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 沖縄二紙の社説と来れば、朝日新聞に輪をかけて左なんだから、私(ZERO)の様な「殆ど生まれながらの右翼」には異論異説の宝庫であり、それ故に大変「重宝」しているのだが、この社説は、右だ左だ言う以前に、「新聞社の主張」として、どうかと思うぞ。



【沖縄タイムス社説】[宮古陸自配備計画]住民の不安に向き合え  http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=173489

2016年6月16日 05:00 社説 注目

【1】 宮古島への陸上自衛隊配備を巡って、下地敏彦市長を支える与党市議10人が、旧大福牧場周辺で計画されている駐屯地建設に反対する考えを表明した。

≫ 宮古島陸自計画「見直しを」 与党市議らが市長に要請

【2】 予定地近くに島内最大の湧出量を誇る「白川田水源」があり、地下水への影響を懸念する声が強く、市民の理解を得ることが困難だからだ。

【3】 直接口に含み、入浴にも利用する水の安全性への関心は高い。飲料水のすべてを地下水に頼る宮古島ではなおさら。地域利益を行政に反映させる役割を担う議員が、住民の声を代弁し、将来にわたって安心できる水の確保を求めるのは当然である。

【4】 宮古島では旧大福牧場と千代田カントリークラブの2カ所に、自衛隊の地対空・地対艦ミサイル部隊、警備部隊など約700~800人を配備する計画が進んでいる。うち旧大福牧場地区には、拳銃、小銃、機関銃などの射撃訓練に使う覆道射撃場、火薬類を保管する貯蔵庫、車両整備場などが建設される予定だ。

【5】 地下水汚染の懸念を指摘したのは、配備による水源への影響を審議していた市地下水審議会学術部会である。

【6】 学術部会は3月にまとめた報告書で「油脂・薬物などの漏出がまったくないとは判断しがたい」「設置は予防原則的に不適切」「有事の際、攻撃による水質汚染などが発生しうる」とし、施設の建設・運用は「認められない」と警鐘を鳴らした。

【7】 「命の水」を守るため、地質学などの専門家が出した判断である。懸念を置き去りにしたまま、配備が進むようなことがあってはならない。

■    ■

【8】 学術部会の報告書案を巡っては、市政に多様かつ専門的な意見を反映させる目的で設置された第三者機関の独立性を脅かす問題も明らかになっている。

【9】 下地市長の指示を受けた長濱政治副市長が、施設の建設・運用は「認められない」とする結論を削除し全体的に表現のトーンを弱めた文言に書き換えるよう求めたのである。

【10】 出てきた意見が市の方針と異なっていたため削除を求めたのだろう。結論部分に手を加えるにいたっては、隠ぺいや改ざんととられても仕方がない。それ自体重大な問題だ。

【11】 自衛隊配備ありきの強引な行政運営に、市民から疑問や怒りの声が相次いでいる。計画見直しの声の広がりは、この住民の不信感を背景にしている。

■    ■

【12】 学術部会の報告書がまとまった後、沖縄防衛局は施設の配置を修正した図面を市に提出した。事前協議がいらないよう水道水源保全地域からわずかにずらした案である。しかし水源の近くにあることに変わりはなく、地下水への影響を心配する声は残る。

【13】 一連の問題で市は、審議会や学術部会の議事録公表を拒み続けるなど、情報開示にも後ろ向きだった。

【14】 説明責任や情報公開をないがしろにして、一方的に計画を進めるようなことがあってはならない。計画受け入れをいったん拒否し、住民の声に真摯(しんし)に向き合うべきだ。


で、「不安を感じてる住民」を数えると・・・



① 下地敏彦市長を支える与党市議10人 パラグラフ【1】

② 市地下水審議会学術部会 パラグラフ【5】

…いや、我が目を疑うとはこの事だ。何しろ上掲沖縄タイムス社説は住民の不安に向き合えと銘打っているのだが、その不安」を表明している「住民」が、具体的に上掲社説には上記①、②しか出て来ない。(*1)あとは、

1>  自衛隊配備ありきの強引な行政運営に、市民から疑問や怒りの声が相次いでいる。
2> 計画見直しの声の広がりは、この住民の不信感を背景にしている。  パラグラフ【11】

3> しかし水源の近くにあることに変わりはなく、地下水への影響を心配する声は残る。  パラグラフ【12】

4> 住民の声に真摯(しんし)に向き合うべきだ。 パラグラフ【14】

、「住民」「」「住民の声と表記されているが、何処の誰やら判らないし、実在するか否かも定かではない。端的に言えば「沖縄タイムス記者の脳内住民」である可能性も、否定しきれない…ってぇより、上記の様な曖昧模糊とした「住民/声/住民の声」では、「沖縄タイムス記者の脳内住民」に「違いない」と、私(ZERO)の様な「異教徒」には思えて仕方がない。

 それがあらぬか、上記①「与党市議10人」は
 
5〉 地域利益を行政に反映させる役割を担う議員が、
6〉住民の声を代弁し、将来にわたって安心できる水の確保を求めるのは当然である。

と持ち上げられ、上記②「市地下水審議会学術部会」は、

7〉 「命の水」を守るため、地質学などの専門家が出した判断である。

と、「激賞」と言って良さそうなくらいの「褒め方」である。

 その「褒め方」「激賞」が、どうも胡散臭くて適わない。強弁詭弁であると自覚があるからこそ、あるんだかないんだか判らないような「民意」を盾に取って社説タイトルにもし、根拠たり得る上記①②を「激賞」して「根拠の強化を図る」様に見えて仕方がない…ああ、これは「文字として書かれていない」事ですがね。awamoriさん、星の旅さん。

 だが、逆にその主張に相応の、社説として全世界にその主張を問いかける程度の自信があるならば、その根拠は上記②「市地下水審議会学術部会」だけで充分で、上記①「与党市議10人」は、せいぜいが「応援団」。「民意」の援護射撃すら不要であろう。

 左様、「社説として全世界にその主張を問いかける程度の自信があるならば」、だ。
 
 なあ、おい、沖縄タイムス社説担当記者よ。お前さんが石垣島陸自配備に反対している事と、その口実として「水質汚染の怖れ」を引っ張り出したのは、上掲沖縄タイムス社説で良ぉっく判ったよ。ならば、「水質汚染の恐れがあるから、石垣島陸自配備反対」と、堂々と書けば良いではないか。沖縄タイムス自身の社説なのだから。政治かと違って民間会社たる新聞社(の筈)なのだ、政府にも政権与党にも、民意にも遠慮なぞ要るまいに。

 なぁに「脳内住民」としか思えないような「何処の誰ともわからない住民/声/住民の声」を「盾に取った」主張を為しているんだ。左様な「民意頼り」は、それ即ち相当深刻な「自信の無さ」の現れではないか。

 たとえ民意に反しようが、主張すべき事を主張してこそ、社会の木鐸たりうるし、ジャーナリズムと言うモノであろう。

 尤も、大衆迎合することばかりに汲々としている「エセジャーナリズム」では、斯様な「民意がたり」も為そうと言うモノだが。

 で、どうなんだよ。沖縄タイムス。
 
 ああ、「脳内民意」に迎合した処で、販売部数は先ず増えないだろうから、「エセジャーナリズム」としてすら、失敗だぞ。

 如何に、沖縄タイムス社説担当記者。


【注釈】

(*1) 「他にも上掲沖縄タイムス社説に書かれている」と言う意見の方は、是非ご教示願いたい。