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さて、今回引用するは、「我が宿敵」とも言うべき朝日新聞の記事である。尤も、理性と知性こそ人類最強の武器と信じ、魂の自由を愛する私(ZERO)は、差別主義や原理主義に堕さない様心がけているから、少なくとも「朝日新聞の記事」と言うだけで無条件に批判したり却下拒絶したりする事は無い(*1)。その朝日新聞記事が報じるのが「ゴルゴ13生誕45周年記念イベント」ともなれば尚更だ。何しろ当ブログは、Blogramの「ゴルゴ13」ジャンル第1位に輝いた事もあるのだから、ゴルゴとの縁は浅からぬものがある(*2)。
無論、ここで言う「生誕45周年」は、「ゴルゴ13ことデューク・東郷が45歳を迎えた誕生日(*3)」と言う意味では無く、「初回掲載から45年が経過した」と言う意味だ。否、実際は「連載開始から45年で、一回も休まず連載されている」と言うのだから恐れ入る。ゴルゴ13の方が「こち亀」こと「こちら亀有公園前派出所」より上なんだな(*4)。
イベントに合わせて、「マンガ家63人が描くゴルゴ13」が公開・展示されているそうで、ネット上からその一部を見る事が出来る。仲々圧巻と言うか、壮観だ。
<注釈>
(*1) ああ、眉に唾をつける事は、忘れないが。(*2) 科白をタイトルに引用したりはするが、ゴルゴ13をネタにした記事なんて、殆ど無いのだが。(*3) ある意味「誕生日」ではあるが…ゴルゴ13は「サザエさん」と同様に不老不死の存在でああるし、その風貌からすると30代前半と言う処ではなかろうか。(*4) そう言えば、太い眉と短めに刈り込んだ髪は、デューク・東郷と両津勘吉に共通するな。長期連載の秘訣かな。
ゴルゴ45年 作者も泣かす「現実舞台、ひたすら勉強」
[文]小原篤 [掲載]2013年11月18日
http://book.asahi.com/booknews/update/2013111900009.html
劇画「ゴルゴ13」が連載45周年を迎えた。一度も休まず連載を続けてきた作者さいとう・たかをは「実は一番苦手な作品」と打ち明ける。
■連載は1千回
寺院の円屋根に向け弾を撃ち、110度の角度で跳ね返らせ標的の額を打ち抜くなど、不可能な狙撃を超人的な能力で可能にするスナイパー、ゴルゴ13。イデオロギーに関係なく依頼を冷徹にこなす殺し屋を描く作品は、1968年11月に始まった。連載は1千回を超え、単行本は170巻に及ぶ。
「ひたすら机に向かってきただけで、45年と言われても『そんなにたったかな?』とピンと来ない。でも長く支持されて、77歳まで続けてこられたのはありがたい」とさいとう。
■「人間ってバカ」
早くからプロダクションを作り分業制を導入。さいとうは、編集部が用意した脚本をコマ割りする構成と主要人物の顔のペン入れをし、服や武器や背景などは専門のスタッフが描く。「ゴルゴ13」「鬼平犯科帳」「仕掛人 藤枝梅安」の劇画3本を連載中で、今も月産約200枚を誇る。「この世界で、まだ私が一番多いんじゃないかな」
ゴルゴが苦手、とは? 「時代劇は一種のファンタジー。好きなようにウソをつける。現実の現代社会が舞台の『ゴルゴ13』は、きちんと調べて正確にしないと。特にコンピューターとかサイバーテロといった題材の脚本が来ると泣きますよ。私は携帯だって最近いやいや持たされた人間なのに。でも、苦手なものが来た方が勉強になるし、一生懸命描くから」
東西の壁が崩れた後も、世界情勢は一向に落ち着かない。ゴルゴへの依頼も減りそうにない。
「人間はどこまでバカなんでしょうね。『人類みな兄弟』にならなきゃいかんのに」
連載開始時から最終回の構想は固まっている。
「コマ割りまでキチッと、頭の中でできています。いま描けと言われたらすぐ描ける。でも、もう作品は私のものではなく、読者のものになった。支持がある限り続けていきます」
■祝う会 マンガ家63人の「13」
「『ゴルゴ13』生誕45周年を祝う会」が13日夜、東京・有楽町の帝国ホテルで開かれ、仕事仲間や関係者ら約300人が集まった。初めに、愛読者の麻生太郎副総理があいさつ。続いてさいとう・たかをが友人のマンガ家ちばてつや、黒鉄ヒロシとワインだるの鏡開きをし、「ワン、ツー、スリー、シュート!」のかけ声でハンマーを振り下ろした。
会場には、秋本治、あだち充、井上雄彦、尾田栄一郎、高橋留美子、萩尾望都ら人気マンガ家63人が描いたゴルゴの絵が展示された。
電子書籍販売サイトを運営する「イーブックイニシアティブジャパン」などが13日から、「ゴルゴ13」の13作品を13週かけて無料配信するサービスを始めた。NTT東日本のWi―Fiスポット(無線通信の基地局)が設置されている店舗・施設で、1日30分読むことができる。
用件を聞こうか。
さて、如何だろうか。
是非ともご照覧いただきたいのは、どちらかと言うと「マンガ家63人が描くゴルゴ13」の方だ。そりゃゴルゴ13の風貌、太いが鋭角的な眉に鋭い目つきと短く刈り込んだ髪と言うのは非常に特徴的であるし、西原理恵子が自ら認める通り既にゴルゴ13をネタにしたりパクったりした漫画家も幾人か居ろうが(*1)、どの絵もそれぞれの作者の特徴を出しつつ美事なまでに「ゴルゴ13」になっている。水島新司版が野球のユニフォームを着ていようが、星野之宣版が宇宙服を着ていよう(*2)が、ちばてつや版が笑顔(想像図)であろうが、藤子不二雄(A)版が一寸捻って歌舞伎風だろうが、萩尾望都版が中世銃士だろうが、ヤマザキマリ版が半裸で剣を構える剣闘士風だろうが、はたまた高橋留美子版がコタツ猫であろうが(*3)、ゴルゴ13はゴルゴ13である(*4)。ああ、ジョージ秋山だけは、一寸ズルをしているな。
他方上掲記事の方は、ゴルゴ生誕45周年記念イベントに於ける作者・さいとうたかお氏へのインタビュ―。
1〉現実の現代社会が舞台の『ゴルゴ13』は、きちんと調べて正確にしないと。
と言うさいとうたかお氏の姿勢は、多くの漫画家にも共通するものらしいが、「ゴルゴ13を読んで、国際情勢を勉強する」なんて「都市伝説(*5)」に一定の説得力を与えよう。
さはさりながら、
2〉「人間はどこまでバカなんでしょうね。『人類みな兄弟』にならなきゃいかんのに」
…そりゃ、さいとうたかお氏は上記2〉の通り(多分)インタビューに答えたのだろうし、この発言そのものはある意味「人間の業」であり「真実」でもあろうが、これを特筆大書して小見出しに持って来る処が、如何にも朝日だよなぁ。
<注釈>
(*1) 私の知っている処では、秋元治の「こち亀」には「ゴルゴ13のパロディ」キャラが幾人か登場している。(*2) 実際、ゴルゴ13は宇宙服来て宇宙へ行き、船外活動した事が、何度かある。(*3) いや、こっちじゃないか。(*4) 流石に、「ゴルゴ13以外の何ものでもない」とまでは、断言しかねるが。(*5) 実際にそんな事を実行するものは少数だと推定するし、それが実効を持つ者は更に少数であろうから、ある種の「例え話」と、私(ZERO))は考えている。