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 「公論は敵讐より出ずるに如かず」とは、何度か引用している成句・格言(*1)。意味も何度も書く通り、「敵に褒められるぐらいなら本物だ」という事(*2)。
 
 中国共産党政権を「我が国・日本にとっての敵讐」と考えるか否かは議論の分かれる処であろうから(*3)、「中国共産党の安倍政権評」が「公論である」か否かも当然議論が分かれ様(*4)。
 
 とは言え、隣国の、それも「関係浅からぬ」(図体だけは)大国のわが国首相評だ。当ブログで取り上げる位の価値はあろう。

 

<注釈>

(*1) 公論は敵より出ずるに如かず-【人民日報海外版】「安倍氏の ...
 
(*2) この「解説」自体が、相当に"砕けた""下世話な"モノである事は認めざるを得ない。が、その分「判り易く」もあろう。 
 
(*3) 私(ZERO)自身は、尖閣諸島から沖縄本島まで「核心的利益」と称して領土的野心を剥き出しにし、我が領土領空を含む「排他的防空識別圏(仮称)」をも宣言した中国共産党を「明白な敵」と考えている。小沢一郎や民主党らに宣した様な「宣戦布告」を当ブログが中国共産党に対して出さないのは、「国に対する宣戦布告は、国しか出せない」と考えるが故である。 
 
(*4) より上位の設問として、「果たして、敵から出る評価は常に「公論」と言い得るか?」と言う疑念も、無視する訳には行くまい。 
 
【環球時報コラム】中国の脅威をでっち上げるのは安倍氏の政治洗脳術
  http://j.people.com.cn/94474/8487587.html
【1】 日本の与党が先日招集した外交と防衛に関する懇談会は軍備発展の指針となる「防衛計画の大綱」と国家安全保障会議による外交・防衛政策策定の基礎となる「国家安全保障戦略」を了承した。安倍氏はこの文書には「歴史的」意義があると特に強調した。われわれにとって確かにその意義は、注意深く味読するに値する。(時永明・中国国際問題研究所副研究員、海外網コラムニスト。環球時報掲載)。

【2】 第1に、日本の防衛思想に歴史的変化が生じるとみられる。「防衛計画の大綱」は無人偵察機、米国の開発した新型輸送機MV22オスプレイ、イージス艦などハイテク軍事装備を増やすとした。その背後にある真の意味は、日本の国防予算が安定型から着実な増加型へと転換するということだ。安倍政権は来年からの「中期防衛力整備計画」で、予算総額を23兆5000億円から24兆9000億円へと増やす計画だ。これは巨額の負債を抱える財政難の中で、軍事費は5.6%増加するということを意味する。もしこれが日本の国防政策思想の根本的転換であるとすれば、確かに歴史的意義を持つ。

【3】 第2に、日本の軍事作戦体系を調整し、自衛隊の一元的指揮・調整能力を大幅に強化する。陸上自衛隊を一元的に指揮する「陸上総隊」の新設など組織体系上の調整だけでなく、陸海空の統合指揮と協同作戦を強調。また、部隊の機動能力を強化し、「南西諸島」に迅速に展開できる機動師団と島嶼作戦に用いる水陸両用部隊を新設する。これによって日本と米国の統合エアシーバトルの協同能力が高まるだけでなく、日本の軍事力の海外展開能力も高まる。

【4】 第3に、恐らく最も政治的意義を持つのが、中国を「対応」目標として明確化したことだ。文書は「南西諸島」を軍事力配備の調整の対象として明記し、中国の正常な海上活動を対応の対象としたうえ、悪意をもって中国に「力を用いた現状変更」のレッテルを貼り、「冷静かつ毅然として」中国に対応していくと言明した。長期的に見ると中国と戦略的互恵関係の発展を図る必要があると曖昧な言及はしたものの、現実に示している対抗姿勢がはっきりと盛り込まれた。したがって、日本の今後の外交・防衛政策の指針となるこの「歴史的」文書が中日関係に「歴史的」害を与えることも不可避だ。

