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何度か繰り返しているが、私(ZERO)は「鉄道マニア」「鉄道ファン」・所謂「鉄ちゃん」ではない。歴代の新幹線こそ大凡識別出来るものの、それ以外のナントカ系列車よりは第2次大戦ドイツ軍列車砲の方が詳しい位。「第1次大戦以来の列車砲の歴史的意義」ならば多少は語れそうだが、実物の列車砲は見た事も乗った事も撮った事も無い(*1)のだから、「鉄ちゃん」なんぞになり様がない。
さはさりながら、「鉄道」と言う交通機関がある種ノスタルジーやロマンを掻き立てるのは事実なようで、「ユーラシア大陸横断貨物鉄道」なんてモノが現役バリバリだと、AFPは報じている。
<注釈>
(*1) 「列車砲」は、第2次大戦を最後に、ほぼ絶滅してしまった「絶滅兵器」の一つだ。
①【AFP】中国とドイツを結ぶ渝新欧鉄道、将来性に期待高まる
2014年04月05日 15:54 発信地:フランクフルト/ドイツ
http://www.afpbb.com/articles/-/3011824
【4月5日 AFP】「渝新欧鉄道(Yuxinou Railway)」は中国内陸部の大都市、重慶(Chongqing)とドイツ西部の工業都市デュイスブルク(Duisburg)を結ぶ貨物鉄道だ。「現代のシルクロード」と呼ばれ、欧州―アジア間の輸送を大きく変えると期待されている。
2011年に全線開通した渝新欧鉄道は全長約1万1000キロ。中央アジア、ロシア、ベラルーシ、ポーランドを経由する。
ライン(Rhine)川とルール(Ruhr)川の合流点に位置するデュイスブルクは、世界最大級の内陸港を有するドイツ有数の輸送中継拠点。一方、重慶には、米アップル(Apple)製品を製造する台湾の大手電子機器メーカー、富士康集団(フォックスコン、Foxconn)や台湾パソコン大手エイサー(Acer)、自動車部品メーカーなどの工場が集積する。
重慶―デュイスブルク間の輸送所要日数はわずか16日で、海上輸送よりも20日以上短縮できる。中国の主要海港から1500キロ離れている重慶にとって、この鉄道の役割は特に大きい。デュイスブルク港の広報を担当するユリアン・ベッカー(JulianBoecker)氏はAFPに「この鉄道には単なる象徴的な意味合い以上の価値がある」と話す。
■速さは海上輸送の2倍、コストは航空輸送の半分採算性を向上させるため、欧州行きと中国行きの両方向で貨物量を増やすことが課題だ。渝新欧鉄道は最大でコンテナ50個分の積載能力を持つが、デュイスブルクに向かう際は貨物がいっぱいで中国へ戻る時は空っぽということも珍しくない。ドイツの鉄道コンサルティング会社SCIフェアケーア(SCI Verkehr)のマリア・レーネン(Maria Leenen)ディレクターは「現段階では中国から欧州に向かう貨物の方がはるかに多い。これは問題だ」と話した。数百年前に、アジアと欧州をつなぐ交易路シルクロードに徐々に取って代わっていったのは海上輸送だ。物流コンサルタント会社ISLのブルクハルト・レンパー(Burkhard Lemper)氏によると、アジアと欧州との間の貿易量の95%以上は船による輸送だという。c)AFP/Estelle PEARD
貨物輸送市場における鉄道のシェアはまだ小さく、渝新欧鉄道は現在の輸送システムを補完しているに過ぎないが、デュイスブルク港の運営会社のエリッヒ・シュターケ(Erich Staake)社長は「鉄道は、速さは海上輸送の2倍でコストは航空輸送の半分」と話した。
SCIフェアケーアのレーネン氏は「鉄道輸送の歴史はまだ浅い。安全や定刻運行、関係国の政情などの面で問題がなければ将来性はある」と話した。(
鉄路は、輸送路・補給路であり、侵攻ルートでもあり得る
さて、如何だろうか。
