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「新幹線の後継」とも言うべきリニア新幹線計画がいよいよ具体化し、さすがに先代新幹線と同じ「東京オリンピックまでに開通」とはいかぬまでも、実現のめどが立って久しい。私(ZERO)は、再三繰り返す通りいわゆる「てっちゃん」=鉄道マニアではないが、「新幹線ファン」ではある。何しろ世界初の高速鉄道にして、開業以来乗客乗員にただの一人も死者を出していない「実現した安全神話」が新幹線だ。その「弊害」も無しとはしないが(*1)、血の赤い日本人ならば「新幹線ファン」になって当然と言うものだろう。
その「新幹線ファン」たる私(ZERO)からすれば、リニア新幹線を、今や一民間企業であるJRが自己資金で開通させようという現・リニア新幹線計画には、諸手をあげて大賛成してしまうのだが、毎日新聞は反対らしい。
その「新幹線ファン」たる私(ZERO)からすれば、リニア新幹線を、今や一民間企業であるJRが自己資金で開通させようという現・リニア新幹線計画には、諸手をあげて大賛成してしまうのだが、毎日新聞は反対らしい。
毎日新聞の「リニア新幹線反対社説」は以前にも取り上げたが、(*2)さて、今回の「毎日新聞 リニア新幹線反対社説」は・・・
<注釈>
(*1) その「弊害」の最たるものが、「絶対安全は、実現して当然」と考え、主張する「安全原理主義」だろう。新幹線及び新幹線設計・製造・運用者の責任では、全く無いのだがね。(*2) 随分なイチャモン-【毎日社説】「リニア新幹線 国民的議論が必要だ」を斬る http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/38515827.html
【毎日社説】:リニア建設 本当に進めて大丈夫か
毎日新聞 2014年09月06日 02時30分
http://mainichi.jp/opinion/news/20140906k0000m070148000c.html
【1】 JR東海が国土交通相に着工の認可を申請したことで、リニア中央新幹線がいよいよ現実味を帯びてきた。認可が下りれば、国による基本計画決定から41年を経て、巨大プロジェクトが動き出すことになる。
【2】 だが、本当にこのまま突き進んでよいのか、と改めて問いたい。
【3】 2027年の品川?名古屋開業、45年の品川?新大阪開業を目指すリニア中央新幹線計画は、総事業費が約9兆円に上る異例のスケールだ。JR東海が全費用をまかなうというが、採算面で大きな不安を抱えたまま、踏み出そうとしている。
【4】 万一、経営を揺るがす事態になれば、JR東海だけの問題ではすまなくなるだろう。日本の大動脈を独占的に担う、極めて公共性の高い企業であり、税金を使った救済にも発展しかねない。
【5】 それなのに、国会で包括的な審議がなされることも、国民的議論が盛り上がることもなかった。ここが一番問題だ。国交省は、計画ありき、でゴーサインを出すべきではない。
【6】 リニア中央新幹線には、限界に近付いた東海道新幹線の輸送能力を補うことや移動時間の短縮に加え、東海地震に備えた代替ルートの確保、東海道新幹線の老朽化対応という狙いがある。だが、経済性、環境面、安全性の観点などから、多くの疑問や懸念が指摘されている。
【7】 南アルプスを貫くトンネルの工事は特に難航が予想され、大幅な長期化もあり得る。JR東海は名古屋までの工事について、5年前に発表した事業費を935億円上方修正した。しかし、工期、資材価格や人件費、借金の金利など不確実性は多く、大幅な追加もないとはいえない。
【8】 想定外の費用増がなくてもこの事業に採算性がないことをJR東海自身が認めている。昨年9月、山田佳臣社長(当時)は、「リニアだけでは絶対にペイしない(帳尻が合わない)」と記者会見で明言した。
【9】 東海道新幹線のもうけで穴埋めする考えのようだが、人口減少と高齢化が進む中、需要の増加どころか現状維持さえ確かとは言い難い。新大阪までの工事が完了するとされる31年後の日本の姿を予測することは極めて難しいのである。
【10】 巨大プロジェクトの事業費が、当初の想定よりはるかに膨らんだという事例は少なくない。例えば本州四国連絡道路では3.8倍に跳ね上がった。甘い需要見通しで突っ走った過去の失敗に学ぶべきではないか。
【11】 東海地震の際の代替ルートというのであれば、リニアでなくてもよいし、北陸新幹線の活用もあろう。まさに国全体に関わる話として検討すべきテーマである。今から本気で議論をしても、遅すぎない。
判定:社説落第
