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今回は引用文が長くなりそうなので、シンプルに行こう。
先ず下掲産経記事を御覧頂こう。
特攻隊員の遺書申請も批判 世界記憶遺産で韓国紙 「軍国主義の病的な極み」
2014.2.5 13:02
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140205/kor14020513040003-n1.htm
鹿児島県南九州市が特攻隊員の遺書などを国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録しようとしていることについて、5日付の韓国紙は「歴史を無視する日本の態度に批判が高まりそうだ」(東亜日報)などと報じた。
朝鮮日報は、特攻隊について「日本の軍国主義の病的な極みを示している」と主張。朝鮮半島出身者を徴用して働かせた施設が含まれるとして、韓国が世界文化遺産への登録に反発している「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」に続き、日本が「また、なりふり構わない」動きを見せていると伝えた。
東亜日報は、特攻隊には朝鮮人隊員がいたとし、朝鮮人の遺書も遺産登録に含まれれば「遺族はもちろん、韓国(全体)の反発が予想される」と報じた。
一方、韓国日報は5日、日本政府が産業革命遺産を構成する長崎市の端島炭坑(通称・軍艦島)の推薦書を1月末、ユネスコに提出したと報道。「韓国など周辺国の反発を懸念し非公開で提出したようだ」との韓国外交筋の話を引用した。
原典に当たるに如かず
さて、上掲は産経の記事であるが、記事全体のトーンからかけ離れている可能性が(一応)ある。であるならば、日本語版がネットに公開されている事もあり、原典にあたるに如くは無い。
①【朝鮮日報】南九州市、特攻隊員の遺書を「世界の記録」に登録申請 青年を戦闘機に乗せ敵艦に自爆攻撃
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/02/05/2014020500652.html
【1】 日本は昨年9月、第2次大戦中に数多くの朝鮮人徴用工が強制労働で犠牲になった炭鉱について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に推薦する方針を固め、物議を醸した。そして今度は、太平洋戦争中に敵艦への自爆攻撃を行った神風特攻隊員の遺書について、ユネスコの「世界の記憶」への登録を申請した。日本では最近、神風特攻隊をテーマにした小説『永遠の0(ゼロ)』が映画化され、人気を呼んでいる。
【2】 NHKが4日報じたところによると、鹿児島県南九州市は、知覧特攻平和会館に所蔵されている神風特攻隊員らの遺書など333点について「知覧の手紙」と名付け、来年の「世界の記憶」への登録を申請した。
【3】 神風特攻隊とは、太平洋戦争末期に青年たちを「零戦」などの戦闘機に乗せ、爆弾を積んだまま敵艦への自爆攻撃を行った部隊だ。日本の軍国主義の病的な極端さを示す事例として知られている。
【4】 当時、1000人以上の神風特攻隊員が、出撃前に家族に宛てた遺書や手紙、写真などを残し、このうち約1万4000点が、最後の出撃基地だった南九州市知覧の特攻平和会館に保管、展示されている。
【5】 南九州市の霜出勘平市長は記者会見で「明日に死ぬ運命にある極端な状況下で、特攻隊員たちが残した『真実の言葉』を保存・継承し、戦争の悲惨さや平和の大切さを世界に伝えたい」と述べた。
東京=安俊勇(アン・ジュンヨン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
②【東亜日報】「神風」の遺書まで…南九州市が世界遺産登録を推進
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2014020539518
【1】 日本の地方自治体が、「神風」特攻隊員の遺書や手紙をユネスコ(UNESCO=国際連合教育科学文化機関)世界記憶遺産登録に向けて申請することを明らかにし、論議を呼んでいる。 昨年日本政府が、数千人の韓国人が労働を強いられた端島(軍艦島)などをユネスコの世界文化遺産候補に推薦したことに続くもので、日本の歴史無視の態度に批判が高まるものと見える。
【2】 4日、NHKによると、鹿児島県南九州市は、「知覧特功平和会館」が所蔵する特攻隊員の遺書や手紙など約1万4000点のうち本人の名前が確認された333点の2015年世界記憶遺産登録に向けて申請することを発表した。 知覧は、太平洋戦争当時、陸軍少年飛行兵学校があった場所だ。 当時、日本軍は戦況が不利になると、ここから特攻隊員を乗せた戦闘機を出撃させた。
【3】 会館側は、特攻隊員が祖国と愛する人のために自発的に命を捧げたと宣伝している。 しかし、太平洋戦争で二等兵として戦地に向かった渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長は2006年にニューヨークタイムズとのインタビューで、「神風特攻隊が『天皇陛下万歳』を叫んで喜んで突進したというのはすべて嘘だ。 特攻隊は屠殺場に連れられてきた家畜にすぎなかった」と反論した(*1)。
【4】 一方、最近、公共放送のNHKの会長が「慰安婦はどこの国にもあった」と発言したのに続き、NHKの最高意志決定機関である経営委員会の委員が南京大虐殺を否定する発言をするなど、NHKの中立性をめぐって論議が起こっている。
