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そりゃ、銃器や武器だって、他の工業製品と同様に(少なくとも一面)商品なのであるから、「売るための努力」はあって当然、無ければ不思議と言うモノだ。「死の商人」なんて言い方もあるが、商人が商業努力をするのは当然だろう。
であるならば、「テロリストに利用されにくい武器」なんてのは、少なくとも宣伝文句としては魅力的であろう…テロリスト以外に対しては、であるが。また、「わが社は、”テロリストに利用されにくい武器”を製造・販売しています!」と言うのも、会社のイメージアップになりそうな宣伝文句だ(*1)。
【注釈】
(*1) こらまた、「テロリスト以外に対しては」であるが。
【AFP】「テロリストには使わせない」十字架彫り込んだライフル発売 米2015年09月16日 14:19 発信地:マイアミ/米国【9月16日 AFP】【1】 米フロリダ(Florida)州の銃器メーカーが、キリスト教のシンボルを彫り込んだライフルを発売し、イスラム教系の市民団体から批判されている。
【2】 「クルザード(Cruzado)」という商品名のライフルには十字軍で活躍した「テンプル騎士団(Knights Templar)」の十字架と、聖書の詩編の一節が彫り込まれている。このライフルを製造した同州アポプカ(Apopka)の銃器メーカー、スパイクス・タクティカル(Spike's Tactical)によると、武器をイスラム教徒に渡さないという意図が込められているという。
【3】 同社の広報担当者は「過激な目的を達成するために罪のない人々を殺すイスラム教徒のテロリストには使えない銃を製造したかった」とコメントし、十字軍のシンボルが入っていれば、この銃が中東に送られるのを防げるだろうと述べた。
【4】 同担当者は、このライフルは発売から72時間で完売し、数週間の予約待ちだと述べたが、これまでに何丁売れたかは明らかにしなかった。
【5】 一方、イスラム教市民団体「米イスラム関係評議会(Council on AmericanIslamic Relations、CAIR)」のフロリダ支部は声明を発表し、「憎悪と分断、暴力をあおって利益を得ようとする恥ずべきマーケティング戦略だ」と非難した。(c)AFP
問題は、「テロリストがキリスト教徒である」可能性だな
ISこと「イスラム国」の台頭で「テロリスト=回教徒」ないし「テロリスト≠キリスト教徒」と言うイメージが相応にあり、さあればこそ上掲AFP記事にある通り「キリスト教のシンボルを意図的に銃に刻印することで、非キリスト教徒(であるに違いない【前提】)による利用を防ぐ」として「テロリストに使わせない」を宣伝文句とする銃を販売したのだろう。実際、
1> このライフルは発売から72時間で完売し、数週間の予約待ちだと述べた
そうであるから、「予想以上の売れ行き」の様であり、商売としてはまず成功した、という事でもあろう。
上記の通り「テロリストは非キリスト教徒(であるにに違いない)」が「前提」であるから、上掲記事にある通り「イスラム教市民団体が反発する」のも理の当然ではある。イスラム教徒に限らず、私を含めた非キリスト教徒には「面白からぬ」事であろう。
だが、章題にもした通り、テロリストは非キリスト教徒に限らない。数の多少・割合の多寡はあろうとも、「キリスト教徒のテロリスト」は確かに存在するし、「キリスト教徒のテロリスト」にとって「キリスト教のシンボルを刻印した銃」は、歓迎すべきモノではあっても忌避すべきモノではあるまい。
即ち、上掲記事にある「キリスト教のシンボルを刻印した銃」は、「キリスト教徒のテロリスト」には大いに売れる可能性がある。
更には、非キリスト教徒のテロリストとて、必ずしも「キリスト教のシンボルを刻印した銃」を忌避するとは限らない。銃は銃だし、弾は弾だ。刻印が十字架だろうが三日月だろうが菊の御紋だろうが三つ葉葵だろうが、銃として・弾としての性能機能に影響はは無い。
つまりは、「テロリストには使えない銃」と言う宣伝文句は、「キリスト教のシンボルの刻印」に頼る限り、宣伝文句に終わる可能性が相当にある。
まあ、売れさえすれば、「死の商人」としては「問題ない」だろうがね。