【5】 今回日本政府が初めてまとめた「国家安全保障戦略」でもう1つ考えさせられるのは、国民に対して「愛国教育」を行い、国民の国家安全保障意識を強化すると強調した点だ。安倍氏は2006年に初めて首相に就任した際、学校で「愛国主義を育む」計画を推進した。安倍氏にとって愛国とは何か?国歌の「君が代」を高らかに歌うことだ。この歌はかつて日本軍国主義の蹄鉄がアジアの大地を蹂躙した際のテーマ曲であり、BGMだった。

【6】 今年最初の公務日に、安倍氏は自民党党員を率いて「君が代」を高らかに歌った。安倍氏は日本軍国主義が犯した人道に対する罪を否認するだけでなく、自らの歴史に対する誇りを日本人に抱かせようとしている。安倍氏はいわゆる「愛国主義」を用いて、戦後日本社会に育まれた民主主義精神を一掃し、国家主義意識を再建しようとしている。与党が国会で「暴走」する方法で、国民の知る権利と言論の自由を脅かす「特定秘密保護法案」を強行可決したことも、安倍氏の「愛国主義」の表れだ。

【7】 要するにこの2件の「歴史的」文書が露呈したのは、虚構の外来の脅威によって国民意識を改造することで、憲法改正と軍事力強化を推し進め、強権の日本を築くということだ。これが安倍氏の政治的産業チェーンだ。(編集NA)
 「人民網日本語版」2013年12月17日
 

 

一体何を「批難」しているんだぁ?

 さて如何だろうか。
 
  改めて言うまでも無かろうが、上掲環球時報コラムにて槍玉に挙げられているのは、我が国の「防衛計画の大綱」と「国家安全保障戦略」の二文書である。
 
1〉安倍氏はこの文書には「歴史的」意義があると特に強調した。
2〉われわれにとって確かにその意義は、注意深く味読するに値する。
 
と、上掲コラム冒頭パラグラフ【1】にあり、続くパラグラフ【2】~【4】にわたって書くパラグラフで一点ずつ「その意義」を述べて居る。即ち、以下の三点である。
 
 ①日本の国防政策思想の根本的転換の可能性 【2】
 
 ②日米統合エアシーバトル能力と海外展開能力の向上 【3】
 
 ③「中国への対処」を明記 【4】
 
 なるほど、上記①~③が「中国共産党が当該二文書(*1)を注視する理由」とはなろう。安倍政権に先立つ民主党政権が、上記③「中国への対処」どころか配慮斟酌しまくりで、尖閣諸島沖中国「漁船」体当たり攻撃事件の際には地検に責任おっ被せて当該「漁船」船長を無罪放免したのと比べると、安倍・自民党政権の中国対処・対応とは好対照だから、文句の一つも言いたくなるだろう。

 だが、上記②「自衛隊の能力向上」にせよ上記③「我が国の対中国対処強硬化」にせよ、それらは「中国共産党にとっての不利益」ではあろうが、少なくとも我が国の勝手であり、恐らくは我が国の利益であろう。
 
 同じ事は上記①「国防政策思想の根本的転換」についても言える。専守防衛だろうが非核三原則だろうが武器輸出禁止だろうが、国防政策の一手段でしかなく、国防政策の目的は「我が国の安全保障」に尽きる。我が国を、我が国土領土領空領海及び国民の生命財産を如何に保全するかである。そのためには「国防政策思想の根本的転換」もあり得るし、必要ならば為さねばならない。その結論が我が国独自の核武装であろうとも日米安保破棄や日中「安保」条約締結であろうとも、日本国憲法破棄であろうとも、これまた我が国の勝手である。「中国共産党の利益」なぞ、斟酌するとしても、二義的な話でしかない。
 即ち、上記①~③は、結局の処「中国にとって不都合だ」と言う批難でしかない。まあ、党の口舌=環球時報のコラムとしてはそれで必要にして充分なのかも知れないが、説得力は皆無に近いぞ。
 

 

<注釈>

(*1) 「防衛計画の大綱」と「国家安全保障戦略