【人民日報海外版コラム】中国側の世界記憶遺産登録申請は筋が通り法規に合致人民網日本語版 2015年10月16日09:01【1】 南京を狂ったように砲撃する日本軍の車両。凌辱された後に苦しみにあえぐ女性。日本軍に血腥く虐殺された池の中の市民。これはユネスコの世界記憶遺産に登録された「南京大虐殺文書」が人々に示すシーンだ。これらの文書・資料の1つ1つが中国侵略日本軍の犯罪行為の動かぬ証拠だ。だが、動かぬ証拠の世界記憶遺産登録に日本政府は怒った。(文:華益文・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
【2】 中国側の登録申請をあらゆる手を尽くして妨害することに失敗したのち、日本は奥の手を切り出した。菅義偉官房長官は、ユネスコへの拠出金の削減または停止を検討すると1日に3回公言した。安倍晋三首相も中国側の登録申請に「遺憾」の意を表明した。「南京大虐殺文書」の登録申請に対して、日本側がこれほど立腹し、国際機関を脅迫さえするのは全く常軌を逸しており、驚かされる。中国側の今回の申請は情理にかない、法規に沿ったものだ。
【3】 事実を見てみよう。
【4】 第1に、申請手続きについては、中国側の提出した資料は世界記憶遺産の審査基準に合致し、申請と審査の手続きはユネスコおよびその国際諮問委員会の規定に合致している。
【5】 第2に、文書の真正性については、資料はいずれも第一次資料であり、中国側の複数の歴史文書館の厳格なふるい分け、選別、ユネスコの関係委員会の慎重な討論と研究を経ている。
【6】 第3に、申請の意義については、世界記憶遺産への登録はこの人類の痛ましい記憶の保護と研究にプラスであり、世界平和を維持し、人類の尊厳を守るうえで啓発的な意義を持つ。
【7】 こうした資料の中の唯一の映像資料は、当時南京に滞在した米国人牧師ジョン・マギーの撮影した105分間の映像だ。30カ所余り刺されて息も絶え絶えの妊婦が撮影されている。彼女が南京大虐殺の生存者、李秀英さんだ。報道によると、2004年に李さんが亡くなる前の最後の言葉が「歴史をしっかりと覚え続ける必要がある。恨みを抱き続けるのではなく」だった。
【8】 歴史を銘記する。決して恨みを抱き続けるのではなく。これは中国抗日戦争勝利70周年にあたり、人々がよく耳にした言葉だ。
【9】 だが、中国側が歴史を鑑として未来に向かうことを強調している時、日本側は歴史を極力覆い隠し、不当なこだわりを見せている。
【10】 南京大虐殺は第2次世界大戦中に日本軍国主義が犯した重大な罪であり、国際社会の一致して認める歴史事実だ。事実を前に、日本側は勇敢に向き合い、深く反省するのではなく、あれこれと詭弁を弄し、中国側を誹謗し、さらには国際機関は「透明性」「公正性」「中立」を保つべきだなどと一見堂々と述べている。
【11】 歴史問題において日本政府がこれほど是非をわきまえず、ぬけぬけとずうずうしい事を言うのにも当然その背景がある。日本の誤った歴史観は数十年間の積み重なり、発酵、浸透の結果だ。侵略の歴史をしばしば否認し、美化し、靖国神社を参拝して恥じることがないうえ、他国が歴史を銘記することに堂々と「疑問を呈し」「抗議」する。日本側の言動は歴史を直視しようとしない誤った態度を十分に示している。
【12】 また、だからこそ国際社会は「南京大虐殺文書」を世界的に広く伝え、史事実によって日本の仮面を剥ぎ取るのが当然だ。(編集NA) 「人民網日本語版」2015年10月16日
その「ジョン・マギー牧師の撮影した画像」は、東京裁判には提出されなかったようですが
否、そればかりか、極東軍事裁判=東京裁判に於いて真面に証言された「虐殺」事例は、「誰何を受けても止まらなかった民間人を射殺した」一例だけ。後は伝聞ばかりだ。大東亜戦争直後の、「大日本帝国並びに大日本帝国陸海軍を糾弾する」目的で開催された極東軍事裁判に於いて左様であった「南京大虐殺」の、一次資料やら証人証言やらが「戦後70年を経て、出て来た/集まった」と言うならば、「そりゃ捏造だろう」と即断されて当たり前。少なくとも我が国としては、我が国先人の名誉と尊厳(*1)のため、要求するのが当然。しないのが不思議だ。
その至極当然の要求を、村山富市(恐るべきことに元首相)やら民主党政権やら数多の自民党政権が「要求して来なかった」のは、事実・史実だ。その典型例が村山談話であり、河野談話であろう。
で、その村山談話、河野談話、日中国交再開40年、何年か忘れた日韓国交再開の精華が、「南京虐殺の世界記憶遺産登録」であり、「従軍慰安婦の世界記憶遺産申請」なのであるから、かなり遅まきながらではあるモノの、「我らが先人たる大日本帝国並びに大日本帝国陸海軍の名誉と尊厳を守るための、至極当然な要求」を始めたのは、当然の帰結と言うモノだろう。
再三繰り返している処だが、外交は国益追求の手段であり、弾丸を使わない戦争だ。
中国共産党言う処の「歴史戦」もまた弾丸を使わない戦争であり、国益追求の手段であり、相当部分は外交とオーバーラップするモノだ。
我が国は、現・安倍政権によって、漸く「歴史戦≒外交戦に参戦する」気概・覚悟を有するに至った(*2)。
而して、「史実を鏡とする」ならば、「大東亜戦争における連合国側の勝利に、中国共産党は間接的にしか貢献していない」史実こそ、中国共産党は鏡とすべき、なのであるが…まあ、無理だろうね。中国経済の先行きが相当怪しくなった昨今、「中国共産党救世主伝説」しか、今や「統治の正当性」は無くなってしまったのだから。
一見矛盾の様であるが、「独裁者ほど民意を気にし、民意に阿り、大衆に迎合する」モノである。民主主義によって「正当に統治する」事が出来ない分、「民意」がその独裁して居る筈の「権力の拠り所」となるから。
中国共産党が、なんだかんだ屁理屈こねて未だ一党動独裁体制であり、尚且つその一党独裁体制を微塵なりとも「民主化」する気遣いが無いのも、上掲記事の通り「歴史戦に於ける日本の反撃」に随分と慌てる(*3)のも、「中国共産党が、”民意”に阿る一党独裁党であるから」と、思えるぞ。
まあ、中国共産党は中華人民共和国を建国してまだ70年にも満たないが、「皇帝独裁」は大陸支那の”四千年の歴史”になんなんとする(*4)”伝統芸能”。今さら変えられない/変わらないだろうがねぇ。
<注記>
(*1) それは、子孫たる我らの名誉と尊厳にも、直結している。(*2) のだと良いなぁ、と期待し、希望的観測する。何しろ以前の衆院選挙では鳩山率いる民主党に憲政史上最多の議席数を渡して政交代実現してしまった( そのために、私(ZERO)をして我が国民主主義に対する絶望を抱かせかけた )我が国民だ。なかなか信用する訳には行かない。(*3) ああ、これは、上掲記事に「文言として書いて居ない」事だから、若干の観察力と想像力を要するな。アワモリさんや星の旅さんには、無理な処だろう。お気の毒に。(*4) 大陸初の「皇帝」となった秦の始皇帝以来と考えると、その半分ぐらいだが。