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日米合同軍事演習「キーン・ソード」実施を受けて、人民日報海外版コラム「望海楼」が何やら吠えている。
それだけならば、まあ、「いつもの事」なのだが、どうも今回はその「吠え方」が尋常では無く…
日米合同軍事演習「キーン・ソード」実施を受けて、人民日報海外版コラム「望海楼」が何やら吠えている。
それだけならば、まあ、「いつもの事」なのだが、どうも今回はその「吠え方」が尋常では無く…
【人民日報海外版コラム「望海楼」】日本は「離島奪還」の悪だくみを止めるべき
人民網日本語版 2014年11月21日13:50
http://j.people.com.cn/n/2014/1121/c94474-8812312.html
【1】 日米は11月8日から19日まで合同軍事演習「キーン・ソード」を実施した。「離島」が武力攻撃を受けたと想定し、両国合同軍の順調な行動を確保するとともに、島嶼防衛能力を強化する内容も含まれた。報道によると、離島奪還訓練は鹿児島奄美大島沖の無人島、江仁屋離島で実施された。(文:張軍社・海軍軍事学術研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
【2】 今回の演習は沖縄県を避けて実施されたものの、依然として日本防衛省の「南西有事」に関する戦役想定によって展開され、内容は「離島奪還」、対潜、対機雷訓練が中心だった。
【3】 最近、中日両国は両国関係の取り扱いと改善について、4つの原則的共通認識にいたった。だが国際社会がアジア太平洋情勢の緊張緩和を等しく期待する中、日本の自衛隊は米軍と合同で「離島奪還」など敏感な内容を含む大規模な実戦演習を実施した。その動機と魂胆には疑問を呈さざるを得ない。近年自衛隊は単独または米軍と合同でいわゆる「離島奪還」を含む演習を多く実施しており、「離島奪還」を重点とする演習すら実施している。日米両軍はなぜ「離島奪還演習」にこれほど熱中するのか?
【4】 第1に、自衛隊がこうしたいわゆる「離島奪還」演習を実施するのは、泥棒が他人を泥棒呼ばわりし、悪人が先手を打って告訴する手口を弄する狙いがある(*1)。自衛隊が日本の離島が「奪取された」状況を想定し、指向性の極めて強い大規模な実戦演習を実施するのは、「レーダー照射」事件を作り出した(*2)のと同様、中国軍のイメージを悪くし(*3)て、日本は「被害者」だと見せかけることで、釣魚島(日本名・尖閣諸島)や第2次大戦の侵略の歴史の問題で中国など隣国を挑発したことによって受けた圧力をそらし、軽減するとともに、「平和憲法」上の制約を打破し、攻撃兵器・戦力をはばかりなく発展させるための口実を作ることが根本的目的だ(*4)。
【5】 第2に、日本がこうしたいわゆる「離島奪還」演習に米軍を招待するのも、大きな旗を掲げて人を脅し、反中、中国抑止の度胸と力を強化するためだ。日米の「キーン・ソード」演習は当初、主に旧ソ連を念頭に置いていた。冷戦が終結すると地域衝突を念頭に置き始め、近年では日本と島嶼紛争を抱える中露など隣国を念頭に置き、日本防衛省はなおさらに「南西諸島の防衛強化」を重点とするようなった。だが、日本防衛省は自国の力のみでは思い通りにならないのを感じたため、日米軍事同盟の強化を理由に、米軍を悪事に引きずり込むようになった(*5)。
【6】 第3に、近年米国は不景気で、米軍の新たな「アジア太平洋シフト」「アジア太平洋リバランス」戦略を実施するにも心はやれど力及ばずであり、自らの地域の軍事的覇権の維持と中国の発展牽制のために金と力を出してくれる、日本のようなお先棒が必要であるため、基本的に日本の求めには必ず応じ、いわゆる「離島奪還」演習に度々兵力を派遣している。米「エアフォース・タイムズ」は、今回の「キーン・ソード」演習にペンタゴンがF22ステルス戦闘機を派遣した目的は、「中国に見せつける」ためだと報じた。(*6)編集NA)
【7】 日米両軍が中国を念頭に置いたこうした軍事演習を実施しても、日本に真の安全をもたらすことはできないし(*7)、中国軍の正常な発展を抑え込むこともできない(*8)。米側も自国だけの利益(*9)のために、日本が「平和憲法」を打破するのを放任し、日本が「離島奪還、離島上陸」など進攻的戦闘能力を発展、増強するのを支持してはならない。日本軍国主義が第2次大戦中にアジアと世界の人々にもたらした、今なおありありと目に浮かぶ甚大な災禍を忘れてはならない(*10)。(
「人民網日本語版」2014年11月21日
<注釈>
(*1)って、正に中国共産党が実践している事じゃないか。モンゴルもチベットも併呑し、然る後に「核心的利益」を洋上にまで拡大している、中国共産党の。(*2) おやおや、中国人民解放軍海軍による射撃管制レーダー照射事件は「日本が作り出した」即ち「日本の嘘」って事に、なって居る様だ。まあ、「中国人民解放軍海軍による射撃管制レーダー照射事件」を、中国共産党中央政府が事後承認するよりは、マシと言えば、マシだが。「平時に射撃管制レーダーを照射する事は、悪い事」と言う「共通認識/国際感覚」を、確認出来るのだから。でもねぇ。「事後承諾」して見せたのが、他ならぬ中国共産党自身なんだよ。「歴史を直視しろ」って、再三言ってなかったっけ。(*3) 態々日本が「悪くする」までも無く、「中国軍のイメージ」は、いろんな意味で相当に「悪い」だろうに。(*4) 一石何鳥だってぐらいに、有効な手段だな。それだけ根本的目的を達せられる手段ならば、そりゃ日本としては是非にもやるべきだろう。而して、中国共産党としては誠に不都合であろうな。(*5) そりゃ、少なくとも日本にとっては「良い事」だ。中国共産党にとっては「都合が悪い」事ではあろうが。(*6) つまりは「日米の利害は一致している」訳で、我が国や米国にとっては大変良い事。而して、やっぱり、中国共産党にとって「都合の悪い事」だな。(*7) その「真の平和」とやらは、「中国共産党支配下の平和」ではないのかね。御免こうむりたいねぇ。(*8) 断言はしてるけれど、根拠は皆無で、説得力はもっと無いぞ。それ即ち、「中国軍の発展を抑え込む」事は、「実はできる」という事だ。(*9) つまりは、「米国にとっても利益である」と、このコラム自身が認めている訳だ。(*10) 「日本軍国主義復活ぅぅうぅぅぅ!」。Any Trouble Boy?