さて、如何だろうか。
冒頭述べた通り、「毎日新聞のリニア新幹線反対社説」であることは、間違いようがない。先行記事にした社説と併せて、「毎日新聞のブレない主張」と言うことも出来よう。
左様、「リニア新幹線に反対である」という点だけに於いては。
左様、「リニア新幹線に反対である」という点だけに於いては。
だが、その「リニア新幹線に反対する理由」となると、上掲毎日社説から読みとれるのは・・・・
(1)万一リニア新幹線が経営的に失敗し、JRの経営状態も悪化した場合、国税による救済が行われかねないから
・・・かかる理由によってリニア新幹線について、「国会で議論」だの、「国民的議論」だのを上掲毎日社説は訴えている訳だが・・・一体、「国会」とか「国民の議論」とかはJRにとって何なのだろうか。
そりゃJRは「公共性の高い事業を担う会社」ではある。元は国有鉄道でもあった。だが、今は民営化され、一民間企業だ。経営の方針にせよ、長期経営計画にしろ、国交省の認可を必要とする部分はあろうが、国会やら国民やらにお伺いを立てる必要なんざ欠片も無い。
また、そんな国会や国民による「経営介入」があるようでは、民営化した意味もなければ、健全な経営なぞ不可能であり、行き着くところは赤字経営・経営悪化でしかなかろう。「公共性の高さ」故に「リニア新幹線による経営悪化」を懸念していたはずの「経営介入」が、JRの経営悪化を招くようでは、本末転倒である(*1)。
極端な話、JRがリニア新幹線によって経営悪化し、さらには倒産しようが、「知ったことではない」と突っぱねることも、国会や国民には、可能だ。そこはJRの「公共性の高い事業」故に、国税を投入する救済策がとられる可能性は大いにあろう。その可能性は私(ZERO)自身も認めるところだが、その「JR救済策の事前予防策」として、「現・リニア新幹線計画」に対する介入を、国家なり「国民」なりが実施すべきであろうか。
ま・さ・か。株主でもなければ社員でもない「国会」や「国民」が、「事業の公共性」故に不当なほどに(*2)経営介入して、ろくなことになるものか。
それでも、社会主義的見地から「事業の公共性故に、国会・国民は経営介入すべきだ」という主張は、一つの主張ではある。それは、上掲毎日社説の殆ど唯一の「リニア新幹線反対理由」となっている。
問題は、先行記事で取り上げた毎日新聞のリニア新幹線反対社説「リニア新幹線 国民的議論が必要だ 」に比べて、上掲社説が、「一段と説得力を減じていること」。
先行記事で取り上げた毎日社説では、「福島原発事故の教訓」だのなんだのと、屁理屈ながらも理屈をこねていた。これに対し上掲毎日社説は、上記(1)の1点張りで、理屈をこねることすらしない。言ってみればシュプレヒコールを繰り返すだけ。仲間内の内輪受けなら狙えようし、盛り上がるかも知れないが、私(ZERO)の様な「異教徒」には、説得力皆無だ。
社説というのは、新聞社の主張ではないのかね。先行記事で取り上げた「射撃競技年齢下限引き下げ慎重論」共々、ずいぶん「社説の質」が落ちているのではないか、毎日新聞。
その一方で、「リニア新幹線反対」の主張が「一貫している」ことは認めよう。説得力皆無なものだから、表題にしたとおり「リニアに恨みでもあるのか?」と、勘ぐりたくもなるが。
だが、上掲社説からすると、どうも、違うのではないかな。
1> それなのに、国会で包括的な審議がなされることも、国民的議論が盛り上がることもなかった。
2> ここが一番問題だ。
2> ここが一番問題だ。
つまり、「毎日新聞が、一貫してリニア新幹線反対を社説に掲げる」のは、「毎日新聞が、一貫してリニア新幹線反対を社説に掲げていても、国会や国民が一向にこれに応じない」からでは無いのか。
即ち、かつてあった(らしい)新聞による世論操作・世論誘導が、今回本件については全く効かない事への「焦り」が、上掲毎日社説の行間からは読めるんだがね。
だが、そんな「焦り」を、「内輪受けのシュプレヒコール」でしかない上掲社説として表明したところで、「かつての栄光」は、戻らないぞ。
もっとも、そんな「新聞のかつての栄光」が失われ、戻らないことは、私(ZERO)のような魂の自由を愛する者には、朗報以外の何物でもないが。
<注釈>
(*1) 無論、そんな「経営介入」が、「必ず経営状態を悪化させる」とは限らない。だが、経済性や利潤追求よりも公共性を求める「経営介入」は、一般的に言って経営を悪化させる方向であろう。(*2) 国が保有している(であろう)JR株による株主としての権利を越えて
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