応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/


古賀茂明「北朝鮮、シリア 日本の危機が安倍総理のチャンスになる不可思議」


【1】 北朝鮮と中東における緊張が急激に高まっているが、日本人が、戦後初めて戦争に巻き込まれる危機が、すぐそこまで迫っているということに、どれだけの人が気付いているだろうか。

【2】 北朝鮮が頻繁にミサイル発射実験を行い、「射程距離を延ばした」「一度に何発も同時発射した」「移動式発射装置が多用されている」「潜水艦からの発射技術が格段に向上した」「北朝鮮が在日米軍基地攻撃を明言した」「把握が難しい移動式発射装置や潜水艦から、一度に数発発射されては、日米の迎撃体制でも対応しきれない」という報道が続いている。予測不能のトランプリスクが日本を戦争に巻き込むのか

(C)朝日新聞社著者:古賀茂明(こが・しげあき)1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。主著「日本中枢の崩壊」など。「シナプス 古賀茂明サロン」主催。: 予測不能のトランプリスクが日本を戦争に巻き込むのか (C)朝日新聞社 著者:古賀茂明(こが・しげあき) 1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。主著「日本中枢の崩壊」など。「シナプス 古賀茂明サロン」主催。c dot. 予測不能のトランプリスクが日本を戦争に巻き込むのか (C)朝日新聞社 著

【3】 しかし、「危機」という言葉が報じられる一方で、国民に本当の「危機感」が広がっているようには見えない。その原因はどこにあるのだろうか。

【4】 昨年、米国大統領選で、ドナルド・トランプ氏が勝利すると、マスコミは、「トランプは日本の防衛に責任を持ってくれないかもしれない」「在日米軍経費をもっと負担しろと言ってくるに違いない」などと報道をして、国民の不安を煽った。官邸が流す情報をその注文通りに垂れ流したのだ。

【5】 大統領選が終わると、安倍総理は、ゴルフクラブをお土産にして、真っ先に「ご挨拶」に訪れ、年明けにも世界の嘲笑を浴びながら、トランプ氏へのおべっか外交で得点稼ぎを試みた。

【6】 トランプ氏の「日本を100%守る」という言葉を引き出し、安倍官邸は、「大成果」だと喧伝した。

【7】 こうした報道を繰り返し聞かされた国民は、次のように考えた。

【8】――北朝鮮はいつ日本にミサイル攻撃を仕掛けるかわからない。もし、米国が日本を見放したらと思うと背筋が寒くなる。幸い、安倍さんがうまくやってくれた。何かあったら、トランプさんが守ってくれる。安倍さんは、トランプさんの親友になったのだから――

【9】 日本の国内には、このような奇妙な安心感が生まれたのだ。

【10】 さらに、この思考回路は、暗黙のうちに、次のような論理を肯定する。

【11】――安倍さんとトランプさんが仲良くすることが何より大事。そのためには、多少譲歩しても仕方がない。トランプさんが望むことを、日本自ら進んでやることによって、向こうに恩を売り、さらに両国の絆を強いものにして欲しい――

【12】 こうした米国追従外交への暗黙の了解の醸成が進むのに合わせて、安倍官邸と自民党は呼吸を合わせて、一気に「朝鮮戦争」への参戦に備える体制整備に入った。

【13】 3月30日、自民党は、「日本も敵基地を攻撃する能力を持つべき」との提言をまとめ、安倍政権に提出した。

【14】 提言では、敵基地攻撃能力の整備のために、トマホークなどの「巡航ミサイル」の装備などの具体策まで掲げ、北朝鮮とのミサイル戦争に備えて、イージスアショア(陸上配備型イージスシステム)やTHAAD(終末段階高高度地域防衛)の導入にも触れている。国会での議論が全く行われないまま、話がどんどん進んでいるのである(※1)。

【15】 表向きは、敵基地「攻撃」能力ではなく、敵基地「反撃」能力という言葉を使って、あくまでも、敵が攻撃してきた時だけのための敵基地攻撃だと言っているが、それにとどまると考えるのは人が好過ぎるだろう。例えば、米国が、「北朝鮮が在日米軍基地を攻撃するという確実な情報を入手した」と称して、日本を守るために北朝鮮を攻撃してやるから、一緒に戦おうと言った場合、自衛のための戦争だとして、日本が北を攻撃することにつながるであろう。そうなれば、日本が事実上の先制攻撃を行うことにつながる。

