応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/
① 細川元首相が出馬表明「原発問題に危機感」 会談後、小泉氏「支援する」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140114/stt14011413380004-n1.htm② 東京から「原発ゼロ」を進める必然性
http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201401140048.html③ 【朝日社説】東京都知事選―首都で原発を問う意義 2014年1月15日(水)付
「朝日らしい」と言えばそれまでだが、酷いな
とまあ、こんな具合。
上掲②、③は朝日新聞からで、上掲②が保坂展人なる者の「オピニオン」で、上掲③は朝日新聞の社説。何れも朝日新聞だから大して期待はしていなかったが、実に酷いモノだ。
上掲②は「東京から「原発ゼロ」を進める必然性」と銘打っているくせに、言って居る事は…
(1)原発怖い
(2)東京は電力消費地だからエネルギー政策に発言権が大きい
(3)「脱原発」「原発ゼロ」は国民の声
…これだけ。この内タイトルに合致するのは実に上記(2)だけだ。上記(1)、(3)とも、「"原発ゼロ"を進める必然性」ではありえても(*1)、「東京から進める必然性」に全くなっていない。
その点では上掲③朝日新聞社説の方がまだマシで、
③1〉 都は東京電力の大株主だ。知事は、東電の経営に物申すこともできる。
として、「東京都が"原発ゼロ"を進める法」を( 幾許かは )示している。上記(2)でもそりゃ「東京都は東電にとって大口のお客様」ではあろうけれども、経営状態を悪化させ、電力供給を不安定化させる「脱原発」を東京電力に強要するには、不足だろう。
さはさりながら、「ならば、東京都は東電大口株主として何を実現すると、公約しているのか」については、細川都知事候補同様に朝日新聞社説もNo Ideaであるようで、
③2〉 今回、エネルギー政策が正面から問われることには意義がある。
③3〉出馬を表明した舛添要一元厚労相や宇都宮健児前日弁連会長らも「脱原発」を訴える。
③4〉具体論を戦わせてほしい。
③3〉出馬を表明した舛添要一元厚労相や宇都宮健児前日弁連会長らも「脱原発」を訴える。
③4〉具体論を戦わせてほしい。
等と、ぬけぬけと書いて居る。
「脱原発の具体論」?大変結構ではないか。先の衆院選挙で「未来の党」とやらが掲げた箸にも棒にもかからない「工程表(*2)」よりはマシなモノが出て来るのだろうな。楽しみな事だ。
<注釈>
(*1) その「必然性」当否は一先ず置くとしても。(*2) 東京新聞以下2―日本未来党の「卒原発工程表」「卒原発カリキュラム骨子」の脱原発原理主義ぶり+α http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/37743651.html http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/37743658.html
考えようによっては「山本太郎以下」だな
無論、前述「脱原発具体論への私(ZERO)の期待」と言うのは、相当部分皮肉である。福島原発事故を経てなお原発推進論者であると公言し、我が国に於ける「脱原発」なんぞ愚挙にして暴挙と断じ続けている私(ZERO)に言わせれば「脱原発の具体論」なんてのは「言語矛盾」に近い。
ソリャかつて民主党が政権与党時代に宣したように「あらゆる政治的資産を投入する」なんて事をすれば「脱原発を実現」する事は出来よう。「あらゆる政治的資産」という事は、電力統制や電力配給制、或いは時限給電のような社会主義が裸足で逃げ出すような統制経済さえ可能なのだから。さらに進んで「電力消費禁止令」まで行けば、「脱原発と二酸化炭素排出量抑制の同時達成」すら可能であろう。無論、経済発展や経済成長、はたまた「最低限の文化的生活」を諦め、放棄するのも、「あらゆる政治的資産を投入する」なら、可能だ。
普通に考えれば、現行民主主義体制は未だしも、資本主義自由主義体制を変更しない限り、そんな「社会主義裸足の電力統制社会」は実現できない。「最低限の文化的生活」も「経済発展」も、民主主義・自由主義・資本主義体制では「不可欠」であろう。さ、あればこそ、ある程度安定的な電力供給も不可欠であり、「我が国に於ける脱原発(*1)」とは両立し難い。「未来の党」の工程表がオッペケペーだったのも、細川都知事候補はじめとする都知事候補らの「脱原発具体論」を「言語矛盾に近い」と断じられるのも、その為だ。
大体、都知事が「原発問題」で、一体何をどうする心算なんだぁ?原発立地ですらないのに。
山本太郎は、一議員ではあるが国会議員を目指し、当選した。その意味では、「脱原発」と言う主張と「国のエネルギー政策に議員として関与する」手段の間に、少なくとも乖離は無い。たとえ高々一議席で党ですらなく、陣笠議員以下の影響力しか行使出来なくても、だ(*2)。
細川都知事候補は「脱原発」を掲げて都知事に選に立候補した。「ダムを無くす」と抜かして当選した長野県知事(*3)は、少なくとも「ダムを擁する地方自治体の首長選に出馬した」のであるが、東京都内には商業用原発は無い。
①1〉 東京が原発なしでやっていける姿を見せれば必ず国を変えられる。
等と抜かしているが、一体何をどうやって「原発なしでやっていける姿を見せる」と言うのか。「東電大株主としての地位を東京都が行使した」としても。
【Case1】東京電力の原発再稼働に反対する
