日本の諺では、「風が吹けば、桶屋が儲かる」と言う。大半の日本人には釈迦に説法だろうがこれは、
①風が吹くと埃が舞う。
②埃が目に入ると、目に悪いから、盲人が増える。
③盲人はその生計手段として三味線を習う。
④三味線の需要が高まり、販売量が増え、増産される。
⑤三味線は猫の皮で作られるから、猫の皮の需要も高まる。
⑥猫が狩られて、猫が減る。
⑦猫が減れば、鼠が増える。
⑧鼠は桶をかじるから、鼠にかじられてダメになる桶が増える。
⑨桶及び桶の修理の需要が高まり、桶屋は儲かる。
と言う「論理(*1)」を述べた「因果の妙」や、逆に「強引な論理」の喩に使われる諺だ。
だが、21世紀の極東では、「日本の政治家が「妄言」を吐くと、韓国の国会が紛糾する」らしい。これは中央日報が報じる処だから、「強引な論理」と言うよりは「因果の妙」の喩となる…筈だった。
<注釈>
(*1) 美事、と言うべきだろうな。「わらしべ長者」共々、日本が世界に誇る伝承であろう。因みにこれも釈迦に説法だろうが、「わらしべ長者」は 藁しべ ⇒ 虻を結びつけた藁しべ ⇒ 蜜柑 ⇒ 反物 ⇒ 馬 ⇒ 田畑・屋敷 と、「需要に応じた適宜適切な交換」により「無一文から金持ちになる」話。
【中央日報】「日本の政治家・閣僚妄言ますます…韓国政府は集団自衛権の対応消極的」
2013年11月21日08時46分
http://japanese.joins.com/article/537/178537.html?servcode=A00§code=A10
[? 中央日報/中央日報日本語版]
キム・ハンギル民主党代表が29日、国会本会議場で民主党チン・ソンジュン議員の外交・統一・安保分野の対政府質問の途中で、セヌリ党のパク・デチュル議員が大声で発言したことについて対策会議をしていた。
【1】 日本の「集団的自衛権」が20日、国会外交・統一・安保分野についての対政府質問の話題として出てきた。「安重根義士は犯罪者」と述べた日本の菅義偉官房長官の話が、議論の火に油を注いだ。セヌリ党の元裕哲(ウォン・ユチョル)議員はこの日「日本の政治家と閣僚の妄言がますます山のように積み重なっている」としながら政府の対応方案を尋ねた。
【2】 尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官は「日本政府の没歴史的発言は容認できない」として「日本の指導者が歴史退行的な行動を続けながら国際社会の平和安定に寄与するというのは自家撞着(自己矛盾)」と答えた。対日関係正常化のためには「結者解之(自分で起こした問題は自分で解決すべきという意)の面から、日本の真正性ある措置が必要だ」と強調した。
【3】 しかしセヌリ党議員は韓国政府の対応が消極的だと批判した。兪奇濬(ユ・ギジュン)議員は「米国やEU、豪州、英国などの友邦まで日本の集団的自衛権を支持している」として「米国は中国を牽制するために日本を利用しようという下心なのに、韓国政府は消極的に対応している」と話した。一部からは「核武装論」まで提起された。中国と北朝鮮を牽制するための日本の役割増大を防ぐために、韓国が主導力を高めなければならないという強硬対応論だった。
【4】 チョン・モンジュン議員は「核兵器は核兵器で対応してこそ平和を維持できるというのが冷戦時代の教訓だった」として「北朝鮮が核兵器に固執するならば、韓国も核オプションを選択するほかはない」と主張した。同党の元裕哲(ウォン・ユチョル)議員も「6カ国協議が水の泡となって消えるならば北朝鮮の『恐怖の核』に対応するために韓国も自衛権レベルで『平和の核』を持つべきだ」と加勢した。だが尹長官は「韓国政府の非核化の意志は明らかで、国際社会も韓国の立場を分かっている」と反対の意志を明確にした。
