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 大分前に弊ブログ記事にしたが、「中国では、人民の70%が”腐敗官僚になりたい”と願っている」と言う記事が新華社だが人民日報だかに掲載された事を取り上げた(*1)。腐敗官僚になりたい」と言うのは「収賄で大儲け」と言う「犯罪願望を公言した事に他ならない。左様な公言を「人民の4分の3近くが公言した(*2)」と中国共産党の宣伝機関が「公認」した事に驚き呆れたので、未だに忘じ難い。

 「”腐敗官僚”となって収賄する」と言う犯罪を犯してでも「大金を得たい」と考え、さらには公言してしまう中国人にも、それを中国共産党の宣伝機関が公認してしまうと言う「官僚腐敗の根の深さ」にも、呆れたのである。無論「中国4千年の歴史」の殆どが「腐敗官僚の歴史」であり、タイトルにもした通り「腐敗官僚は中国の伝統」と認識しつつも、左様な「伝統」を、公言してしまう人民&公認してしまう一党独裁党に対しては、他に処しようがなかろう。

 あれから数年。その後「反腐敗」の掛け声は、確かに高まった、様ではあるが・・・

<注記>

(*1) 燃えるチベット、腐る中国 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/37635871.html 

(*2) 匿名アンケートで、回答者の氏素性は”一切わからない”と言う可能性(即ち「公言では無い」可能性)は、一応あるが。 



【人民日報】制度によって反腐敗の檻をきつく締める
中国人民網日本語版 2016年03月03日11:29  


【1】 中共党員はまだ株式売買ができるのか?計画出産は廃止されたのか?老郷会、校友会、戦友会はまだ参加できるのか?昨年10月以来、改正「中国共産党紀律処分条例」の公布を受けて、こうした話題が中国社会で注目されている。ある意味において、これは制度的拘束力の具体化が進んでいることの象徴でもある。人民日報が伝えた。

【2】「権力を制度の檻の中に閉じ込める」。中国の指導者、習近平氏のこの名言は人々の心に深く染み込んでいる。的確で実行可能な制度を定めることで、腐敗の発生を根源から力の限り防止し、ひいては正しい風紀の社会的雰囲気をつくるべきだというのが中国指導者の考えだ。

【3】 2012年12月4日、中共中央は「活動作風の改善、大衆との結びつきの緊密化に関する八項規定」で会議のスタイルや節約励行などについて具体的に定めるとともに、まず中央政治局から始め、良好な党のスタイルによって政治のスタイルを先導し、大衆の信頼と支持を真に勝ち取る必要性を打ち出した。その後、中央紀律検査委員会と各級紀律検査委員会は中央八項規定精神違反への処罰を強化し、中秋節、国慶節、元旦、春節、メーデーなどの連休前後に、1カ月前後続けて毎週、八項規定違反の典型的ケースを名指しで公表し、抑止効果を生んだ。公金での贅沢な飲食が減り、観光地で見かける公用車が減り、公然と不正行為に手を染める者が減ったことに人々は気づいた。

【4】 2015年、中国共産党中央委員会は改正「中国共産党巡視活動条例」「中国共産党廉潔自律準則」「中国共産党紀律処分条例」を相次いで定めた。いずれも中国共産党第18回全国代表大会以降の反腐敗活動の経験を総括したうえでの帰納的総括だ。たとえば「巡視活動条例」は「特定巡視」という柔軟で機動的な革新的形式を盛り込んだ。「規律処分条例」は党員の違反する規律を政治紀律、組織紀律、廉潔紀律、大衆紀律、活動紀律、生活規律の6つに改めて分類した。いずれも実践の成果だ。

【5】 今年中国は制度整備をさらに進めるとして、以下の目標を定めた。党内監督制度システムを整備する。国家機関と公務員をカバーする国家監察システムを構築し、党内監督と国家監察の連携を実現する。責任追及状況の定期報告を成し遂げ、典型的問題を公表し、責任追及を制度化し、常態とする。

【6】 中国の制度による反腐敗の檻はどんどんきつく締められている。人々は「腐敗に手を染めようとせず、腐敗に手を染められず、腐敗に手を染める勇気の出ない」という制度目標実現への期待と信頼に満ちている。
(編集NA)「人民網日本語版」2016年3月3日

で、なにをやったって?