大陸は支那の内陸部重慶と、ドイツ内陸部デュイスブルク(Duisburg)を結ぶ貨物鉄道の、いわば「宣伝」とも「提灯記事」とも言えるAFP記事。「内陸部の都市同士」を結んでいるのは、端的に言って「港湾から遠く、海路・水路に不利=陸路に有利」だからだろう。
①1> 重慶―デュイスブルク間の輸送所要日数はわずか16日で、海上輸送よりも20日以上短縮できる。
①2> デュイスブルク港の運営会社のエリッヒ・シュターケ(Erich Staake)社長は
①3> 「鉄道は、速さは海上輸送の2倍でコストは航空輸送の半分」と話した。
とは言え、上記①3>で鉄道を持ち上げているのは海路の担い手・港湾運営会社社長なのだから「敵より出る公論」であるか「全く競争相手と考えていない」かの何れかだろう。そりゃ空路ならば多分3日かそこら(*1)で運べそうだし、鉄路は海路よりもコスト高だろう。
①4> SCIフェアケーアのレーネン氏は
①5> 「鉄道輸送の歴史はまだ浅い。
①6> 安全や定刻運行、関係国の政情などの面で問題がなければ将来性はある」と話した。
①5> 「鉄道輸送の歴史はまだ浅い。
①6> 安全や定刻運行、関係国の政情などの面で問題がなければ将来性はある」と話した。
と、上掲AFP記事は〆るが、「歴史が浅い」と言うならば、空路の歴史こそ鉄路の半分も無い。「関係国の政情」と言う点で支那・中国共産党政権は相当に不安であるし、「定刻運行」もドイツ鉄道が以下の様では、相当に怪しいぞ。
<注釈>
(*1) ジェット輸送機、旅客機は共に亜音速で、速度差は余り無い。
②【東京社説】ドイツは失敗したか<1> 風や光で走る"新幹線"
2014年4月7日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014040702000150.html
【1】ドイツ鉄道(DB)OBのハンス・ディーター・メトケさん(74)は、胸を張る。
【2】「われわれの鉄道は、二〇五〇年までに100%再生可能エネルギーで電車を走らせます」
【3】 旧東独出身で、一般機械製作マイスターの資格を持つ現場の技術者だ。十年前に定年退職した後は、ベルリン郊外のルメルスブルク整備工場で、見学案内のボランティアを務めている。
【4】 最高時速三百キロで欧州の主要都市間を結ぶドイツ"新幹線"、ICEが整備中だった。各車両に「UNTERWEGS MIT OKOSTROM(ウンターウェークスミット エコシュトローム)(エコ電力で走行中)」と書かれた緑色のステッカーがはってある。
【5】 ドイツでは、利用者・企業が送電網を通じて電源を選択できる。【6】 DBは、風水力で発電する事業者との提携を進め、ベルリン中央駅など駅舎の屋根に太陽光パネルをのせて、自給自足もしようと試みている。
【7】 今のところ、経費がかさむのは確かである。だがユニークなのは、この試みを「エコプラス」という商品にしたことだ。
【8】 企業に会員登録してもらい、出張にDBを使うと、運賃に2%程度の協力金を課す。ベルリン-フランクフルト間なら百円ちょっとというように。会員企業は見返りに、再生エネによる出張で削減できた二酸化炭素(CO2)の総量を、証書として受け取ることができるのだ。エコ企業の証しである。消費者は、それを見ている。
【9】 社員三十万人。年間延べ二十七億人の旅客を運ぶ巨大鉄道会社の影響力は計り知れない。「有力企業の会員が増えています」と、DBの女性幹部(52)は言う。
【10】 では、挑戦を促す力は何なのか。その人はさらりと言った。
【11】 「国民の希望です」
【12】 福島原発事故の後、ドイツは脱原発を宣言した。そのため電気料金が値上がりし、国民の不満が高まったともいわれている。(論説委員・飯尾歩)
【13】 ドイツの挑戦は失敗なのか。皆さんと一緒に考えたい。
※OKOSTROMの最初の「O」はウムラウト
夜間、風の無い日は止まる「新幹線」ですが、何か?
