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仄聞するところによると、イギリスでは「アイルランド人は皆気違いだ」と言うそうだ(*1)。下手すると人種差別のヘイトスピーチになりかねないフレーズだが、半ば冗句、半ば本気、半ば常套句(*2)として使われる、らしい。
文化・宗教・人種などが異なる「異邦人」が、「非常識」とか「気違い」とかに思えるのは、大いにあり得る事であり、それは基本的に「カルチャーギャップ=互いの違い」と理解し、許容・寛容すべきモノであると、基本的原則として私(ZERO)も同意する処である。が、同時に、神ならぬ身の人が為す事。「差別すまい」と考えても「差別する/してしまう」のが人間であろうと、覚悟もしていれば、ある種諦観もしている。
ではあるが…こんな論説が、一国を代表しそうな「大手紙」の社説=新聞社の主張と、それも曲がりなりにも自由と民主主義を標榜する西側自由主義国(*3)で見出してしまうと、どうしても以下の疑念を払拭できなくなる。
「韓国人ってのは、強請集りの犯罪者集団なんじゃないか?
そりゃ例外は居るだろう(*4)けれども、基本的には、皆。」
そりゃ例外は居るだろう(*4)けれども、基本的には、皆。」
<注釈>
(*1) 出典は?と聞かれると、映画「鷲は舞い降りた」、かなぁ。ヒロイン(美人では無い)モーリーと、アイルランド人・リーアム・デブリン(まだ若いドナルド・サザーランドだから、結構良い男)が海岸で出会うシーン、か。「出典として弱い」のは、百も承知だが。(*2) 合計1.5になるが、気にするな。(*3) という事は、言論の自由があるのだから、社説=新聞社の主張の文責は、当然新聞社自身が負う事になる。(*4) と、期待も希望もするが。
【朝鮮日報社説】【社説】行動を怠った被害者が「挑発する日本」を作った
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/01/29/2014012900663.html
【1】 日本の安倍政権は28日、中学と高校の「学習指導要領解説書」に「独島(日本名:竹島)は日本固有の領土」という内容を明記した。この「解説書」は教科書を執筆する際の基準であり、また教師が授業を行う際の指針にもなる。日本が独島を自国の領土として強制的に編入したのは1905年、乙巳(いっし)条約(第2次韓日協約)が締結される直前だった。今後、日本の全ての中学生と高校生は、旧日本帝国が強奪した韓国の領土を「日本の領土」として学ぶことになった。
【2】 日本政府は第1次安倍政権のときから、小中高校の教科書で独島関連の記述のレベルを何か作戦でも行うかのように高めてきた。2008年7月には中学校の教科書解説書に「日本と韓国の間に独島をめぐって主張の違いがある」という初歩的な記述を行い、その後10年には小学校教科書に独島を「自国の領土」と初めて記載した。教科書だけではない。日本の防衛省が発行する『防衛白書』は2005年から9年連続で「独島は日本の領土」と記載している。日本の外相はここ3年間、韓国の施政演説に相当する「国会外交演説」で「独島は日本の領土」という発言を続けている。これは自民党政権のときだけではなく、鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦首相と続いた民主党政権でも同じような行動が繰り返されていた。
【3】 韓国政府は28日、外交部(省に相当)報道官が声明を発表し「次の世代にうその主張を教え込もうとしている」「日本政府が直ちにこれを撤回しない場合、それに相応する断固たる措置を取る」などと激しく反発した。しかし意図的に挑発を繰り返す日本政府に対し、その行動を今すぐ変えさせる現実的な手段がないのも事実だ。そのため結局韓国政府は落ち着いて独島に対する実効支配を強化しつつ、日本自らが独島領有権の主張が無意味である事実を悟るよう、時間をかけて対策を準備する以外にないだろう。