これに成功し、東京電力の全原発が再稼働できなければ、「原発なしでやっていく」事にはなろう。だがそれは、東京都に限った事では無く、東京電力管内全域である。その上賭けても良いが東京電力の経営状況はさらに悪化して、電力料金は大幅値上げを余儀なくされ、且つ原発を代替するのは現状火力しかありえないから二酸化炭素は出しまくりだ。その点では現状の「日本全国原発稼働ゼロ」と大差は無いが、相違があるのは脱原発なんて愚策を取らない(であろう(*4))東京電力以外の電力会社との格差だ。
電力料金も、電力供給の安定性も、原発再稼働した東京電力以外の電力会社管区の方が明らかに優れるだろう。それは、オリンピックが開催されることで割増されたとはいえ東京周辺の立地的魅力を減殺するものであり、「原発なしでやっていく」事を難しくするか、そのレベルを落とす事になる。例えば、「電力料金は高く、二酸化炭素排出量も多いし、停電も多いが(*5)、やってはいける」レベルに。
そんな「姿を見せる」事で「国を変える」=「日本全体が脱原発する」と期待するのは気違いだが、そもそも細川都知事候補はじめとする脱原発原理主義者共には「東京都がそんな姿になる」とすら想像出来無い。出来ないからこそ呑気に「脱原発」なぞ掲げて「都知事選に出馬」している訳だが。
【Case2】東京電力の原発電力を、東京都には供給させない
これはまず技術的に成立するかどうか、非常に疑わしい。発電所から末端の電力消費者まで1対1対応していればこれも可能であろうが、そんな「一つの発電所に依存する」配電網なぞ危ないかしくて仕方がない。実際は、出力を素早く制御できる火力発電から、発電量出来高の太陽光・風力まで組み合わせて「電力需要に応じた発電」を実施し、それでも不足すれば他地域から電力供給を受ける事さえある程度出来るようになっているのだから、「この原発の電力は、ここで使われていて、東京都には給電されて居ない」とは断言し難かろう。仮に原発電力が東京以外のA県のみに供給されていたとしても、その原発のお蔭でA県に回さずに済んだ余剰電力が巡り巡って東京に供給される事はあり得る。東京と自信は一台電力消費地であって、殆ど発電しない、即ち東京の消費電力は基本的に東京以外から供給=「輸入」されるのだから、尚更だ。
つまりは、この【Case2】は、宣言して自己満足する事は出来るだろうが、自己満足に終わるであろう。ある意味、詐欺とさえ言えそうだ。
その詐欺は、この【Case2】を以って「原発なしでやっていける姿」と称し、「東京以外も脱原発する事を促す」事で完成する。もしくは破綻する。「東京が原発なしでやっていける姿」と称するモノが、「東京以外に原発電力を供給する」事で表面上「成立」しているのだから、当然そうなる。ドイツが「脱原発」と称しながら、電力不足時には電力輸入でしのいでいるのと、同じ事だ。
つまりは、この【Case2】は、宣言して自己満足する事は出来るだろうが、自己満足に終わるであろう。ある意味、詐欺とさえ言えそうだ。
その詐欺は、この【Case2】を以って「原発なしでやっていける姿」と称し、「東京以外も脱原発する事を促す」事で完成する。もしくは破綻する。「東京が原発なしでやっていける姿」と称するモノが、「東京以外に原発電力を供給する」事で表面上「成立」しているのだから、当然そうなる。ドイツが「脱原発」と称しながら、電力不足時には電力輸入でしのいでいるのと、同じ事だ。
【Case3】東京都自身の発電能力を高め、常に「電力輸出状態」を実現する
これに成功すれば、「東京が原発なしでやっていける姿」という事になろう。原発どころか東京電力すら東京にとっては不要とする、実に画期的な状態であり、東京都が電力消費地となって以来恐らくは史上初の快挙でもあろう。【Case2】とは異なり、この「東京の姿」を日本全体が真似るならば、真の意味での「脱原発」が可能となる。
で、何をどうすると、そんな事が可能なんだ??
現行の技術では、太陽光や風力では(*6)不可能だ。「私の自然エネルギー推進論」で述べた通り、大容量高効率畜電技術が存在しないのだから。東京都の地形ではダムによる水力も無理。小規模水力は束になってもダムに適わない。人口密集地だからバイオマスも絶望。無論、都内に原発を作るようでは「脱原発」にならない。可能性があるとしたら、火力発電所の大増設ぐらい。一体どこに何箇所建造するのやら。二酸化炭素排出量や煤煙、騒音等の問題も、建設のための用地買収(*7)等は別にして、だ。
成るほど、「やりがいのある」仕事だな。
だが、火力発電の煙突が林立し、シェールガス高石炭だか知らないが化石燃料消費して二酸化炭素出しまくりの「原発なしでやっていく東京の姿」を見て、それに追随する他道府県がどれ程あるだろうね。
<注釈>
(*1) 再三繰り返す通り、西欧諸国が呑気に「脱原発」なんて言い出し、実行できるのは、「電力が不足すれば外国から輸入出来るから」。分けてもフランスの原発から輸入出来るのが大きい。電力供給が不安定な太陽光や風力のシェアを増やすならば、尚更だ。困ったときの外国原発頼みで「脱原発」ってやがるんだからお笑いだが、もっと笑えるのは「外国から電力輸入なんて夢のまた夢である我が国で脱原発を主張する」奴バラだ。(*2) 「党を挙げて漸く陣笠議員になれる党」と、どちらが情けないかは、微妙な処だな。(*3) 名前忘れた。田中、だっけ?(*4) その上、福島第一原発事故の処理と言う重荷も背負わない。(*5) 全原発が稼働停止している現時点に於いても、停電は殆ど起きていない。これは主として火力発電設備に余力を持たせていたお蔭であるが、経済成長で電力需要が拡大したり、老朽化した火力発電の代替電源を確保できなければ、何れ停電は発生するだろう。(*6) 仮に東京都全域と洋上まで太陽光パネルと風車で埋め尽くしたとしても(*7) 東京の用地だから、な。世界でも指折りの高い土地だぞ。無論、都条例で強制徴用と言う手も、あるのかも知れないが。