頼みの綱が「日本軍国主義の復活」だけらしい
さて、如何だろうか。
なーんと言うか、「人民日報のプロパガンダ力も、随分落ちたものだ」と言うのが率直な感想だ。何しろ、上掲記事に突っ込みを入れたとおり、「中国共産党にとって不都合だぁぁぁぁぁ!」と「手前勝手な理屈」を喚くばかりで、中国共産党やそのシンパ以外に対しては説得力が殆ど無い(*1)。プロパガンダもデマゴーグも「他者を思い通りに動かす」のが目的だから、特に前者の場合は「説得力」は無視し難いファクターだ。理想的プロパガンダとは、「説得力があり、かつプロパガンダと悟られないプロパガンダ」であろう。然るに上掲人民日報海外版コラムは…あまりに手前勝手な理屈を並べたてているが故に、却って「プロパガンダらしからぬ」体を為している。「アジびら(*2)」ならばこれでも良いのだろうが、親方五星紅旗の本家本元、中国共産党御用達・人民日報の、海外版(*3)とは言えコラムが、これである。ゲッペルス先生(*4)も草葉の陰で嘆いておられる…かも知れない。 唯一、中国共産党とそのシンパ以外にも通用するかも知れない「説得根拠」が、最後のパラグラフ【7】に登場する「日本軍国主義=侵略国家大日本帝国復活の悪夢」である、らしい。特にこの「説得根拠」がアメリカに対して有効である事を期待している様である。そりゃ日本国憲法を、憲法9条含めて日本に強制したのはアメリカだから、中国共産党としては期待したくもなるだろうな。
だが、大東亜戦争敗戦による大日本帝国陸海軍解体の後、警察予備隊を発足させ、自衛隊に昇格させたのも、他ならぬアメリカの圧力あればこそ。そのアメリカが離島奪還を含む日米合同演習「キーン・ソード」に参加する事は、アメリカの利益でもあると上掲人民日報海外版コラムも認める処。「自国の利益を無視して、日本軍国主義復活阻止のために、離党奪還軍事演習に参加するな」と、アメリカ政府並びにアメリカ人に訴えて、はて、どれほど説得力があるやら。
まあ、アメリカ人にもオッチョコチョイや間抜け、日米同盟や自衛隊発足の歴史を知らない者は在ろうから、一定の効果は期待し得るのかも知れないが、そんな程度の効果しか期待しえないプロパガンダだ。
ひょっとして、中国共産党の求心力・統治力は既にズタボロで、中国共産党員及びそのシンパに対してすら斯様なプロパガンダが必要な段階に達した、と言うことだろうか。そうであれば同慶の至り・幸いこれにすぐるは希有であろう。が、希望はしても、当てにする事は出来ないな(*5)。
<注釈>
(*1) 況や、私の様な「殆ど生まれつきの右翼」に対しては、殆ど「お笑い」にしかなって居ない。まあ、幾ら中国共産党と雖も、人民日報コラムぐらいで私(ZERO)を説得だか説伏だか出来るとは、思ってはいまいが。それにしてもねぇ。(*2) って、ひょっとすると、死語かな。(*3) 否、海外版であるが故に、よりプロパガンダとしての重要性は高い…筈。(*4) ナチス・ドイツの宣伝相、ヨーゼフ・ゲッペルスが、中国共産党の「プロパガンダの師匠」と仮定して、だが。尤も、現のプロパガンダに於いて、ゲッペルスの影響を受けていないと言うのはちょっと考え難いから、程度の差はあれ中国共産党は「ゲッペルスの子弟」である事を、免れそうにないぞ。(*5) 「中国共産党の弱体化を演出するプロパガンダである可能性も、視野に入れるべきだしな。