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【朝鮮日報社説】「いつも通り」の虚偽記載
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/05/06/2014050600780.html
【1】 先月16日に全羅南道珍島沖合で沈没事故を起こした旅客船「セウォル号」では事故の前日、仁川港を出港する前に乗務員らはいつもと同じように淡々と業務をこなしていたことがわかった。いつもと同じ、とは、要するに乗務員らは出港前に船の安全点検を一切行わず、すべてにおいて「問題なし」と記載された虚偽の報告書を作成し提出していたのだ。検察と警察の合同捜査本部は「セウォル号は船の状態、積載した貨物の量やその船積みされた状態、救命設備など、点検すべき項目はすべて良好という内容の報告書を作成し、仁川港運航管理室に提出していた」と発表した。この報告書は本来なら船長が作成することになっているが、セウォル号は三等航海士のB氏(26)=女性、拘束=が船長に代わって作成し、船長の名前で提出していた。B氏は捜査本部での取り調べで「まともな点検は行わずに記載した」「仕事を学ぶときにも、ただ良好と書けばよいと指導を受けた。いつもと同じようにやっただけだ」と証言した。一等航海士のK氏(42)=拘束=も「安全点検を行う前にまず書類を提出した。これは一種の慣行だった」と証言した。
【2】 事故の前日に提出されたセウォル号の安全点検報告書には、貨物657トン、コンテナ0個、自動車150台と記載されていた。ところが実際はコンテナが105個積まれており、これだけで1157トンにも達していた。自動車も180台が積まれていた。しかもコンテナはしっかりと固定されていなかったが、報告書には「船積み状態は良好」と記載されていた。貨物を決められた限度を超えて積載し、船が傾いた時に一方に片寄らないようしっかりと固定しなかったことも、セウォル号が沈没した一つの原因とみられている。救命設備も「良好」と記載されていたが、実際に船に積まれていた46隻の救命ボートのうち、沈没の時に使えたのはわずか1隻のみだった。
【3】 「いつも通りやった」と証言したB氏は、航海士としてセウォル号に乗船してからまだ5カ月ほどだという。B氏に対して安全点検をやらずにただ「良好」と記載するよう指導したのは、B氏の前任者か先輩だったはずだ。この前任者あるいは先輩も、その前任者か先輩からそのように指導を受けていたのだろう。このような慣行が定着してしまった影響で、わずか5カ月前に入社したばかりのB氏のような新人も、虚偽の報告書を作成しながら罪悪感など一切感じなかったのだ。このように積み重なった虚偽と惰性は、最終的に船を転覆させ沈めてしまった。
【4】 これはセウォル号の乗務員だけの話ではない。問題の報告書を受け取った運航管理者に現場を確認すべき義務は定められていないが、もしこれまでに1回でも現場を確認していれば、その報告書が完全に虚偽だという事実などすぐにわかったはずだ。また報告書を書いたのが船長ではなかったこともその場で摘発していたことだろう。これが行われていればおそらくセウォル号は出港できず、最低限の貨物以外は船から下ろし、これをしっかりと固定するよう指示されていたに違いない。ところが運航管理者はその虚偽の報告書をそのまま受理した。これもおそらく慣行だったのだろう。セウォル号は上から下まで、また前から後ろまですべてが虚偽ばかりで、その虚偽もすべてが慣行という名の下で誰も疑問に感じないまま行われていたのだ。
【5】 韓国国内で航行する他の船はどうだろうか。セウォル号だけが特別で、他の船ではすべて安全点検がしっかりと行われているのだろうか。船舶だけではない。韓国国内で多くの人が集まる大型の施設で作成される安全点検関連の報告書は、もしかするとセウォル号と同じく全くの虚偽ではないだろうか。今回の悲惨な事故をきっかけに他の船舶はもちろん、地下鉄、空港、ガス、原子力発電所など、国民の安全と直結したあらゆる施設において改めて安全点検を行うべきだろうが、その前に、これまで提出された安全点検の報告書や内部の慣行をまずはチェックする必要があるのではないか。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
この社説タイトルを最初見たとき
"「いつも通り」の虚偽記事"と読めてしまったのは、偶然だろうか。
確かに、報じられている「セウォル号の安全管理体制並びに安全意識」は酷いモノであるし、韓国船舶に共通する問題である公算大である点も上掲朝鮮日報社説に同意するが、「虚偽記載がまかり通っている」のは、韓国船舶・交通機関に限った事とは断言出来まい。
「人の振り見て、我が振り直せ」と、日本では言うぞ。