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 何度も公言している通り、私(ZERO)は「殆ど生まれついての右翼」だ。所謂街宣車に乗った事は無いし、政治結社だの右翼団体だのに所属した覚えも無いが、右翼/左翼と言うのは思想の問題なのだから、別に特定の政治団体・政党・政治結社に所属しなくたって右翼/左翼にはなれる。また、この世は思想的にも発想的にも種々雑多な人間がいるから面白く、「三人寄れば文殊の知恵」なればこそ、民主主義にも一定の期待を持てる。これが思想統制されて右翼ばかり/左翼ばかりになってしまっては、「三人寄っても文殊の知恵は湧かず」、民主主義とて形骸化して、民主主義の利点も活かせなくなる。
 だから、少なくとも民主主義体制の背景・根拠となる自由主義的社会に於いては、右翼も左翼も居って当然。居なければ困る。私(ZERO)が「右翼」として自由主義社会の文字通り「一翼を担う」のなら、私にとっても大変結構な事。
 故に、「お前は右翼だ!/右翼か?」と言われた覚えは数多あるが、痛痒を感じた覚えはトンと無い。それぐらい「殆ど生まれついての右翼」なのが、私(ZERO)だ。

 であるならば、安倍首相のニューヨークでの演説にて、我が国国防費が漸く微増に転じた事と「(国防費増)毎年10%以上の伸びを20年以上続けた」中国を引き合いに出して、

①1〉「(それでも)もし私を右翼の軍国主義者と呼びたいのならどうぞ」と中国側を“逆批判”した。

と言う報道に、私(ZERO)は思わず快哉を叫んだ。

 だが、私(ZERO)が叫んだ快哉以上の意味・意義が、安倍首相のニューヨーク演説にはありそうだ。


①中国の右翼批判に「呼びたいならどうぞ」 安倍首相、NYで演説、逆批判
2013.9.26 08:44 [安倍首相]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130926/plc13092608450001-n1.htm

証券取引所で講演する安倍首相=25日(日本時間26日)米ニューヨーク(代表撮影)
 【ニューヨーク=水内茂幸】安倍晋三首相は25日午後(日本時間26日未明)、ニューヨークの証券取引所で演説し、「日本に帰ったら投資を喚起するため、大胆な減税を断行する」と表明した。これに先立ち25日昼には保守系シンクタンクのハドソン研究所でも講演した。日本の防衛費の伸びが中国の10分の1以下であることを指摘し、「(それでも)もし私を右翼の軍国主義者と呼びたいのならどうぞ」と中国側を“逆批判”した。

「今日は日本がもう一度もうかる国になる、『Japan is back』ということをお話しするためにやってきた」

首相は証券取引所での演説で、オリバー・ストーン監督の映画「ウォール街」を引き合いに、自らの経済政策「アベノミクス」をアピール。2010年の第2作では、1987年の第1作で使われた「日経平均」という言葉が姿を消し、代わりに中国人の投資家が登場したことに触れ、反転攻勢に向けた決意を示した。

「日本に帰ったらただちに成長戦略の次なる矢を放つ」と規制緩和の手を緩めない方針を明示するともに、「(2020年の夏季東京五輪招致成功で)日本は7年後に向け大いなる高揚感にあり、(投資するなら)今がチャンスだ」と強調。「世界経済回復のためには3語で十分。『Buy my Abenomics!(どうぞアベノミクスにあなたのおカネを)』」と訴えた。

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)でも「年内の交渉妥結に向けて日米でリードしていかなければならない」と年内妥結への決意を踏み込んで強調した。

ハドソン研究所では日本の今年の防衛費の伸び率0.8%に対し、中国は「毎年10%以上の伸びを20年以上続けた」と説明し、中国側が首相を「戦争の道を目指す右翼」と批判していることの矛盾を指摘した。

そのうえで首相は、「日本は、米国が主たる役割を務める安全保障の枠組みにおいて、鎖の強さを決定づけてしまう弱い輪であってはならない」と訴え、日本が世界の安全保障に積極的に貢献していく方向性を打ち出した。




 
【人民日報「鐘声」国際論評】危険な安倍式「どうぞそうお呼びいただきたい」
http://j.people.com.cn/94474/8412237.html

【1】 安倍氏の横暴と恐れ知らずには「成長」過程がある。いつの日か条件が熟しても、または頭に血が上りすぎても、今日の勝手な妄言が現実の冒険に変わることはないと誰が保証できよう?(人民日報「鐘声」国際論評)

【2】 日本の安倍晋三首相は25日、米ニューヨークのシンクタンクで講演し、日本を率いて「積極的平和主義の国」にすることを固く誓うと同時に、なんと「私を右翼の軍国主義者と呼びたいのであれば、どうぞそうお呼びいただきたい」と公言した。

【3】 かくも悪辣な政治的レッテルを自らに貼る自信はどこから来るのか?軍国主義的侵略の歴史の魂を公然と招きかえし、至る処でもめ事を引き起こす政治屋が、どうして日本を真の意味の積極的平和主義へと導くことができようか?