【16】 これまで一貫して堅持してきた、日本の「専守防衛」という安全保障政策が完全に放棄されることになるわけだ。

【17】 もちろん、トマホークなどの整備には時間がかかる。「今そこにある危機」への対応とは別問題だ。しかし、こうした動きの根底には、日本が、積極的に米国とともに戦争に参加することが日本の安全のためになるという考え方、さらには、対北朝鮮では、先制攻撃でミサイル戦争に勝つことが良策であるという危険な考え方が存在する。

【18】 もちろん、米国が要請しても、自由に日本が断れるのであれば、その心配も少しは小さくなる。しかし、「世界中のメディアの前でここまですり寄ったのだから、安倍は、今後、トランプのどんな要求も断ることができなくなった」という米国共和党関係者の見方がある。確かに、あれだけ派手にすり寄って、固い握手を交わし、抱擁し合った姿を世界中に晒しておいて、トランプ氏の「一緒に戦おう」という誘いを断ることなど、誰にも想像できない。日本に選択の自由はないというのが実情だ。

【19】 これは、日本国民から見ると極めて心配な状況だが、安倍総理本人は、まったく気にしていないだろう。なぜなら、米国が潜在的に要求している、日本の自主防衛努力(防衛費の抜本的増額)、それによる米国製武器の大量購入、さらには、自衛隊の海外派遣による米軍への貢献は、米国の要求を待つまでもなく、安倍総理自らが進めたい政策だからだ。

【20】 つまり、日本国民にとっての危機が、むしろ、安倍総理にとっては、チャンスなのである。この「国民にとっての国益」と「安倍総理にとっての国益」のズレこそが、今日本が抱えている最大の危機なのかもしれない。

【21】 米中首脳会談を目前にした4月3日に、トランプ大統領は、「中国が解決しなければ、我々がやる」と、北朝鮮の核基地への「先制攻撃」を示唆する発言をした。さらに、6日の首脳会談中には、シリアのアサド政権への初めてのミサイル攻撃を実施して世界を驚かせた。これは、北朝鮮に対する威嚇でもある。

【22】 政権発足以来、選挙中の公約が次々と議会に拒否されるなど、さえない状況が続き、支持率も史上最低というトランプ大統領が、海外でのクライシスを演出することで米国民の関心を内政から外政へとそらしたいと考えても全く不思議はない。危機を演出して、「いまこそ団結を!」と訴え、求心力を取り戻す作戦だ。

【23】 トランプ政権が北朝鮮を攻撃すれば。金正恩委員長はすぐ対米報復に動く。しかし、米本土を攻撃する能力はないので、ターゲットの最有力候補は在韓あるいは在日米軍基地ということになる。

【24】 この時、トランプ大統領は、盟友安倍総理に、「一緒に戦おう」と声をかけるだろう。安倍総理は、日本は攻撃を受けていないという理由で、参戦を断れるだろうか。前述したとおり、首脳会談で、異常なまでのトランプ氏へのすり寄りを見せておいて、いまさら、「別行動」などとは口が裂けても言えないはずだ。何らかの理由を作って参戦するだろう。

【25】 その時、国民は、どう反応するのか。

【26】 私はマスコミが、「今は戦時。国民が一致団結することが大事。政権批判は、北朝鮮を利するだけだ」という論調を展開し、国民も漫然とそれに従うことを心配している。

【27】 しかし、ひとたび参戦すれば、日本は、まさに、米国と並び北朝鮮の敵となり(※2)、在日米軍基地だけでなく、日本全土の原発や東京などの大都会が攻撃されることになる。

【28】 先制攻撃でミサイル基地を全滅させればよいという主張もあるが、北朝鮮のミサイル技術は進歩している。一度に4発のミサイルを移動式発射台から同時に撃つ能力も誇示したし、潜水艦からのミサイル発射もできる。マレーシアで、白昼堂々金正男氏をVXガスで殺害したのは、戦争にVXを使用すると宣言したとも理解できる。VXガス搭載ミサイルが何十発も飛んでくることを覚悟するべきだろう。もし、何十発かのミサイルのうちの数発でも撃ち損じれば、国内の犠牲者数は数千人単位になるかもしれない(※3)。

