家としての結果が大事だ。」の裏返しで「政治家になる動機は正しかった(としても)、政治家としての結果がダメだった。だから、ダメだ。」と、「ヒトラー」「ユダヤ人虐殺」というインパクト大な材料で説明している。その説明は首尾一貫しており、何ら非難に値しない。せいぜい、「何もヒトラーやユダヤ人虐殺を題材にしなくても良いのでは?」と非難されるのが関の山の「失言」だ・・・普通に考えれば。

 もとい。私(ZERO)が普通に考えれば。

 「ヒトラーは、ユダヤ人虐殺するために(=動機として)政治家になった」事が前庭だと、上記の私(ZERO)の解釈は成立しない。だが、そうではない=「ヒトラーがユダヤ人虐殺以外の、少なくともある意味”正しい”動機で政治家を目指した」可能性を、端っから排除するべきでは無かろう。また、麻生副総理がそんな可能性を念頭に置いたとて、非難する筋合いはない。

 「殆ど生まれながらの右翼」である私(ZERO)と朝日新聞の「考え方が違う」のは当たり前(*1)だが・・・上掲朝日新聞社説は、上記①1>~①3>ノア僧服総理発言に対し、以下のように続ける。

①4>  何が言いたいのかよくわからないが、
①5> ヒトラーが率いたナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺(ホロコースト)に、
①6> 正当な動機があったとの考えを示したとも受け取られかねない。

・・・上記①4>「何が言いたいのかよくわからない」ならば、「そもそも論評する資格がない」ようにも思うが、その「よくわからない麻生副総理発言」に対し上記①5>~①6>の通り「受け取られかねない」と婉曲表現しつつ「麻生副総理”ヒトラー発言”=ユダヤ人虐殺用語論との疑義」を提示する。
 言い換えれば、朝日新聞には、上記①1>~①3>の麻生副総理”ヒトラー”発言の「政治家となる動機」と「政治家としての結果」の「対比」が「よく」どころか「全く判らなかった」らしい。
 俄には信じ難いが。何しろ上記①1>にて「動機」の前に「政治家になる」を()書きで加えているのは、他ならぬ朝日新聞だ。「敢えて解釈を曲げた=曲解した」と考える方が、自然だ。

 何しろ上記①6>に続く上掲朝日社説は麻生副総理は、ユダヤ人虐殺を”正しい”と肯定した」事を前庭としての非難・・・と言うより誹謗中傷なのだから。端っからこの誹謗中傷のために「曲解」して見せたと、考えるべきだろう。

①7> 「私がヒトラーについて、極めて否定的にとらえていることは発言の全体から明らかであり、
①8>  ヒトラーは動機においても誤っていたことも明らか」 

と、上記①1>~①3>発言に対する非難に対し、麻生副総理が「弁明」しているが、上記①1>~①3>の先行麻生副総理の「政治家になる動機と、政治家としての結果の、対比」を敷衍すれば、上記①8>の「ヒトラーの誤っている動機」は「ユダヤ人を虐殺した動機」であろう。ああ、理の当然かも知れないが、こちらには朝日新聞自身の注釈、()書きは、ないが。

 左様解釈すれば、麻生副総理の一連の発言は、首尾一貫し、矛盾無く、何らの問題もない。

 当該麻生副総理発言を「ユダヤ人虐殺を擁護したと受け取られかねない」為には、朝日新聞級の曲解ないし日本語能力欠如が必要であろう。

<注記>

(*1) 訂正する。戦後この方70年以上に限れば、当たり前。 

②【毎日新聞社説】 麻生副総理の「ヒトラー発言」 撤回して済む話ではない 
毎日新聞2017年8月31日 東京朝刊

【1】 どうしてこんな発言を繰り返すのか。全く理解できない。

【2】 麻生太郎副総理兼財務相が、ナチス・ドイツの独裁者、ヒトラーの動機は正しかったと受け止められる発言をし、きのう慌てて撤回した。

【3】 だが、「誤解を招いた」と撤回すれば済む問題ではない。なぜ、わざわざ大量虐殺を生んだナチスのヒトラーを持ち出す必要があるのか。まさに麻生氏の動機に疑問を抱く。

【4】 発言は自ら率いる自民党麻生派の研修会で飛び出した。

【5】 「少なくとも(政治家になる)動機は問わない。結果が大事だ。何百万人も殺しちゃったヒトラーは、いくら動機が正しくてもダメなんだ」

【6】 「ヒトラーの動機」とは何を指すかは不明だが、同派所属の議員に政治家としての心得を指南する文脈の中での発言だった。

【7】 批判を受けて麻生氏は「真意と異なる」「あしき政治家の例としてヒトラーをあげた」等々と釈明する撤回コメントを発表した。

【8】 しかし、発言の真意をそう受け取れというのは無理がある。

【9】 麻生氏は2013年にも憲法改正に関し、ナチス政権を引き合いに出したうえで「手口を学んだらどうかね」と語って後に撤回している。その反省はなかったというほかない。

【10】 この発言の際には、ユダヤ系人権団体が批判声明を出すなど国際問題となり、政府は沈静化に追われた。にもかかわらず繰り返すのは、どこかでナチスを評価したがっているのではないかと疑わざるを得ない。

【11】 加えて、政治家になる動機は問わないという発言にも問題がある。最近の「議員の劣化」状況を持ち出すまでもなく、結果だけでなく、政治家を目指す動機も大切だ。

【12】 米国では白人至上主義団体と反対派との対立が続き、人種差別問題が改めて深刻になっている。

【13】 反対派に車で突入して死傷者を出した事件の容疑者はヒトラーの崇拝者だった。そしてトランプ大統領が当初、双方に非があると発言し、批判を浴びたのは記憶に新しい。

【14】 そんな国際的な現状認識が麻生氏にあったようにも思えない。

【15】 日本国内の一部にもナチスを肯定するような言説がある。麻生氏らの姿勢がこうした傾向を助長しているとすれば責任は重大だ。

【16】  撤回してすむ問題ではない

麻生副総理の「弁明」をまともに引用しない分、朝日よりもひどい毎日社説

 
 なおかつ、やっぱり元々の麻生副総理”ヒトラー”発言を朝日新聞同様に曲解して、「政治家になる動機と、政治家としての結果の対比」を無視している。あまつさえ麻生副総理の「弁明」を 

②1> しかし、発言の真意をそう受け取れというのは無理がある。

とまで断じた上で、過去の「失言」を引用し、KKKのヒトラー崇拝者(今回の件とは、ヒトラーつながりでしかない。)、以下の通り結論づける。

②2>  日本国内の一部にもナチスを肯定するような言説がある。
②3> 麻生氏らの姿勢がこうした傾向を助長しているとすれば責任は重大だ。

 ああ、多分、逆だな。

 「日本国内の一部にヒトラーやナチスを肯定する意見があり、麻生副総理含む安倍政権はその傾向を助長している。」ってのが前提として先にあり、安倍首相なり安倍内閣閣僚なりが「ヒトラー」とか「ユダヤ人虐殺」とかのキーワードが入った発言をすれば「自動的に失言扱いして非難する社説を出すよう、準備されていた。」左様に考えれば、上掲①朝日新聞社説及び上掲②毎日新聞社説に見られる「麻生副総理発言に対する曲解」は理解できる。

 さもなければ、朝日新聞記者も、毎日新聞記者も、両紙のデスクも、高校レベルから国語教育を履修し直す必要があるぞ。

 無論、両紙記者並びにデスクが、日本の高校レベル国語教育を、既に履修しているのならば、だが。