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 以下に掲げるは、相変わらず安倍首相の憲法9条改憲発言を批難している朝日新聞社説である。「安倍首相の憲法9条改憲発言を批難」しているのだから、「ある種の護憲を主張している」、筈であるが、その朝日新聞社説が「日本国憲法に違反する疑いのある主張となっていると、私(ZERO)には思われた。

 「ある種”護憲”を主張している、筈の朝日新聞社説が、何故”日本国憲法違反の疑いアル”主張となるのか」は…まあ、当該朝日社説を御照覧の上、御一考あれ。

【朝日社説】(社説)憲法70年 国民分断する首相方針

2017年5月16日05時00分

【1】  衆参両院で3分の2を超える自民、公明、維新など「改憲勢力」の数の力で、安倍首相が提案した憲法9条改正を発議させる――。そうした構図が見えてきた。

【2】 首相は先週末、自民党憲法改正推進本部の保岡興治本部長に対し、衆参の憲法審査会に提案する案のとりまとめを急ぐよう指示した。それに先立つ同本部の幹部会では首相補佐官が、自公維による国会発議が首相官邸の意向だと発言したという。

【3】 一連の首相の指示は二つの意味で筋が通らない。

【4】 ひとつは、憲法改正を発議する権限は国会にあるということだ。行政府の長である首相が自らの案を期限を切って示し、強引に動かそうとするなら、「1強」の暴走と言うしかない(*1)。

【5】 二つ目は、衆参の憲法審査会で現場の議員たちが培ってきた議論の基盤を崩すことだ(*2)。

【6】 憲法改正原案を審査する役割を持つ憲法審は、2000年に設置された旧憲法調査会以来、小政党にも平等に発言機会を認めるなど、与野党協調を重んじる運営を続けてきた。

【7】 憲法は国の最高法規だ。通常の法案や予算案以上に、その扱いには幅広い政党間の合意形成が求められる。

【8】 だからこそ憲法審の議員たちは、与野党を超えた合意づくりを心がけてきた。その関係を、首相が壊したのは今回が初めてではない。

【9】 第1次政権だった07年の年頭会見で「憲法改正を私の内閣でめざしたい。参院選でも訴えたい」と表明。与野党の協調ムードを踏みにじった(*3)。

【10】 それでも首相の前のめり姿勢は変わらない。12年末には改憲の国会発議のハードルを衆参の3分の2以上の賛成から過半数に下げる96条の先行改正を持ち出し、野党や世論の反発を受けて封印した。

【11】 改憲にこだわる首相の姿勢と国民の思いには落差がある。

【12】 本紙の世論調査(*4)では、今回の首相の改憲提案を47%が「評価しない」とし、「評価する」の35%を上回った。首相の言う9条改正についても「必要ない」が44%で、「必要だ」は41%だった。民意は二分されている(*5)。

【13】 首相に一番力を入れてほしい政策を聞くと、社会保障29%、景気・雇用22%と続き、憲法改正は5%に過ぎなかった(*6)。

【14】 憲法改正は、多くの国民が必要だと考えた時に初めて実現すべきものだ。

【15】 首相の意向だからと、世論を二分する改正を数の力で押し通せば、国民の間に深い分断をもたらす恐れがある。


<注記>

(*1) 別に「一強」であろうがなかろうが、国会での与党の党首が日本国首相であるのは通例ではないか。そりゃ「一強ではない」ならば、「連立与党の党首が日本国首相」となる場合もあるが、それは極少数だろう。村山富市ぐらいじゃないのか。あの「戦後最悪の首相」の座を、菅直人、鳩山由紀夫と争い「戦後ワースト3首相」の座は揺るぎそうにない、村山富市ぐらいしか。 

(*2) その憲法審査会が、真面に改憲案すら出さないからこそ、首相発言ではないのかね。 

(*3) オイオイ。首相が「憲法改正を私の内閣でめざしたい。参院選でも訴えたい」と表明したら「踏みにじられる」様な「与野党の協調ムード」って、一体どんな「ムード」だよ。
 どんな「与野党の協調ムード」が、何故「踏みにじられた」の家、解説が必要だろう。 

(*4) 即ち、「朝日新聞の世論調査」だ。 

(*5) 朝日新聞の世論調査で「民意が二分されている」ならば、これは「国民の相当数が改憲に賛成」ってこと、ではないのかね。
 そりゃ朝日新聞としては、「朝日新聞の世論調査」にそれなりの自信もあるのだろうけれどね。 