【29】 日米韓が協力し、ロシア、中国が北朝鮮を支援しなければ、日米韓連合軍が北朝鮮に勝つことは確実かもしれない。しかし、数千の犠牲者を出して、「勝った、勝った」と喜べるのだろうか(※4)。

【30】 もちろん、北朝鮮を米国が攻撃するのは、そう簡単な決断ではない。中国やロシアが反対するのは確実だし、韓国も大きな被害を受ける。韓国や日本の米軍基地の被害も覚悟しなければならない。

【31】 そう考えれば、今すぐにもこうした事態が生じるとは考えにくい。しかしそれでも、予測不能なのが、トランプ氏である。最悪のシナリオは想定しておくべきだろう。

【32】 いずれにしても、日本人が、本当に安倍政権の対米追随路線の怖さに気づくのは、やはり、前述した北朝鮮とのミサイル戦争に巻き込まれて、日本の国土が戦場と化し、数千人の死傷者を出すときまで待たなければならないのかもしれない。

【33】 そういう事態になって、初めて日本の国民は気づく。

【34】――あの時、日本は米国を止めるべきだった。中ロと協力してでも、北朝鮮との戦争を止めて欲しかった――と(※5)。

【35】 そして、私たちは、次のような疑問に突き当たるだろう。

【36】 日米安保条約と在日米軍基地があるから日本の安全が守られるというのは間違いだったのではないか。日米安保条約と在日米軍基地があったからこそ、日本が無用な戦争に巻き込まれることになったのではないか(※6)。

【37】――政治の役割は二つある。一つは、国民を飢えさせないこと。もう一つは、これが最も大事です。絶対に戦争しないこと――

【38】 これは、菅原文太さんが亡くなる約4週間前に沖縄で行った最後のスピーチの有名な一節だ。(※7)

【39】 今、日本人は、この言葉をかみしめて、日本が進むべき道について、根本から考え直すべきではないだろうか。(文/古賀茂明)


<注釈>

(※1) そりゃ、国会で「森友問題追及」とか「テロ防止法は我が国最大の危機」とか喚くばかりで等の問題に対しても殆ど実のある議論をせず、他の方案は等閑にふすばかりの野党に、少なくとも一半の責はあろう。 

(※2) 同義反復だな。参戦している以上、北朝鮮は日本の敵であるし、北朝鮮にとって日本は敵なのは、理の当然だろう。
 大体、ここまでのストーリーでも「北朝鮮が、日本を攻撃する」って事が、確信されているんじゃぁないか。
 戦争を、何だと思ってるんだ? 

(※3) 数発のミサイルで、数千人の死傷者、ねぇ。単純計算で1発千人。一体、どんな弾頭を想定しているんだろうねぇ。 

(※4) 本当に「戦争をなめている」な。 

(※5) はぁ?北朝鮮とのミサイル戦争によって「数千人の民間死傷者」を出さないために、かね?しかも、このストーリー/シナリオに於いても、日本は「戦勝国」となり、北朝鮮が今まさに有している「危機」を脱する事が出来るのに、かね? 

(※6) 「無用な戦争」とは、恐れ入るな。 

(※7) 馬鹿言っちゃいけない。「もう一つ」は「国として存続すること」即ち安全保障であり、戦争は、「戦争しない」選択も含めて、そのための一手段だ。
 「絶対に戦争しないこと」なんてのは、願望ではあるかも知れないが、防衛戦争さえ否定しているのだから、安全保障になぞなり様が無い。
 「絶対戦争しない」ことが、「不戦敗」にしかならない状態があり、配線は、普通は亡国=国が無くなる 事であり、国が無くなっては「国民を飢えさせない」も保証し様が無い。
 そんな簡単な事も理解できないのは、キチガイと言うべきだ。 

そいつは見物だ。賭けるかね?

