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【朝日社説】首相改憲発言 国民の目そらす思惑か
2017年6月27日05時00分

【1】 安倍首相が先週末の講演で、自民党の憲法改正原案について「来たるべき臨時国会が終わる前に、衆参の憲法審査会に提出したい」と語った。

【2】 2020年の改正憲法施行をめざし、これまで年内に原案をまとめる意向を示していた。臨時国会に言及することで、さらにアクセルを踏み込んだ形だ。

【3】 強い疑問が浮かぶ。日本はいま、それほど改憲を急がねばならない状況なのだろうか。

【4】 首相の主張の中心は戦争放棄と戦力不保持をうたう9条の1項と2項を維持しつつ、自衛隊を明記するというものだ。

【5】 だが自衛隊には幅広い国民の支持がある。明記を急ぐ合理的な理由があるとは思えない。

【6】 もう一つ、首相があげているのが高等教育の無償化だ。

【7】 これは憲法に書くか否かではなく、財源の問題だ。財源を用意し、自らの政策判断で進めれば改憲しなくてもできる。

【8】 本紙の主要企業100社アンケートでも、首相のめざす「20年の憲法改正」を「めざすべきだ」と答えたのはわずか2社。39社が「時期にはこだわるべきではない」と答えた。

【9】 そんな状況下でなぜ、首相は改憲のアクセルをふかすのか。

【10】 内閣支持率の急落を招いた、加計学園の問題から国民の目をそらし、局面を変えたい。そんな思惑はないか。

【11】 首相は講演で語った。「(獣医学部の新設を)1校だけに限定して特区を認めたが、中途半端な妥協が結果として国民的な疑念を招く一因となった」「速やかに全国展開をめざしたい」

【12】 明らかな論点のすり替えだ。

【13】 問われているのは、規制改革が「中途半端」だったかどうかではない。首相の友人が理事長を務める加計学園が事業主体に選ばれた過程が、公平・公正であったかどうかだ。

【14】 首相が今回、講演先に選んだのは、産経新聞の主張に賛同する任意団体「神戸『正論』懇話会」だった。5月には読売新聞のインタビューと、日本会議がかかわる改憲集会に寄せたビデオメッセージで「20年改憲」を打ち出した。

【15】 主張の近い報道機関や団体を通じて改憲を説く一方で、国会で問われると、読売新聞を「ぜひ熟読して」と説明を避ける。まさにご都合主義である。

【16】 首相がいまなすべきは、憲法53条に基づく野党の要求に応じて速やかに臨時国会を開き、自らや妻昭恵氏に向けられた疑問に一つひとつ答えることだ。

【17】 憲法無視の首相が、憲法改正のハンドルを握ることは許されない。

 「狂気の沙汰」と評する理由

 
 まず第一に、殆ど日本国憲法発布以来、少なくとも自衛隊発足以来「日本の宿題事項」であり続けた「憲法9条改正」を「急ぐべきではない」と断言できてしまう極楽とんぼぶりだ

 その急ぐべきでない」根拠として上掲朝日社説が掲げるのは、「自衛隊には幅広い国民の支持がある」「パラグラフ5」と「朝日新聞の主要100社アンケートで”2020年改憲を目指すべき”としたのは2社だけだった」「パラグラフ8」

 後者はまだしも、前者は実にふざけた理由だ
。「自衛隊に幅広い国民の支持がある」ならば、憲法学者の相当数が「自衛隊は憲法違反」と解釈する余地を残しているような憲法9条は「さっさと自衛隊を合憲としか解釈できない様に改正する」事こそ「民意に沿う」と言うもの。それをしない/してこなかったのを「政治の怠慢」と糾弾するどころか、今頃今更「急ぐべきではない」なんて、どの面下げて抜かすんだ。

 上掲朝日社説タイトルとなり、社説後半に縷々述べられている「安倍首相が改憲を急ぐ(最大の)理由」はさらにヒドい。

1> 内閣支持率の急落を招いた、加計学園の問題から国民の目をそらし、局面を変えたい。
2> そんな思惑はないか。

 そりゃ「支持率10%の低下」は「急落」と評するに足りよう。だが、それでも40%以上の支持率がある上、不支持率こそ拮抗ないし逆転下ものの、野党支持率とは桁違いの差が未だにある。

 大体、森友学園にしろ、加計学園にしろ、「問題」とするのも恥ずかしい様な「出来損ないのスキャンダル」だ。

 前者については「森友学園の籠池理事長と安倍首相夫人の間に関係があった」って事が、さんざん大騒ぎしてわかった、だけ。「政治介入」どころか「国有地の不正売買」すら立件するほどの証拠すらない。

 後者に至っては、「加計学園の経営者と安倍首相がお友達」ってのと「”首相の意向”ってのがお役所では結構な殺し文句になっている」と判っただけ。その”首相の意向”を「確かに首相から伺った意向です」って証人すらいないし、首相当人は否定している。

3> 問われているのは、規制改革が「中途半端」だったかどうかではない。
4> 首相の友人が理事長を務める加計学園が事業主体に選ばれた過程が、
5> 公平・公正であったかどうかだ。

と、上掲朝日社説は息巻くが、「首相は特段の支持は出していないと、証言している」「手続き条の瑕疵はない」以外の一体どんな方法で「公平・公正を保証しろ」ってやぁがるんだ、朝日は。

 こんな森友&加計”問題”や、そんな朝日社説程度のロジックで低下するような支持率ならば「放っておけ」と、私(ZERO)なら断言してしまう。が、そこは安倍首相は政治家だから、支持率の低下は気にするかも知れない(*1)。上記1>のような「思惑」が、安倍首相にある可能性も、否定は出来ない。
 
 が、そうだとしても今回の「首相改憲発言」を私(ZERO)は支持する。何故ならば、改憲、なかんづく憲法9条改憲は、「出来損ないのスキャンダル」でしかない森友&加計学園”問題”なんぞより遙かに重大かつ喫緊であるから、だ。

 朝日こそ、朝日だ。オマエラ憲法9条改憲に反対ならば、反対の根拠・論拠をしっかりきっちり揃えやがれ。オマエラが必死扱いて「問題化」した森友&加計学園「問題」を「改憲よりも重要だ」なんて間抜けな論陣張ってるんじゃない。

 スキャンダル追求が、憲法論議よりも重要だ」ってロジックは「狂気の沙汰」とは思わないのか。

 よし、思わないとしても、、恥ずかしくはないのか世よ。その姑息さと無能さがよ。

<注記>

(*1) 世の中には、「支持率0%になっても首相の座を降りない」と公言し、ほぼ実行した「政治家」居るんだが。
 「見習え」とは、言わないがね。