 上掲人民日報記事から、「反腐敗制度」として採択・実施されたものを拾い上げると・・・

① 「活動作風の改善、大衆との結びつきの緊密化に関する八項規定」で会議のスタイルや節約励行などについて具体的に定めた 【パラグラフ3】

② 八項規定違反の典型的ケースを名指しで公表 【パラグラフ3】
 
③ 改正「中国共産党巡視活動条例」「中国共産党廉潔自律準則」「中国共産党紀律処分条例」を相次いで定めた。 【パラグラフ4】

④ 今年、以下の目標を定めた。 【パラグラフ5】
 (1)党内監督制度システムを整備する。

 (2)国家機関と公務員をカバーする国家監察システムを構築し、党内監督と国家監察の連携を実現する。

 (3)責任追及状況の定期報告を成し遂げ、典型的問題を公表し、責任追及を制度化し、常態とする。

…つまりは、「反腐敗」と言う掛け声に応じた「制度」として、規定だの条例だの目標だのを定めた、そうである。その効果・成果として上掲記事にあるのは、

1〉 公金での贅沢な飲食が減り、
2〉観光地で見かける公用車が減り、
3〉公然と不正行為に手を染める者が減った

4〉 人々は
5〉「腐敗に手を染めようとせず、
6〉 腐敗に手を染められず、
7〉 腐敗に手を染める勇気の出ない」
8〉 という制度目標実現への期待と信頼に満ちている。

だけ。後半の上記4〉~8〉人民日報がそう報じているだけだから、「街の声」よりまだ根拠に乏しいし、上記1〉~3〉「これが”成果”になるのは、中国4千年の腐敗官僚の歴史が背景にあるから(*1)」だろうが。

 まあ、上掲記事の見出しからして「制度によって反腐敗の檻をきつく締める中国」であるから、「反腐敗の檻をきつく締める制度」さえ報じれば良く、その有効性だの成果・効果は二義的な話、なのだろう…と言うより、冒頭で触れた「中国人及び中国共産党の惨状」を想起すると、「反腐敗の檻をきつく締める制度の有効性」なんて求めているのは、一体誰なんだろうと、考えざるを得ないぞ。

 ぶっちゃけ、中国共産党のトップたる習近平が、今日只今現時点で「腐敗に手を染めていない」と信じる/信用できるかね?「虎もハエも叩く」とか言ったそうだが、大虎中の大虎である習近平当人は、どうなんだよ。況や、中国共産党トップと言う今日の地位に至るまでの間=過去に於いて「腐敗に手を染めていない」とした、それこそ驚天動地の驚きなのだが、「百戦百勝の鋼鉄の霊将・金日成」よりも信じられないぞ。

 「魚は頭から腐る」とは、中国の故事諺ではないが、「まず隗より始めよ」とは、中国の故事であろうに。

 まあ、故事諺なんてのは相互に矛盾するものがいくらもあるし、古代より先哲先人には事欠かないが理想主張は全く実現した事が無いのが、大陸4千年の歴史なのであるが。


<注記>

(*1) 1〉 公金での贅沢な飲食が減り、 
⇒「減った」だけだから、少なくなったが今でも「公金の贅沢な飲食」はある。

2〉観光地で見かける公用車が減り、 ⇒ 「減った」だけだから、少なくなったが今でも「観光地の公用車」はある。

3〉公然と不正行為に手を染める者が減った ⇒ 「減った」だけだから、少なくなったが今でも「公然と不正行為に手を染める者」はある(!?)。無論、「陰で不正行為に手を染める者」の増減は判らない。言及していない。