(*6) 何、「民意に阿るため、改憲は断念しろって主張かね。大衆迎合でも新聞社は構うまいが、政治家が大衆迎合だけしていたら、大問題だろうが。 

【問題】上掲朝日新聞社説から、日本国憲法違反であたる可能性がある部分を抽出しなさい


 とまあ、久々に「問題」形式の章題だが、読者諸兄はお気づきだろうか。
 
 未だお気づきでない読者諸兄は、今一度上掲朝日社説を読んで「何処が日本国憲法に違反する可能性があるか」、考える事をお勧めする。

―-―――――――――-(間)-------------------------------------

 では、私(ZERO)が用意した解答から行こうか。


【解答】
<1> 憲法改正は、多くの国民が必要だと考えた時に初めて実現すべきものだ。 パラグラフ【14】

 さて、何故上記<1>が「日本国憲法違反の可能性がある」かを解説しよう。
 
 日本国憲法は、その発布以来タダの一文字も改憲されていない憲法ではあるが、曲がりなりにも改憲のための手続きを(一応)内蔵している。それが「改憲の発議は国会の2/3以上に依る」であり、然る後に「国民投票で過半数の賛成を得て改憲される。」である。あまりの「ハードルの高さ」、特に前段「国会の2/3以上に依る改憲発議」の困難さ故に「殆ど改憲不可能」とさえ思われた改憲手続きだが、それこそ日本国憲法に「文字として書かれている」。

 然るに上に掲げた解答<1>多くの国民が改憲は必要だと考える」事を「改憲実現の条件」と規定している。これは、憲法改正手続きを定めた日本国憲法に、さらなる【改憲実現の条件」を付加しているから、「現行・日本国憲法違反の可能性がある」。

 ああ、上記<1>「多くの国民が必要だと考えた時と言うのを、上記日本国改憲手順の後段「国民投票の結果、過半数の賛成」を指すならば、上記の「日本国憲法違反の可能性」は無くなる。しかし、上記<1>パラグラフ【14】の直前、パラグラフ【11】~【13】にて、

2> 改憲にこだわる首相の姿勢と国民の思いには落差がある。 パラグラフ【11】

として、「改憲に拘る安倍首相」との対比で改憲を求めていない(*1)日本国民」について記述しているのだから上記<1>「多くの国民が必要だと考えた時」=「日本国憲法改憲手続きの後段である国民投票の結果、改憲が承認された時」とは、到底解釈できない。従って「上掲朝日新聞社説の上記<1>パラグラフ【14】は、現行日本国憲法に記載されている憲法改正条件に反する疑いがある。従って、日本国憲法違反の疑いがある。」章題に掲げた問題に対する解答が、上記<1>となる、訳だ。QED.

更に考察を重ねるならば…

 
 上記解説で述べて通り、上記<1>で言う「多くの国民が(改憲は)必要だと考えた時」=「日本国憲法改憲手続きの後段である国民投票の結果、改憲が承認された時」と解釈するならば、上掲朝日社説の「日本国憲法違反の疑い」は解消する。

 だが、その場合、「多くの国民が(改憲は)必要だと考えた」事は改憲承認の国民投票で示されるのだから、上記<1>パラグラフ【14】は、「国会が改憲を発議し、国民投票に改憲承認をかける事を阻止する理由にはならない事になる。

 「それでは都合が悪い」らしい。上掲記事パラグラフ【12】の朝日新聞世論調査結果(笑)からすると「憲法9条改正案は、国民投票で否決される」と、推定出来るのに、な。で、最後の最後、〆のパラグラフ【15】が「効いて」くる。

3>  首相の意向だからと、世論を二分する改正を数の力で押し通せば、
4> 国民の間に深い分断をもたらす恐れがある。

 確かに「効いて」は居るが、全く呆れる他ないな。
 
 上記3>~4>・パラグラフ【15】を言い換えるならば、「日本国憲法の改正には、日本国憲法自身に記載された改憲手続きの他に日本国民の圧倒的改憲支持が(*2)必要である。」と言う主張であり、「日本国憲法改正手続きの、ハードルアップだ。

 お前ら、朝鮮人か!

 って、朝日新聞社説記者には、訊くだけ野暮かな。

 さはさりながら…「国民投票の過半数で改憲承認」である日本国憲法自身に記載された改憲手順では、「世論を二分する」と言う事は大いにあり得る事。であるのに対し、上記3>~4>(及び、パラグラフ【11】)の通り改憲に対する日本国民の圧倒的支持(*3)」要求すると言う事は、いったんは、免れた「日本国憲法違反の疑い」を[やっぱり]生起させている。

 日本国憲法自身に記載された改正手続きを蹂躙してまで「日本国憲法を守れ」とする主張は、単なる「護憲論」ではなかろう。

 「日本国憲法原理主義者」とでも、呼ぶ可きかな。

 いや、違うかな。詰まる所「日本国憲法を守る=護憲」ではなく、「日本国憲法9条を守る」=憲法9条信仰って事、なのかも知れない。

 「信じる者は救われる」ってぇが、幾ら朝日新聞が日本国憲法9条を「信じ」たところで、北方四島も竹島も戻って来なければ、尖閣諸島も沖縄も守れないし、北朝鮮の核兵器も中国共産党の侵略も阻止したりも出来ない事は、賭けても良いぞ。

<注記>

(*1) と、朝日新聞世論調査の結果(笑)が示す 

(*2) それも、国民投票による過半数承認なんてモノではなく、圧倒的な。
 どれぐらいなんだろうねぇ。2/3かねぇ。アホクサ。 

(*3) 「国論を二分しない」と言う事は、そういう事だよ、ねぇ。他に解釈のしようは、ないよ、ねぇ。