【5】 NHK経営委員の百田尚樹氏は3日、東京都知事選挙に出馬した田母神俊雄元航空幕僚長の応援遊説で、「1938年に世界の国は南京大虐殺を無視した。 なぜか。そんなことはなかったからです」と主張した(*2)。
【6】 また、太平洋戦争末期の米軍による東京大空襲や原爆投下を「悲惨な大虐殺」とし、「極東軍事裁判で亡霊のごとく南京大虐殺が出て来たのはアメリカ軍が自分たちの罪を相殺するため」と述べた。
【7】 さらに、日本軍の残虐行為を一部認めながらも「それは日本人だけじゃない。 アメリカ軍もやったし、中国軍もやったし、ソ連軍もありました」と述べ、「こういうことを義務教育の子どもたち、少年少女に教える理由はどこにもない」と持論を展開した。
【8】 百田氏は神風特攻隊を扱った小説『永遠の0』を書いた代表的な保守寄りの作家で、安倍晋三首相とも親交がある。 この小説は映画にもなり、安倍首相は昨年末この映画を鑑賞し、「感動した」と感想を述べた。
【注釈】
(*1) この発言は、数多ある散華した特攻隊員達の自由意思と尊厳及び名誉を蔑にしている。第一、これだけでは何の「反論」にもなっておらず、個人的意見の表明でしかない。
(*2) パラグラフ【4】~【5】は「日本の悪口」であり、「日本の歴史無視態度」繋がりかも知れないが、神風特攻隊員遺書の世界遺産登録申請とは全く関係ない。
「特攻隊員を蔑にする」のは、半島の専売特許ではないが・・・
さて、如何だろうか。
上掲産経記事は、かなり的確に上掲①朝鮮日報記事及び上掲②東亜日報記事を伝えていたのではなかろうか。即ち、上掲①②共に「神風特攻隊員の遺書を世界遺産登録申請する日本」に批判的である(*1)。
が、その理由を抽出すると…
【理由1】神風特攻隊は日本の軍国主義の病的な極端さを示すから。 ①【3】
【理由2】数千人の韓国人が労働を強いられた端島(軍艦島)などをユネスコの世界文化遺産候補に推薦したことに続くもので、日本の歴史無視の態度を表わしているから。②【1】
【理由3】渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長が「神風特攻隊は屠殺場に連れられてきた家畜にすぎなかった」と「反論」しており、「特攻隊員が祖国と愛する人のために自発的に命を捧げた」のは嘘だから。 ②【3】
…これだけ。上掲②記事にも突っ込んだ通り、上掲②記事終盤の部分にNHK会長やNHK経営委員・百田尚樹氏の発言を引用して、日本とNHKの悪口=「日本の歴史無視態度批判」に余念がないが、NHKも百田尚樹氏も「神風特攻隊員の遺書を世界遺産登録申請」とは直接関係ない。
章題にもした処だが、「零戦などの戦闘機に(*2)爆弾を積んだまま敵艦への自爆攻撃を行った」神風特別攻撃隊を非難批判する者は、半島以外にも無論居る。「統帥の極致」と(少なくともある意味)称賛されもすれば、「統帥の外道」と非難もされるのが「神風」だ。我らと同じ日本人、それも戦時中にも、非難する者は非難したと聞く。
であるならば、戦後も70年近く経ち、隣国とは言え外国である半島は韓国のマスコミが「神風特攻隊批難」をしたとて、異とするには足らない。が…上記【理由1】~【理由3】を以って批難されることを、神風特攻隊員の遺書が「世界遺産に値しない」と糾弾されることを、座視しえようか。
最もわかり易いのは上記【理由3】だろう。なるほど渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長は相応に影響力のある日本人で、上記【理由3】の通り「特攻隊員が祖国と愛する人のために自発的に命を捧げた」のは嘘だと非難したのは事実かも知れない。
だが、上掲②記事によると渡辺氏は「神風特攻隊が『天皇陛下万歳』を叫んで喜んで突進したというのはすべて嘘だ。」とまで断言しているそうだが、第2次大戦当時の我が国の機上無線機は音声通話能力が極めて限られ、ヴォイスレコーダも無いから「神風特攻隊が『天皇陛下万歳』を叫んだ」か否かは証拠が無い。況や「喜んで突進した」か否かは、特攻した当人以外に本当の処なぞ判りようが無い。推察するしかない。言い換えれば渡辺氏の「反論」は、何ら証拠に基づきようが無い。
その推察の最有力な材料こそが「神風特攻隊員の遺書」だ。この遺書とて「全て真実」とは主張できまい。検閲を恐れて、或いは見栄で、「建前だけ遺書に残した」者も居るかも知れない。だが、これら遺書を一読すれば、「神風特攻隊は屠殺場に連れられてきた家畜」等では無い事は明白だ。
上記【理由1】「日本の軍国主義の病的な極端さ」と言うのは、随分戦争と言うモノを舐めている。一言で言えば「平和ボケ」だ。決死隊・決死的攻撃は普遍的価値を持ち、その勇気は大抵称賛される。
韓国軍が弱い訳だな。
逆に何を言っているのか判らないのが上記【理由2】だ。「大日本帝国は絶対悪だから」と言う前提条件でも付けなければ、理解できない、と思っていたら・・・こんな記事が産経にあった。
【湯浅博の世界読解】「すべて日本が悪い」は神聖不可侵の命題なのか http://sankei.jp.msn.com/world/news/140205/kor14020514060004-n1.htm
…なるほどね。
だが、こんな命題を「神聖不可侵」に掲げる原理主義者・韓国とは、首脳会談どころか相互理解さえ、覚束なかろう。
如何に、半島。
<注釈>
(*1) 上掲①朝鮮日報については、批判のトーンは案外弱く、「批判」と言うより「嫌味」に近いが。
(*2) 零戦以外の戦闘機はおろか、爆撃機、攻撃機、特攻専用子機「桜花」、はては複葉練習機「赤とんぼ」まで神風特攻隊として攻撃に参加しているのだから、この表記は正しくないが。