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下掲するのはWSJことWall Street Journalに掲載された記事である。
繰り返す。
下掲するのはWSJことWall Street Journalに掲載された記事である。
下掲するのはWSJことWall Street Journalに掲載された記事である。
先ずはご一読あれ。
【WSJ】歴史の悲惨な記憶を育むアジア .
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304380304579406102833763822.html?mod=WSJJP_hp_bottom_3_3_bucket_2_right
By ANDREW BROWNE
ASSOCIATED PRESS
1937年当時、上海に駐留していた日本軍の兵士らの写真
【南京(中国)】
【1】 北アジアの政治は歴史的な記憶によって形作られている。中国では、この歴史的な記憶は嫌悪感に満ちており、とりわけ日本に対してそうだ。
【2】 このような記憶を今日でも維持しているのは、中国南部・南京市の約7万3000平方メートルの土地に広がる「南京大虐殺記念館」などの巨大な博物館だ。1937年に日本軍が南京を侵攻した際、6週間にわたって殺人とレイプが繰り返された。当時、中国は国民党に支配されており、南京はその首都だった。
【3】 中国は、この大虐殺で30万人が死亡したと述べる。多くの日本の歴史家は中国の公式な死亡者数に異議を唱える。しかし、膨大な犯罪行為が行われたのは明らかだ。
【4】 この歴史的経緯が、安倍晋三首相率いる日本政府の右傾化を危険に満ちたものにしている。なぜなら、それは日本に対する中国での不快極まりない記憶を呼び覚ますからだ。そのような時、中国は反日感情に飲み込まれる。反日感情はいわゆる愛国教育運動を通じ、博物館、国営メディア、それに学校で醸成されてきた。
【5】 この反日感情は、安倍首相の昨年12月の靖国神社参拝によってさらに増幅された。靖国神社には何百万人もの戦没者と並んで、第2次世界大戦のA級戦犯14人が合祀されている。記憶は、日本の著名人が戦中の日本軍の残虐行為を否定したり、日中が東シナ海に浮かぶ一連の岩礁の領有権をめぐって非難の応酬をするたびによみがえる。
【6】 南京大虐殺記念館には、長い階段(ガイドはそれを「地獄への80段」と呼ぶ)で行ける巨大な地下室があり、きめの荒い白黒の写真が証拠として並べられている。そこには、頭部を切断され、たばこを口に突っ込まれた若い中国人男性、日本兵に服を脱がされてうろたえ、苦悶の表情を浮かべる老女、揚子江の土手に打ち上げられた多数の裸の遺体が写っている。このような恐怖の写真は全部で3500枚ある。毎年500万人がこの階段を下りており、それには学生の団体も多く含まれる。
【7】 博物館の学芸員Zhu Chengshan氏は、「この歴史を見れば見るほど、怒りがこみ上げてくる」と話し、日本の公共放送NHKの経営委員(安倍氏のポリティカル・アポインティー=政治的任命者)が南京大虐殺を否定したと日本のメディアが最近報じたことについては、「言語同断で、とんでもない発言だ」と述べた。
【8】 この記念館は1985年に建てられ、それ以降数回にわたって大幅に拡張されてきた。中国国内に点在する同じような施設群の中で最も重要な施設だ。これらの施設は中国の一般市民に1949年の共産主義革命に至るまでの「屈辱の世紀」を想起させるためのものだ。これは、後世の中国人による日本人の見方に影響を与えるという点で中核的な役割を担っており、中国人が自らをどう見るかを規定するのにも役立っている。
【9】 中国にはこのほか、英国とロシアの帝国主義が犯した罪にスポットライトを当てた施設もある。同国北部ハルビンには、日本の悪名高き「731部隊」の犠牲者を悼む場所もある。731部隊は細菌戦を行ったり、生きている人間に対して化学実験を行ったりした。
【10】 これらのつらい記憶を維持することは、中国共産党にとって幾つかの目的にかなっている。中国を窮状から救う上で共産党が果たした役割を強調して自らの正当性を高められる。また、人々の不満の矛先を共産党から外部にいる敵や脅威に向けさせられる。それは歴史上も現在でも敵であり脅威であるものだ。