【4】 このような状況の中、韓国も自らの問題を振り返らざるを得ない。ソウル大学の李泰鎮(イ・テジン)名誉教授は27日、ソウルで開催された東北アジア歴史財団主催の学術会議で「韓国の学界は日本による侵略主義の思想的な基盤をしっかりと研究してこなかった。これは被害者の職務怠慢だ」と主張した。李教授によると、安倍首相は靖国神社参拝に先立ち、昨年8月13日に吉田松陰の墓を参っていた。吉田松陰とは「日本は韓国を征服すべき」と主張する「征韓論」の元祖だ。韓国の学界やメディアは安倍首相によるこの墓参りにさほど注目しなかったし、また松陰についてそれほど詳しい人間もいなかった。李教授は「安倍首相は自らが最も尊敬する人物として吉田松陰の名を挙げている」とした上で「侵略主義を打ち立てた松陰について、韓国の学界では研究されたことがほとんどない。そのため日本はしっかりと反省をしなくなった」と自責の念を込めて指摘した。
【5】 ドイツ議会は27日、アウシュビッツ収容所解放60年記念行事を開催し、これにはメルケル首相も出席した。ドイツが日本と異なり反省を繰り返すのは、ナチスによる被害者たちが執拗(しつよう)かつ徹底してナチスの犯罪を追及してきたことも理由の一つだ。ユダヤ人団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」がここ数十年の間に法廷に立たせたナチスの戦犯は1100人を上回る。この団体はわずか1年前まで戦犯の一人を懸賞金を懸けて世界に指名手配し、最終的にその身柄を拘束した。
【6】 被害者が動かなければ加害者は自らの犯罪を忘れる。その被害者とは日本の帝国主義により最大の被害を受けた国である韓国のことだ。われわれはこれまで日本の帝国主義の蛮行を追及し、その責任者を一人でも明らかにしただろうか。これは自問自答せざるを得ない深刻な問題だ。韓国版「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が1カ所でもあれば、日本は今のような状態にはならなかったはずだ。
【7】 韓国政府と東北アジア歴史財団は28日「日本の帝国主義による侵奪の蛮行史」をテーマとする国際的な共同研究を推進すると発表した。今後は中国や東南アジア諸国からオランダ、英国、米国に至るまで連携の範囲を広げなければならない。50年、100年単位の目標を立て、日本の帝国主義の根源とその後継者に対する追跡を続け、その実態を詳しく明らかにしなければならない。それは圧政を拒否し自由を求めてきた人類の歴史に対するわれわれの義務でもある。それができれば韓国と日本もドイツとイスラエルのように健全で正常な関係、未来について語り合える関係を築くことができるはずだ。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
「基本的な歴史認識の相違」を別にしても・・・
さて、如何だろうか。
章題にもした通り私(ZERO)と上掲朝鮮日報社説の間にある海よりも深く山よりも高い「基本的歴史認識の相違」は一先ず置くとしよう。「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認」した日韓基本条約の事も一先ずは忘れる事としても、だ。上掲朝鮮日報社説は、要約すると以下の事を主張して居よう。( 例によって、【】内は該当パラグラフ番号 )
(1) 大東亜戦争(通称:太平洋戦争)は日本の侵略戦争であり、韓国は日本の侵略の被害者である(*1)。【4】【6】【タイトル】
(2) 韓国は大日本帝国の被害者でありながら、怠慢にも日本による侵略主義の思想的な基盤をしっかりと研究してこなかった。【4】【タイトル】
(3) 上記(2)「韓国の怠慢」の一例が、「吉田松陰が征韓論の元祖である事を知らなかった」である。【4】(*2)