【4】 安倍氏の講演の全文を入念に読み込むと、安倍氏がニューヨークで売り込んだのが、価値観同盟をかき集めるという妄想、平和憲法を改正するという衝動、中国の国際的イメージを毀損するという腹黒い魂胆に過ぎぬことが難なく見てとれる。講演に何か新たな情報があったとすれば、それは破れかぶれの横暴、および正義や世界公認の正しい道理に挑戦する恐れ知らずがエスカレートしているということだ。

【5】 安倍氏は講演で価値観同盟を築き、間もなく到来する「インド洋と太平洋の世紀」を「盟主」と共に指導すると放言した。安倍氏の自信は「日本は最も成熟した民主国家の1つである」との自らの判断から来ている。歴史事実を覆し、戦後の国際秩序と取り決めに挑戦してもなお「最も成熟した民主国」でいられるのだとすれば、そのような「民主」は一体どんな代物なのか?価値観の看板を高く掲げて未来をリードしたいのなら、まず国際社会に受け入れられる「普通の国」にならなければならない(※1)。

【6】 平和憲法改正によって束縛を解き、地域と世界の安全保障枠組における「弱い一環」であることを変える。安倍氏は戦後体制改変の激しい衝動を再び披瀝した。この衝動は一体「世界の福祉や安全保障」により多くの貢献をしようとするものなのか、それとも妨害し、破壊しようとするものなのか?

【7】  英紙フィナンシャル・タイムズの論評に耳を傾けてみたらどうか。「隣国を怒らせる安倍政権の挑発的言動と侵略の歴史を歪曲する態度は、アジア太平洋地域の平和と安全を脅かす」。

【8】 日本の有識者もこの脅威を目の当たりにしている。東京大学の高橋哲哉教授は「歴史に対する評価が必要に基づき随時変化する」安倍氏の歴史観は国防軍創設、海外での軍事行動展開などの計画と相まって、「隣国が非常に危険な動向と捉えるのは明らか」と指摘した。

【9】 講演で安倍氏は日本の防衛費が中国の軍事費の半分に過ぎないこと、防衛費の伸び率が中国よりも低いことを挙げて「中国の脅威」を誇張しようと企てた。なんたるでたらめなロジックだ!もし軍事費の多寡のみを根拠に世界に対する脅威の程度を断定するのなら、筆頭は米国を置いて他にないではないか?(※2)

【10】 中国は平和的発展路線を堅持し、防御的国防政策を遂行しており、戦略の意図は透明だ(※3)。中国による正常かつ正当な国防能力の発展は、いかなる国に対しても脅威とならず(※4)、四の五の言う権利は日本にない。

【11】 「私を右翼の軍国主義者と呼びたいのであれば、どうぞそうお呼びいただきたい」は、安倍の講演中の憤懣やるかたない反語だ。問題は、「右翼の軍国主義者」が自分にとって敏感な言葉であることを安倍氏が全く自覚していないことが、この反語によってはっきりと示されたことだ(※5)。彼からすると、侵略定義未定論をぶち上げ、「村山談話」見直しを言い放ち、靖国神社の亡霊を間接的に参拝し、慰安婦問題が国家犯罪であることを認めないのは、正当至極な行動であり、「ポリティカル・コレクトネス」に背くやましさや恥ずかしさはみじんも感じていないのだ。

【12】 安倍氏の横暴と恐れ知らずには「成長」過程があることに注目する必要がある。この成長には、誤った方向に沿って滑り落ちる加速度作用があり、日本社会の右傾化の激化という環境によって引き立てられており、外的圧力がまだそれを直ちに抑えられていないこととも関係がある(※6)。

【13】 言葉は心の表れ、理念は行動の指針。いつの日か条件が熟しても、または頭に血が上りすぎても、今日の勝手な妄言が現実の冒険に変わることはないと誰が保証できよう?

【14】 安倍式「どうぞそうお呼びいただきたい」は、改めて警鐘を鳴らしている!
(編集NA)

「人民網日本語版」2013年9月27日



<注釈>

(※1) 我が国を「受け入れていない」のは、半島と大陸だけのようですが、何か? 

(※2) 徴兵制で人件費も安い中国と、志願兵制で人件費は世界最高レベルの米国を、防衛費の多寡のみで比べる事こそ、笑止千万。第一、軍隊の頭数が違う。 

(※3) 朝鮮戦争に介入し、チベットやモンゴルを併合し、南シナ海でも東シナ海でも「核心的利益」と領土的野心を公言している国が、かね。
 ああ、領土的野心を「核心的利益」と公言する分は、「戦略の意図は透明」だな。だが、それは、平和的でも防御的でもないぞ。 

(※4) チベットもモンゴルも、併合されたままですが、何か? 

(※5) つまり、「悪口を言って居るのだが、相手が気にしないので、腹立たしいが、どうしようもない」という事だな。 

(※6) つまり、中国が国を挙げての「悪意ある宣伝」が、全く奏功していない、と、自ら認めた訳だ。 



演説は、結構うけたようだがね。


 さて、如何だろうか。

 問題の安倍首相演説は英語で、動画と和訳全文が首相官邸HP
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0925hudsonspeech.html に掲載されているので、ご一読/一視聴をお勧めする。上掲②記事で人民日報コラムが噛みついている「どうぞ右翼とお呼び頂きたい」 の下りは、和訳全文では以下の様になる。

1〉本年、我が政府は、実に11年ぶりに防衛費を増額しました。
2〉 いったいどれだけ、と、お知りになりたいでしょう。
3〉 でもその前に、日本はすぐそばの隣国に、軍事支出が少なくとも日本の2倍で、米国に次いで世界第2位、という国があります。
4〉 この国の軍事支出の伸びを見ますと、もともと極めて透明性がないのですが、
5〉毎年10%以上の伸びを、1989年以来、20年以上続けてきています。
6〉 さてそれで、私の政府が防衛予算をいくら増額したかというと、たったの0.8%に過ぎないのです。
7〉 従って、もし皆様が私を、右翼の軍国主義者とお呼びになりたいのであれば、どうぞそうお呼びいただきたいものであります。

 動画の方を見れば、演説自体が笑いあり拍手あり、野次は無しの「和やかな雰囲気」で行われたことが判るし、上記7〉のでは海上がドッと沸くのも歴然だ。