【5】 民主党はこの日も、政府機関の大統領選挙介入疑惑の追及に注力した。今度は軍のサイバー司令部が青瓦台(チョンワデ、大統領府)に毎日活動状況を報告していたという疑惑が提起された。民主党の金光珍(キム・グァンジン)議員は、元サイバー司令部勤務者の情報提供を受けて「サイバー司令部503団が毎日午前にサイバー司令官と国防部長官に2、3枚分の状況報告書と1枚分の心理戦関連報告書を提出し、報告内容は常時、国家情報院と青瓦台に伝えられていた」と主張した。
これに対し金寛鎮(キム・グァンジン)国防部長官は「そのような報告書自体がない」として全面否定した。「サイバー司令部は国家情報院から『心理戦指針』を受けたか」という質問に対しても「そのような事実はないと思う」と答えた。
【6】 民主党がサイバー司令部の大統領選挙介入問題を追及する過程で、セヌリ党との騒乱が広がった。チン・ソンジュン議員が鄭ホン原(チョン・ホンウォン)首相に「軍サイバー司令部など国家機関の大統領選挙介入疑惑についての立場を表明せよ」と荒々しく要求するとセヌリ党のパク・デチュル議員が議席に座ったまま「従北するのではなくて越北するのだろう」「(サイバー司令部を)武装解除するならみな越北に行け」と大きい声で叫んだ。
【7】 野党議員は直ちにパク議員の発言に対して荒々しく抗議し、パク議員は本会議場に戻ったチン議員に「同僚議員として、してはいけない話だった」と謝罪して騒乱が落ち着いた。
【8】 与野党の議員間の感情的な争いを見て、陸軍大将出身である民主党の白君基(ベク・グンキ)議員が、対政府質問で「保守・進歩の役割論」を提示して注目を浴びた。白議員は「進歩は進歩らしく保守は保守らしくなってこそ大韓民国が再び跳躍できる」として「それぞれの違いを認めて共に進むべきだ」と強調した。白議員は「国家安保はイデオロギーではない国民生存の問題として与野党と進歩・保守が別々ではあり得ない」として「安定した保守と改革的進歩が国益と国民の生命のために競争する時により良い未来が開かれ、それが総力安保で進む道」と話した。
韓国国会は複雑怪奇!…と言うより、支離滅裂では?
さて、如何だろうか。
一読したぐらいでは因果関係がサッパリ判らないので、政治家の発言を中心に経緯と因果関係を明確にしてみよう。発言者、発言、パラグラフ番号の順に羅列すると、以下の様になる。
①菅義偉官房長官 「安重根義士は犯罪者」 【1】
②セヌリ党の元裕哲(ウォン・ユチョル)議員 「日本の政治家と閣僚の妄言がますます山のように積み重なっている」と、韓国政府の対応を質す 【1】
③尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官 -1「日本政府の没歴史的発言は容認できない」 【2】
-2「日本の指導者が歴史退行的な行動を続けながら国際社会の平和安定に寄与するというのは自家撞着(自己矛盾)」 【2】
-3「(対日関係正常化のためには)結者解之(自分で起こした問題は自分で解決すべきという意)の面から、日本の真正性ある措置が必要だ」 【2】
④兪奇濬(ユ・ギジュン)議員 -1「米国やEU、豪州、英国などの友邦まで日本の集団的自衛権を支持している」 【3】
-2「米国は中国を牽制するために日本を利用しようという下心なのに、韓国政府は消極的に対応している」 【3】
⑤不明(セヌリ党の一部?) 「中国と北朝鮮を牽制するための日本の役割増大を防ぐための韓国核武装論」【3】
⑥チョン・モンジュン議員 -1「核兵器は核兵器で対応してこそ平和を維持できるというのが冷戦時代の教訓だった」 【4】
-2「北朝鮮が核兵器に固執するならば、韓国も核オプションを選択するほかはない」【4】