さて、如何だろうか。
ごくごく単純に言うならば、さらには私(ZERO)に言わせるならば、上掲東京新聞社説のタイトルは「詐欺」だ。
上掲東京新聞社説タイトルを「詐欺」と断じる理由は、以下の通り。
(1) 「風や光で走る"新幹線"」の主たる根拠が、ドイツ鉄道(DB)OBのハンス・ディーター・メトケさん(74)の発言(パラグラフ【2】)である。DB社の公式発表でもなければ、責任ある地位の人の発言でもない。
(2) パラグラフ【6】で「風水力で発電する事業者との提携」及び「太陽光パネルによる電力自給の試み」に触れるが、発電原理からしてその主力は水力しかありえない(理由は後述)。
「私の自然エネルギー推進論
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35778036.html 」で論じて以来再三繰り返しているが、太陽光や風力などの「今を時めく再生可能エネルギーの主役たち」は、「発電量が制御出来ない=発電量は出来高」であり、「高効率大容量の畜放電技術が開発・普及しない限り、発電の主力とはなりえない」。で、「高効率大容量の畜放電技術」なんてのは、未だコンセプトさえ怪しい超技術・未来技術。ここで言う「大容量」とは、電気炉などの工場設備や鉄道を動かせるほどの電力を意味し、とてもじゃないが現行・現有の蓄電池では追いつかない。
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35778036.html 」で論じて以来再三繰り返しているが、太陽光や風力などの「今を時めく再生可能エネルギーの主役たち」は、「発電量が制御出来ない=発電量は出来高」であり、「高効率大容量の畜放電技術が開発・普及しない限り、発電の主力とはなりえない」。で、「高効率大容量の畜放電技術」なんてのは、未だコンセプトさえ怪しい超技術・未来技術。ここで言う「大容量」とは、電気炉などの工場設備や鉄道を動かせるほどの電力を意味し、とてもじゃないが現行・現有の蓄電池では追いつかない。
逆に言えば、現行技術の下で「鉄道を動かす」以上、太陽光や風力なんざぁ「おまけ」にしかならない。水力は、貯水量が十分な範囲では「制御可能な発電力」であり、かつて我が国発電量の半分を占めた「主要エネルギー源」であった実績もある。従って、上掲記事パラグラフ【2】
②1> 「われわれの鉄道は、二〇五〇年までに100%再生可能エネルギーで電車を走らせます」【2】
と言うのであれば、その「再生可能エネルギー」の大半は水力が占めて居る筈だ。さもなければ、章題にした通り、「夜間や風の無い日は鉄道運休」とならざるを得ない。「風が止んだら遅刻して、雨が降ったらお休み」になり、「定刻運行」何ぞ夢のまた夢だ。
無論、2050年まではまだ30年以上あるから、この間の技術の進歩は期待してよかろう。現状コンセプトさえ怪しい大容量畜放電技術(*1)が実用化し普及する事だって、それぐらい時間をかければあり得る事ではあろう。
だが、「必ずそうなる」と言うのはあまりに楽観視が過ぎようし、「その必要性がある」事を意識・認識しないと言うのは論外だ。
まあ、脱原発原理主義者に、理屈を説いても始まらないだろうがね。
②2> 「国民の希望です」【11】
…その「国民の希望」では、鉄道はタダの1㎜すら動きはしないんだがね。
原理主義の精神論も、大概にしやがれよ。
<注釈>
(*1) 「巨大な弾み車に運動量として保存する」「液体ヘリウムで冷却した超電導コイルに保存する」「巨大なコンデンサーに保存する」…原理的には随分前から言われているが、どれも実用化の目途すら無い。