 さらに言うならば、どうやら朝日新聞と縁浅からぬ(※1)らしい古賀茂明氏に依る上掲記事に於いても、「北朝鮮と日本が戦争になって日本に数千人の民間人死傷者が出る」まで「安倍政権の怖さや、日米安保によって戦争に巻き込まれる可能性に、国民は気付かない(かも知れない)」と言うのだから、「安倍政権の鉄板人気」は、実に全く大したもの、と言う可きかな。ああ、「日米安保の安全神話」も、かな。

 いやさ、古賀茂明さんよ。「最悪の事態を想定し、備えるべき」ってのは私(ZERO)も賛成だ。だが、「北朝鮮に対し日米が先制攻撃を仕掛け、日本に民間人数千人(※2)の死傷者が出る」なんてのは、全然最悪じゃぁない。何しろ上掲記事のこのストーリー/シナリオの中で日本は「勝って」いるのだから(※3)。「日本が先制攻撃する」と言うのが、古賀茂明さんにとっての「最悪のケース」ではあるのかも知れないが。何しろ上掲記事終盤の【パラグラフ37】で、俳優の故・菅原文太氏の言を引用して、

1〉 ――政治の役割は二つある。
2〉 一つは、国民を飢えさせないこと。
3〉 もう一つは、これが最も大事です。絶対に戦争しないこと――
4〉 今、日本人は、この言葉をかみしめて、
5〉 日本が進むべき道について、根本から考え直すべきではないだろうか。

 
と、上掲記事を「〆る」んだから、バカは死ななきゃ治らないと言うか、原理主義(※4)とは度し難いと言うか…

 新ためて、論旨を追ってみよう。冒頭は「我が国及び世界の安全保障上の危機」であり、これに伴う「国民の危機意識」である。ところが古賀氏は上掲記事冒頭【パラグラフ1】で、

6〉 日本人が、戦後初めて戦争に巻き込まれる危機が、
7〉すぐそこまで迫っているということに、どれだけの人が気付いているだろうか。

と煽りながら、上掲記事タイトルに「 日本の危機が安倍総理のチャンスになる不可思議」 と銘打ち、【パラグラフ3】で、

8〉 しかし、「危機」という言葉が報じられる一方で、
9〉 国民に本当の「危機感」が広がっているようには見えない。
10〉その原因はどこにあるのだろうか。
 

として、以降【パラグラフ4】~【パラグラフ11】にて「その原因」とするのは…要約すれば「安倍首相が米国追従の姿勢を見せ、為に日米安保が堅固なものとして日本国民に安心感を与えたから」となろう。
 
 「日本国民の安心感」は、その「安心感」が偽りであれば酷い事になるので手放しでは喜べないが、「堅固な日米安保」は基本的に慶事であろう。何しろアメリカは日本の最大最強の同盟国なのだから。同盟関係は弱いよりも強い方が、安全保障上有利に決まっている。

 と、普通は…少なくとも私(ZERO)は考えるのであるが、上掲記事の古賀氏は左様に考えない。異論・異説は貴重重要であるから、心して見て行こう。

 続いての【パラグラフ12】~【パラグラフ17】「自民党の進める”朝鮮戦争”準備としての策源地攻撃能力=トマホークの配備(※5)」と「日本の先制攻撃能力獲得」を縷々述べている。

 それを受けての【パラグラフ18】、「日米安保が強固で、日米関係が良好であるが故に、米国の”開戦の誘い”を日本は断れない/断らないとの断定。断定はしているが、その根拠は「あれだけ日米関係良好を見せつけたのだから、まさか”開戦の誘い”を断らないだろう/断れないだろう」って…凄まじいばかりの予断のみ。大東亜戦争終結後70年ぶりの開戦が、この軽さとは、本当に「戦争をなめている」んだなぁ。

 まあ、そこは、「最悪を考えた」として目をつぶったとしても、だ。続いての【パラグラフ19】~【パラグラフ20】、【パラグラフ18】の「米国からの開戦の誘いに乗る安倍政権」を描写して、「日本国民にとっての国益と、安倍首相にとっての国益の、ズレ今日本が抱えている最大の危機なのかもしれない。とまで言う。

 因みに安倍首相にとっての国益として【パラグラフ18】に列挙されているのは、「日本の自主防衛努力(防衛費の抜本的増額)、それによる米国製武器の大量購入、さらには、自衛隊の海外派遣による米軍への貢献である。まあ、何をか言わんや、だな。「自衛隊の海外派遣」で貢献するのは米軍ばかりじゃぁあるまいし、「日本の自主防衛努力(防衛費の抜本的増額)」で買うのも米国製武器ばかりじゃない。「米国と利害が一致する」と評するのは良かろうが、「日本国民の国益とはズレている」なんて、何を以って断定しているんだろうねぇ。