⑦元裕哲(ウォン・ユチョル) 「6カ国協議が水の泡となって消えるならば北朝鮮の『恐怖の核』に対応するために韓国も自衛権レベルで『平和の核』を持つべきだ」【4】
⑧尹長官(再び) 「韓国政府の非核化の意志は明らかで、国際社会も韓国の立場を分かっている」【4】
⑨民主党の金光珍(キム・グァンジン)議員 「サイバー司令部503団が毎日午前にサイバー司令官と国防部長官に2、3枚分の状況報告書と1枚分の心理戦関連報告書を提出し、報告内容は常時、国家情報院と青瓦台に伝えられていた」【5】
⑩金寛鎮(キム・グァンジン)国防部長官 -1「そのような報告書自体がない」
-2 (「サイバー司令部は国家情報院から『心理戦指針』を受けたか」という質問に)「そのような事実はないと思う」 【5】
⑪チン・ソンジュン議員 (鄭ホン原(チョン・ホンウォン)首相に)「軍サイバー司令部など国家機関の大統領選挙介入疑惑についての立場を表明せよ」 【6】
⑫セヌリ党のパク・デチュル議員 -1「従北するのではなくて越北するのだろ
う」【6】
-2「(サイバー司令部を)武装解除するならみな越北に行け」 【6】
-3「(上記⑫-1、-2発言に対し)同僚議員として、してはいけない話だった」【7】
う」【6】
-2「(サイバー司令部を)武装解除するならみな越北に行け」 【6】
-3「(上記⑫-1、-2発言に対し)同僚議員として、してはいけない話だった」【7】
⑬民主党の白君基(ベク・グンキ)議員 -1「進歩は進歩らしく保守は保守らしくなってこそ大韓民国が再び跳躍できる」【8】
-2「それぞれの違いを認めて共に進むべきだ」【8】
-3「国家安保はイデオロギーではない国民生存の問題として与野党と進歩・保守が別々ではあり得ない」【8】
-4「安定した保守と改革的進歩が国益と国民の生命のために競争する時により良い未来が開かれ、それが総力安保で進む道」【8】
-2「それぞれの違いを認めて共に進むべきだ」【8】
-3「国家安保はイデオロギーではない国民生存の問題として与野党と進歩・保守が別々ではあり得ない」【8】
-4「安定した保守と改革的進歩が国益と国民の生命のために競争する時により良い未来が開かれ、それが総力安保で進む道」【8】
ああ、これで漸く理解出来た。上掲記事パラグラフ【1】~【2】、【3】~【4】、【5】~【7】、【8】は、全く別の話をしているんだ。
いや、何れも「韓国国会におけるセヌリ党と民主党の紛糾」と言う点では共通しているが、パラグラフ【1】~【2】は上記①日本の菅官房長官の「安重根義士は犯罪者」発言に対する韓国政府対応の追求であり、パラグラフ【3】~【4】は「日本の集団的自衛権に対し、米、英、豪、EUまで支持が集まる」事を受けての韓国政府対応追求で、これが「韓国核武装論」にまで発展したそうだ。日本の原水禁あたりが騒がないのは、ハングルが読めないおかげかな(イヤ、ソンナ事ハアルマイ)。
さはさりながら、続く【5】~【7】は韓国サイバー司令部を巡る紛糾だが、正直何が何やらわからない。上記⑨の「状況報告」や上記⑩「心理戦指針」が実在したとしても、何が問題なんだ?
〆の【8】は白君基議員なる人が「保守と進歩の共闘」を訴えて、「オチ」を付けているが、上掲記事後半の「サイバー司令部」も「韓国保守と進歩の共闘」も、日本政府や日本の国会議員は、妄言も何も関係無い。
であると言うのに、上掲中央日報記事の見出しは、「日本の政治家・閣僚妄言ますます…韓国政府は集団自衛権の対応消極的」…「何でもかんでも日本が悪いニダ」って事かね。
結論。韓国国会は常に紛糾して居るモノであり、「日本の政治家の妄言」も「日本の集団的自衛権」も、関係無い。