【11】 外国による中国侵害の歴史を強調する努力が、1989年に天安門広場で展開された学生主導の抗議デモ活動の後に一気に加速したのは偶然ではない。その民主化活動は、体制転覆の近くまでいった。それ以降、外国による中国侵害の歴史を強調することが、中国人のナショナリズムの感情的な中核となり、中国がマルクス主義を放棄して市場経済を採用した際に生じたイデオロギー的な空白を埋めたのだ。
【12】 生前の毛沢東は、彼の時代の中国について非常に異なる語り方をした。彼は自らの革命の勝利を反映した英雄的な話を好んだ。これらの英雄話の中では、日本の残虐行為はあまり言及されなかった。しかし現在では、中国という国のストーリーが語られる際には、勝利者は被害者に転じている。
【13】 中国人の間では、日本は中国に歴史的な借りがあり、それは血であがなわれるべきだと主張する人も少なくない。戦争が70年近く前に日本の降伏によって終結したとしても、である。しかし、こういった感情は高まるだけなのかもしれない。歴史的な記憶が中国でも日本でも極めて違ったやり方で操縦されているためだ。
【14】 安倍首相は、日本と日本経済に自信を取り戻したいと願っている。彼は、戦時の記憶という重荷を振り払い、未来を見つめたいと考える多くの日本人の願い、とりわけ比較的若い世代の願いに取り入ろうとしている。
【15】 一方、南京では、戦時の記憶をよみがえらせ、それを助長しようとする取り組みが加速している。Zhang Xianwen氏は南京大虐殺記念館と関係の深い南京大学虐殺歴史研究所の所長を務める。彼は世界で虐殺に関する追加的な証拠を探す100人の歴史家と研究者からなるチームを率いており、これまでに発見した証拠を72巻の本で出版した。それは中国の漢字で5000万字にも及んでいる。
【16】 同氏は「中国の人々は歴史を忘れない」と述べた。
中国共産党プロパガンダそのまま
さて、如何だろうか。
何ともひどい記事である。当ブログが(*1)WSJことWall Street Journalに対し批判的であるのは確かであり、だからこそ「WSJ紙 + 日本人(日系人)女性記者」シリーズなんて記事がアップされている。だが、それを別にしても、中国共産党の主張(*2)そのまんま鵜呑みにした上、「南京大虐殺記念館へ行き、同館学芸員Zhu Chengshan氏とZhang Xianwen南京大学虐殺歴史研究所所長の話を聞いてきました。」と言うだけの記事。尚且つ「南京大虐殺記念館学芸員」も「南京大学虐殺歴史研究所所長」も、「南京大虐殺の"実在"と非道を喧伝すること」が「存在理由」なのだから、実に「偏った人選」と言うべきだろう。それ以外にもあれこれ言及してはいるが、「中国共産党の主張丸呑み」や「非常に偏った取材対象」に比べれば、些事だろう。
「他者の主張丸呑み」や「偏った取材対象」は、ジャーナリストとして糾弾されるべきであり、恥ずべき事でもあろう。だが、本記事の主眼は上掲WSJ記事を書いたANDREW BROWNE記者を糾弾すること、ではない。
上掲記事の通り「中国共産党の主張そのまま」の記事が、WSJ紙と言う西側自由主義陣営にある一定の言論の自由・思想信条の自由を享受する民間報道機関の記事として掲載された事に注意し、警戒すべきである。
それ即ちタイトルにもした通り、「中国共産党プロパガンダの勝利」なのであるから。
東京裁判では、「"止まれ!"と言われても止まらなかった中国人が射殺された事例を数例目撃しただけで、後は全て伝聞に基づく」と証言された「南京大虐殺」を、70年ほどもかけて「膨大な犯罪行為が行われたのは明らかだ。(パラグラフ【3】)」と上掲WSJ記事でANDREW BROWNE記者に断言させているのだ。プロパガンダとしては史上希に見る大成功だろう。
「嘘も百編吐けば、本当になる国」の恐ろしさ。その謀略宣伝術を、しかと我が国は認識すべきであろう。
現状認識は、戦術の第一歩である(*3)。
現状認識は、戦術の第一歩である(*3)。
<注釈>
(*1) という事は、とりもなおさず当ブログ管理者たる私(ZERO)が、だが。(*2) それは、私(ZERO)に言わせれば、プロパガンダ以外の何物でもないのだが。(*3) とは言え、それこそ「歴史の真実」が、一時的には兎も角究極的には「口八丁の謀略宣伝」何ぞに、負けてたまるか、とも思っているが。「俺達は、太陽と共に戦っている。」―「うじおしお と とら」―