 それは兎も角、さらなる【パラグラフ21】~【パラグラフ24】は、今度は米国側の分析。早い話がトランプ大統領は人気取りのために北朝鮮攻撃に踏み切るであり、その際、日本にも同時開戦を誘うと言う…どう見たってこりゃ「予断」であって「論理的帰結ではない」が(※6)、

11>  首脳会談で、異常なまでのトランプ氏へのすり寄りを見せておいて、
12> いまさら、「別行動」などとは口が裂けても言えないはずだ。
13> 何らかの理由を作って参戦するだろう。

って「予想」に比べれば、可愛いもんだ。

 兎にも角にも、「北朝鮮に対する日米共同先制攻撃」が実現した後が【パラグラフ25】~【パラグラフ29】。要は日米は勝つが、被害も免れない。」なんだが…何していると思っているんだ、戦争だぞ。「民間人に数千人の死傷者」を、開戦を決断した(筈)の安倍首相が覚悟していない筈がない(※7)。国民については、後述するとして、先に進もう。
 
 【パラグラフ30】では、一応「躊躇」して(※8)「北朝鮮に対する先制攻撃の困難さ」を述べるが、【パラグラフ32】予測不可能なのがトランプ大統領だ最悪を考えるとして、先述の「北朝鮮に対する日米共同先制(トマホーク)攻撃」を「前提条件」としての【パラグラフ33】~【パラグラフ36】…要約すれば北朝鮮への日本からの先制攻撃と、その後の戦争被害によって、初めて日本国民は”先制攻撃の過ち”に気付き、”日米安保への疑問”を抱くだろう。」…これもまた、随分と「日本国民をなめた」話ではある。

 ま、
 
14> そういう事態になって、初めて日本の国民は気づく。

なんて断言出来るぐらいだから、上掲記事を書いた古賀氏は「日本の国民ではない」と自認しているのだろう。

 最後の【パラグラフ37】~【パラグラフ39】は、上記1>~3>「菅原文太の名言」を引用しての上記4>~5>が、「〆」ってことになる。
 
 だが、その〆にあたる上記4>~5>と、上記14>は、明らかに矛盾する。言い換えれば、上掲記事で長々と「日米共同対北朝鮮先制攻撃に始まるミサイル戦争」に登場する「空想上の日本国民」を反面教師として、今・現在・現実の日本国民に「安倍政権支持と日米安保に対する再考を促す」って事だろうが…

 現職の首相および政権や、既存に安全保障体制に対する再考を促すのに、斯様な「架空戦記」が必要なのかね?

 だとしたら、前述した通り「安倍首相の鉄板人気」と「日米安保の安全神話」は、実に全く大したものである。か…上掲記事を書いた古賀氏はじめとする「安倍首相批判者」「日米安保懐疑論者」たちが如何に情けないか、の何れかだろうな。

 どちらかと問われれば、上掲記事「架空戦記」のブッとび具合からしても、後者に賭けるがね。

<注釈>

(※1) と言うより、「朝日新聞のお気に入り」と見たがね。 

(※2) 記事の中で突っ込んだ通り「数発の撃ち漏らしで数千人の死傷者」ってのは、訳の分からない数字だが、それは別として。 

(※3) 我が国にとっての安全保障上最悪の事態は、小説「新・次の戦い」に記した通り「米中結託による日本分割」だ。 

(※4) それが例え「平和主義」であろうとも。
 尤も、実際に生起した戦争の相当部分は「平和主義者」が原因となっているのだから、「平和原理主義」が度し難いのは、理の当然ではあるが。
 
(※5) ぬくぬくさんがコメントで指摘している通り、「策源地攻撃能力」と「トマホーク配備」は同義語では無く、「トマホークは、策源地攻撃能力の一環ではあるが、ごく一部」なのであるが、ここでは上掲記事の古賀氏の考えに従って。

(※6) トランプ大統領の”人気回復”は、日米同時開戦であるか否かには、依りそうにないから。それも、これから導入する、つまりは「付け焼刃」の自衛隊トマホークを当てにして、だ。 

(※7) 「覚悟していない」ならば、それこそ自衛隊三軍の最高指揮官としてあるまじき無責任だ。 

(※8) 単なる「アリバイ作り」でなければ、だが。