(4) 大日本帝国の被害者である韓国は、韓国版「サイモン・ウィーゼンタール・センター」を作って日本の戦犯を追求すべきであった。そうしなかったのも「韓国=被害者の怠慢」だ。【6】
(5) 50年、100年単位の目標を立て、日本の帝国主義の根源とその後継者に対する追跡を続け、「日本の戦犯」を糾弾しよう。 【7】
(6) 「竹島は日本の領土」と主張する日本人は、「日本帝国主義の後継者」だから「戦犯」として処罰すべきだ。【1】
上記(6)は上掲朝鮮日報社説に直接文言としては出て来ない。上掲朝鮮日報社説を上記(6)の様に解釈するには、ある程度の思考力・演繹力・読解力・解釈力が、必要ではある。が、パラグラフ【1】~【3】で「日本の"竹島は日本の領土"教育」に対する批判から初めてパラグラフ【7】で「100年単位で日本の戦犯追及」を高らかに謳って〆る上掲朝鮮日報社説を「理解」するためには、上記(6)の解釈は不可避にして不可欠であろう。
なんともはや。これが我が国の隣国であり、かつては結構好きな国だった(*3)かと思うと、暗澹たる思いと我が身の若気の至りに、戦慄すら覚えるぞ。
上掲朝鮮日報社説の論理に従えば、吉田松陰の墓は暴かれて遺骨遺灰を盗み取られる可能性すらある。それも「征韓論の元祖」と言う罪だけで。実際に「征韓」した訳では無く、思想的影響は多大であろうが当人は三十前に刑場の露と消えた「偉大な思想家」でしかない(*4)と言うのに。
その「思想」が「征韓論」と言う「絶対悪」と断ぜられて(*5)。
ああ、そうなると、西郷隆盛も危ないな。上野公園の銅像だって、盗まれて「戦犯として糾弾」されかねない。それも今後100年単位で、だ。
「"アイルランド人は皆気違いだ"とイギリスでは言うそうだ」と、冒頭私(ZERO)が想起した理由がお判りになろうか。
仮に上掲朝鮮日報主張通りに「竹島は日本の領土では無い」としても、「"竹島は日本の領土"と主張する日本人」はせいぜいが「領土認識の違い」を言い立てているに過ぎない。それを「日本帝国主義の後継者」と断じるばかりか、「それ故に戦犯として100年単位で追及糾弾すべきだ」と、(多分)素面で主張されている訳だ。上掲朝鮮日報社説は。
「今まで戦犯追及を怠けて来た」と言う反省付きで、だ。
尚且つ、この「戦犯追及」が「謝罪と賠償」を伴うだろう事も、まず間違い様が無い。「金の問題では無い!」ぐらいの事は言うかも知れないが、「日本に対する精神的・道徳的優位」と言うある種「自尊心」の問題ではあろう。他者を貶めて自らの自尊心を満たす。品性下劣とはこの事だな。
四の五の抜かしていないで、ハーグに行こうじゃないか、半島。韓国が提訴に応じれば、竹島領有権の白黒は、何らかの形で決着する。上掲朝鮮日報によれば、「韓国領」であるのは自明なのだろう。それが国際的に証明された方が、「日本の戦犯追及」にも、有利な筈であろうが。
「日韓関係を正常化」する上でも、大いに資するはずだ。違うかね?
如何に、半島。
<注釈>
(*1) 日韓併合は大東亜戦争に遥かに先立ち、日韓間に戦争も何もないまま併合なった事や、日韓併合の結果朝鮮半島は大いに近代化され、鉄道・道路網から官僚組織までハードソフトを含むインフラが整備され、教育機関と教育が普及し…などなどなどもまあ、一先ず置くとして。(*2) 以上(2)~(3)は、直接的には「ソウル大学の李泰鎮(イ・テジン)名誉教授の発言の引用」であるが、態々社説のタイトルにまでしているのだから、「朝鮮日報の新聞社としての主張」と見做すべきだろう。ああ、「直接文言として書いては無い」がな。(*3)「私の半島観」参照 : http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/33380239.html(*4) 安重根と違って、テロすら実行していない。「決死の覚悟の当時の法律違反」は敢行しているが。(*5) 吉田松陰の思想的影響を、「征韓論であり、日本帝国主義の根源」としか理解できないんだから…テロリスト安重根が「義士」になっちまう訳だな。